↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死にたい貴方に送る自殺体験型テーマパーク  作者: 百合香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/21

第三話


時刻は一時、ようやくお客さんの数が減り、カウントフーズと肉まんの重機、コーヒーマシンの洗い物を終えて、これから発注作業だ、発注は昼間のパートさんが、雑貨や生活用品、飲み物、お菓子、冷凍食品、などを発注をしてくれている。店長である僕が発注をするのは、コンビニの主力食品である、パンや、おにぎり、日配品、カウンターフーズのチキンだ、


 僕は頭が悪いせいでこの発注のシステムがよくわかっていない。

いつ今日の発注したものが届き、いつ廃棄されているのか、発注画面を見ても分からない。発注画面にはちゃんと日付や、曜日等が書かれているが、僕の頭の中で、数字が喧嘩してしまう、なので先週と同じ数字を入れておく。だがこれもミスが多く、僕は以前に日曜日分の発注を金曜日分の、発注の数字を入れてしまい。日曜日大量に廃棄をだしてしまい田中オーナーを怒らしてしまった事がある。

 

 防犯カメラを覗きながら発注画面を立ち上げていると、駐車場に一台の車が入ってきた。黒塗りのセダンが入ってきた。この車は、間違いない田中オーナーの車だ、田中オーナはこうして、気まぐれを起こして自分のお店を夜中に抜き打ちでまわってくる。栄養と欲望で膨れ上がっているお腹の肉を揺らしながら、車を降りて、お店に向かってきた。


 ピンポーンお店のベルがなる、僕は急いで入口に行き「いらっしゃいませ」と出ていく、

 「いらっしゃいませじゃねーよ、カメラ見たら俺が来たって分かんだろ?」

 僕は申し訳ありません。と頭を下げた、オーナーは機嫌が悪い、家で奥さんと、もめたのだろうか?田中オーナーは事務所の椅子に座ると、お前も座れと促された、僕は発注機を握りしめたまま座った。

 田中オーナーがここのお店のスタッフの履歴書が入ったファイルを出した。

 「発注をしながらでいいから、話を聞け?」


 僕はながら作業が苦手だ何かをやりながら話を聞くのがとても苦手だ、以前に話を聞きながら発注をしたときに、とんでもない発注ミスが起こり、すごく怒られた、パンが山のように届き、その日の廃棄金額を僕は支払うはめになった、極端な廃棄ミスは店長の自腹を切らなきゃいけない決まりだ。なので僕を極力発注ミスが起きないようにオーナーの話を耳を傾けるようにしている。


 田中オーナーはここ星野町駅前店のスタッフ一人一人の近況を聞き始めた。もちろんオーナーはそんな事には興味はない、朝勤のスタッフが家で旦那と喧嘩して、仕返しにここの夕勤の男の子と不倫している事も、昼勤のスタッフがダブルワークをしており夜の風俗店でデルヘルのバイトをしていて、ホテルで寝た男の人がここに買い物に来て気まずい思いをした事、夕勤の子が、こっそりと、レジからお金を取ってる事、それを店長が負担している事、そしてもしかしたら、夕勤の子がやめてしまい、店長が変わりに入るかもしれない事、そんな一つ一つにオーナーに話した所で解決しないことは充分に分かっている。無難な答えを並べて話していった。要するにオーナーはこの時間は暇つぶしでしかないのだ。

 「まー俺の言う通りにしてれば、問題はないんだよ、俺が言っている事が間違いだった事あるか?」

 「ありません。全て田中オーナーの言う通りです。」

 僕は何事も反論することなく、はい、はい、と聞いていた。

 「いいか?今後お前には成長してもらわなきゃ、いけねんだよ?いつまでも、俺に甘えているようじゃ、成長しないんだよ、結局今日だって遅刻してるだろう?早く寝て、早く起きる工夫をしろ?まーお前みたいなポンコツに言ったてしかたないんだけどな、っていうか?お前こんなにポンコツなのによく三十四歳まで生きてきたよな?本当に俺みたいなのに、拾われて良かったよな、てか、数字が苦手なくせにお金の計算とか日頃どうしてんだ?ポンコツのお前の事だから、どうせ無駄使いしてんだろ?もっと頭使え、無駄使いしてるから、発注ミスもおきんだよ、動きはとろいしよー、もっと運動もしろよ、」

 オーナーはずっと僕を餌にして、貪り食べている気がする。

 ピンポーンピンポーン 「おはようございます!!」

 時刻は二時で納品の業者が来た時間のようだ、だがオーナーのオナニーはまだ続いていた。


オーナーの言葉に、はい、はい、っと相づちをうち上下に扱く,


 ガラガラガラガラ

「ここにおにぎりとお弁当を置いておきまーす。」

「はい、はい、そうですね、」

「ここにパンを置いておきまーす。」

「はい、はい、おっしゃる通りでーす」

「ここにカップ麺置いておきまーす。」

「はい、はい、その通りにしていきます。」

「お菓子はここに置いておきまーす。」

「はい、はい、オーナーは凄いですね」

「雑貨はこちらに置いておきます。」

「はい、はい、凄いですねオーナーは!」


 納品の人が帰っていた。オーナーも満腹そうで、スッキリしているようだ。

今ここの店内に二つの欲望が渦巻いた、それは、人々の食欲を満たすであろう物と、自己顕示欲だ。

 田中オーナーは人の事を馬鹿にしないときっと自分が保てない、食欲と自己顕示欲は似てる気がする。食欲は食べ物を食べることによって、欲が解消され、自己顕示欲は人間を餌にして、馬鹿にして、優位に立とうとする。どちらも食べることでしか満足はできない。コンビニは二十四時間、何でも置いてある、田中オーナーは今日ここに自己顕示欲を買いに来たのだ。商品は僕だ。


  田中オーナーが帰ったのは、結局四時だった。さんざん僕の事をオカズにしてオナニーをして帰った。僕はこの時間から、納品の検品、品だし、発注、掃除をしなければならない、僕はどんくさいので、一つ一つに時間がかかる、駅前店という事もあり、お客さんは五時くらいから入る、なので品だしは一時間で終わらせなければならい。僕の夜勤業務は今始まった、このようなことは、初めてじゃない、いつも何かあって、帰りが遅くなるのだ、昨日も何だかんだあり、遅くなり睡眠時間がとれず、遅刻をしてしまった。

 仕事ができない、問題が起きる、帰りが遅くなる、遅刻をする、悪循環なのは分かっている、これで世渡り上手な人なら、うまくやるのだろうが、僕にはそれが難しい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。