表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/161

貴族と劣等民



 ルナリエは俺の隣にぴったりと体を密着させてきた。


「おいおい、なんだか距離が近いなあ」


「さっきブラッドフェンリルに襲われたとき、すごく怖かった。こうやってナガトさんの近くにいると、とても安心するんです……」


「ふ、ふーん、ルナリエさんね。よろしく、シェリルよ。な、なんてまぶしい笑顔なのかしら。それに『アクトゥス』って……嫌な予感がするわ。わ、わたしだって大きさじゃ負けてないんだから! ひとりじめはだめよ!?」


 シェリルも俺の腕に抱き着くと、その豊満なふたつのものを押し当ててきた。

 

「やれやれ、シェリルはさみしがり屋だね」


 俺がシェリルの髪を優しくなでてやると、シェリルは気持ちよさそうに体を震わせるのだった。


 まいったな、これじゃ動けないぞ。


「くそっ、あの銀髪の子だけじゃなくてシェリルちゃんまであんな奴に……」


「なんで、劣等民なのにあいつばっかり、こんなの理不尽だ……!!」


 周りの奴らがすごい顔でこっちを見ているが、彼らはいったいどうしたのだろう。

 やれやれ……俺は今、困っているんだがなあ。


 すると、ギルドの入り口の方がなにやら騒がしい様子だった。

 どうやら誰かがギルドに来たらしい。

 

 ギルドの職員たちが慌てているのが見えた。


「……!? あ、あなた様は」


「りょ、領主様!?」


 現れたのは豪華な衣装を纏う恰幅の良い男だった。


「ルナリエ……! ルナリエはここにおるか……!?」


「あっ! お父様……!」


「おお、ルナリエ! 無事でよかった。お前が一人でブラッドフェンリルの討伐に行ったと聞いて、心配しておったのだぞ!」


「無茶をしてごめんなさい、お父様。ねえ聞いて、こちらにいるナガトが私の事を助けてくれたのよ!」


「な、なんと! それはまことか!」


 ルナリエの父だという男は俺に向き直ると、深々と頭を下げたのだった。


「ナガト殿、礼を申し上げる。私はアクトゥス領主、ゲオルグ・フォン・アクトゥス。娘を救っていただきこの度はなんと感謝をすればよいか」


「そんな……俺はギルドの依頼をこなしただけですよ。そんなにかしこまらないでください」


「おお……なんと謙虚な! ブラッドフェンリルのごとき強敵を破りながら、なんと器の大きなお方なのだろうか!!」


 領主の声に、まわりで見ていた冒険者たちはざわざわと騒然となった。


「お、おいマジかよ!? 領主様があの劣等民に頭を下げているぞ……」


「それに、あいつがあのブラッドフェンリルを倒しただって!? ど、どうなってやがる」


 まいったな。あまり目立つつもりはなかったのだが……


「お父様、ナガトは傷ついた私の前に一人でさっそうと現れて、一瞬で四体のブラッドフェンリルを倒してしまったわ。それに私の傷も【回復(ヒール)】の魔法で治してくれたの。ナガトは本当にすごい冒険者よ」


「な、なんということだ……! 【回復】が使えるということは、ナガト殿は治療師か? 後衛職でありながら、あの恐ろしいブラッドフェンリルを四体も打ち取るとは……!!」


「それで、ナガトになにかお礼がしたいんだけど。お父様、いいかしら?」


「おお、もちろんだとも! ついてはナガト殿。ぜひこの後、我が屋敷まで来ていただきたい。いかがですかな?」


 やれやれ、大げさだな。

 まあ、領主にも面子があるだろう。


 ここは受けておいた方がいいだろうか。


 それにしてもルナリエが、まさか領主のお嬢様だとは思わなかったな。


 そして、シェリルがルナリエとなにか話しているのが見えた。


「しょうがないから今日はルナリエに譲ってあげるわ。でもこれは貸しひとつだからね」


「ええ。わかってますよ。ありがとう、シェリル」


 俺はざわめくギルドを後にして、豪華な馬車に案内されるのだった。




この小説を読んで


「面白い」

「続きが気になる!」

「この先どうなるの!?」


と少しでも思ったら、↓の★★★★★を押して応援してくれると嬉しいです!


あなたの応援が、更新の原動力になります!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 劣等民呼ばわりは明らかにおかしいが、 爆発しろという思いは冒険者連中に同感できるわ 無自覚にモテすぎて嫌味の極み 何が、「彼らはいったいどうしたのだろう」だ 手榴弾投げつけたい 元カノは地雷…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ