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死にたい貴方に送る自殺体験型テーマパーク  作者: 百合香


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12/21

第十二話

 僕はいつもの夕勤から夜勤開け、朝の中島さんの変わりのシフトに入った魚下店長は永遠と仕事の極意を披露している。魚下店長は発注機を持って僕に説明する。


 「だから、何度も言ってるように、ここのカッコに入力された数字の物は、明後日の午前中に届くんです。いいですか分かりますか?あと何で午前中だけの便に数字が偏ってるんですか?いいですか?三便でくる、おにぎりの方が、賞味期限が少し長いんです。それも確認してますか?あと、シーチキンマヨネーズと鮭だけ強くしてもお客さんは、喜びませんよ?おかか、や、こんぶ、だって売れるんですよ?、、、、、あーもうパンだって、」

 

 僕は迫りくる眠気と戦っていた。夜勤明けの眠たい脳には魚下店長の話は、インプットされていかない。僕の頭のハードデスクは機能はしていなく、フリーズしたまんまだ。


 「ちょっと、冷蔵ケースの温度管理表の数字もバラバラじゃないですか?見てください。他のスタッフが書かれている所は数字が同じじゃないですか、相原店長は適当書いてるんじゃないですか?あとちょっと来てください。」


 僕はフラフラと魚下店長の後をついてった、どうやら向かう所はトイレらしい、

 売り場を通るときに、フェイスアップをしている田村さんと目があった、少し笑われた気がしたが、目を伏せ、見てないふりをした。


 トイレにつくと、魚下店長は怒り始めた。

 「これ見てください!トイレの清掃チェック欄、深夜だけ、チェックがないじゃないですか?これはどういう事ですか?」


 僕は正直に時間がなかったことを伝えた。


 「そうですか?時間がないですか?ではあれを見てください」

 魚下店長の指の先に田村さんが、一生懸命レジを打つ姿があった、列になっているお客さんを待たせないように必死みたいだ。


 「今は朝です。お客さんは絶えずやってきます。夜勤はどうですか?暇ではないですか?田村さんは今一人でレジを打っています。朝の人や昼の人が掃除が出来なかった事ならまだ分かります。ですが相原店長は夜勤だ、いくらでも時間ありませんか?」


 そういうと、急いで大きな声で、いらっしゃいませと叫び、レジの応援に入っていった、その姿はイキイキとしていてフレッシュだった、若者が頑張ってる姿はいつの日も美しいし、それは称賛に与えられる事だ、若干二十五歳の彼は五歳上の田村さんをアシストしだした、お客さんに言われた、アメリカンドックを入れ、タバコをとってあげ、クレイジーチキンを入れていた、普段あまり笑顔を見せない田村さんが笑っていた。僕はふと何故か、魚下店長と田村さんがセックスをしている映像が頭の中で再生された、何故だろう?田村さんは結婚をしていて、旦那さんがいるのに、その旦那さんにさえ見せない笑顔で、鎖骨の下の蝶々のタトューを光らせながら、フレッシュな魚下店長のテクニックを存分に受けて田村さんは喘いでいる。レジの中の二人はいつまでもセックスをしていた。


 しばらくして魚下店長が戻ってきた。それじゃ今度はウォークイン行きましょうといい、飲み物が並べられいる。裏の冷蔵庫に入った。少し寒く、眠気が少し飛んだ、だがもう時間は十一時になろうとしていた、昼勤の人が出勤してくる時間だ。


 「見てくださいウォークインの中グチャグチャじゃないですか?段ボールは散乱してるし、棚には、炭酸ジュースや缶コーヒーお酒等がグチャグチャでこれじゃ品だしが大変でウォークイン作業が時間がかかると、スタッフからクレームが来てますよ、夜勤の間で整理してくださいと、いいですか?ここは今日の夜勤ですぐかたずけて下さいね?」


 僕は分かりました。と、小さな声で伝えた。そこに昼勤の二人が出勤をしてきた。バックヤードの入口近くに、ウォークインの入口があるので、声は筒抜けだった。


 「返事小さいですよ!もっと、大きい声で!」

 「はい!ウォークインをかたずけます!」


 昼勤の二人がビックリした顔をでこちらを見てきた。羞恥心はもうない。

 

 魚下店長と一緒に事務所に戻ると田村さんが退勤を押している所だった。魚下店長がフレッシュな感じで話をかけた。

 「田村さん、ここのお店の改善点はありますか?しばらくは僕がここのお店を管理しますので、ぜひ若手の田村さんの意見を聞きたいです。」

今年で三十歳を迎える田村さんは若手と言われ凄く嬉しそうだった、店長の僕には見せない顔で答えた。


 「うーん、バックヤードが少しゴチャッとしていて、品だしが、しにくいです。あとぉ、連絡ノートに何の指示がいつも出てないので、今週のイベントを分からずお客様に聞かれたとき答えられなくて、迷惑をかけてしまいました。あと、ワークスケジュール表の夜勤の部分だけ空欄です。あと、朝に売れもしないのにカウンターフーズの、コロッケが何十個もあってその半分がお昼に廃棄され、逆に売れるアメリカンドッグが少なくて、クレームが来ました。」


 気が付くと背後に、昼勤の二人が立っていた。その二人も会話に混じってきた。


 「あのアメリカンドッグ私もお昼、無くてクレームを受けました。」

 「あと、ウォークイン汚いです。」

 「あと、トイレがいつも昼、汚いです。」

 「あと、いつも床が汚いです。」

 「あと、廃棄漏れが多いです。」

 「あと、夕勤がすぐやめていきます。」

 「あと、レジ周りがいつも臭いです。」

 「事務所も臭いです。バックヤードも臭いです。相原店長の制服が臭いです。」

 

 

 「皆さん安心してください。一つ一つを僕が解決します。まずはウォークインの改善、それから、バックヤード、全て解決しますからね、いいですね?相原店長、皆さん貴方のために言ってるんですよ?僕を含む田村さん、昼勤の二人に誓って返事をお願いします。」


 「・・・・・・・・」


 「黙ってないで返事は?」

 「・・・はい・・分かりました。」

 「声が小さいですよ」

 「はい!!!分かりました!!!!!!」


 皆、安心したように、おのおのが、自分の持ち場に戻っていた。田村さんは帰る支度をし、昼勤の二人は業務に就いた。魚下店長は自分の本来のお店に行く支度をしていた。僕は頭がうまく動かず、しばらく呆然と立っていた。事務所の外で、田村さんの声と、魚下店長の会話が聞こえてきた。


 「魚下店長、今帰りですか?途中まで一緒にどうですか?」

 「いいですよ、僕はこの後、自分のお店に戻ります。まだ業務がありますから、」

 「若いのに素敵です。うちのお店の店長もやってくださいよぉ」


 事務所の鏡に僕の顔が映る。夜勤明けで濃くなった無精ひげ、青くなった目の下のクマ、くぼんだ目、

髪の毛は細くなり、薄く、うっすら地肌が見える。


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