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女難危行・拉致した皇女と六人の嫁  作者: 雛人形
七夜城の陰謀
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首都防衛

入院中に病室から携帯で投稿です。


次回は、水曜か木曜日には出す予定です、よろしくお願いします!

ロゼが受けた報告は、ドアの森に七夜城からの敵が現れたと言うものだった。


首都の混乱に対応するのと、守備の強化の為に駐屯地は最低限度の兵を残し、引き揚げさせる予定が、そうはいかなくなってしまった。


「ドアの森に何故連中が?」

「分からないわ……」


意味なくそんな場所に、敵兵が姿を現すとは考えにくい。ドアの守備隊は、魔物と七夜城の敵兵の両方を警戒しなければ成らなくなってしまった。


対応に苦慮している処へ、ラケニスから連絡がきた。


小僧だけで良い、直ぐにここへ来い


「何か見付かったのかもしれない」

「うん、こっちは何とかするわ行って」


ドアの森に現れた敵兵の動きも気になるが、ラケニスから連絡がきたと言うことは、七夜城を囲む結界を破る方法が見付かった可能性があり、無視する事は出来ない。


扉を開いて貰う為にイリスを捜す、まだ混乱状態を脱し切れていない宮殿跡地を歩き回り、怪我人を収容しているテント付近で、ようやく彼女は見付かった。ラケニスからの連絡がきた事を話し、扉を開けてもらい塔へと入って行った。


ラケニスは俺の顔を見ると、イキなりだった。


「小僧っ、黄泉へ行き夜叉姫と会え!」

「夜叉姫に?」

「入り口を開く、急げ!」


ラケニスは、即座に魔法陣を作ると、俺をそこへ押し入る。


魔法陣から飛び出ると、夜叉姫が俺の傍へと駆け寄って来るのが見える。彼女も俺が来るのを待っていたようだ。


「話は聞いた……」

「ごめん夜叉姫、大事な宝刀を奴らに渡すしかなかった」

「やむを得まい、人質を取られてはな」


ラケニスが詳細を話していたらしく、俺が細かく事情を説明する必要は無かった。


「お前が、破壊した帝釈天の刀を覚えているか?」


前回来た時に、蛮族から取り返し、帝釈天に返さず俺が破壊した刀。


「ああ、良く覚えている」

「あれをもう一度、打ち直す」

「造れるのか?」

「但し、あれだけの結界だ。一回破れば、刀は破壊される」

「一回で十分だ」


結界さえ破れば、後はどうにか出来る筈。夜叉姫に礼を言い掛けたが、彼女の話にはまだ続きがある様だ。


「刀を打ち直す条件に、宝刀を取り返し帝釈天に渡す事……」

「只で引き受けるとは思わなかったが、そうきたか」


帝釈天はよほど人間に宝刀が渡った事が我慢成らないのだろう。


一度は諦めたが宝刀、それが妙な因果で手に入る、奴にしてみれば渡りに船といった処なのか。


「他の条件は、全て拒否された、済まぬ」

「帝釈天の条件を承諾するしかない」

「お前が、条件を承諾したと伝えよう、急ぎ呼び寄せたのは、完成するまでに七日必要らしい、刀が出来上がれば私が直ぐに届けよう」


それまでは、現世でやれる事をやり、待つしかない。夜叉姫に礼をした後、彼女開いた帰還の扉を抜け、俺はロゼ達が居る場所へと戻って来た。


そして、俺が居ない間に事態は動き始めていた。


俺が宮殿跡地に姿を現すと、顔見知りの番兵が駆け寄って来た。


「ああ英雄殿、やっとお戻りに、敵が首都前へと押し寄せ、皇女殿下が……」


七夜城の敵兵だとしたら、駐屯地は落とされたという事か。


「英雄殿、どうか皇女殿下の所へ御急ぎ下さい」


「わかった!」


既に戦闘か始まっていたら、城下の騒ぎが激しくなっている。首都入り口へと急ぎ向かいながら、街の様子を窺っているが、逃げて来る民衆や、騒音が聞こえてくる筈だが、その雰囲気が感じられない処から、まだ戦闘には突入してはいない。それらしい音も聞こえて来ない処から、まだ戦闘は始まっていないようだ。



「では、首都を明け渡す気は無いのだな?」


首都前の草原では、ロゼ達七名と敵将が会談状態に成っていた。


「クドいわね、ここは私達の街よ、渡す気は無いわ」

「元々は、我々の領地だった筈だが?。それを奪ったのは、貴様達の先祖達の方ではないか?。」

「それは、圧制をしかれ虐げられ苦しむ民衆を救う為でしょ!」


「ならば、力ずくで奪い返すまでだ」


敵将が右手を上げる、後方の軍隊が一斉に戦闘体制を取った。


「皇女殿下よ、これだけの兵を相手に戦おうと言うのか?」


「あんた、私達の事を知らないのね……」


謁見の間に乗り込んで来た騎士は、こちらの事を把握していたが、今目の前に居る者は、何も知らずに出陣してきたようだ。


「ロゼ、状況はどうなってる?」


敵将を前に、仁王立ちを決めてるロゼに最後尾から声を掛けた。


「私達の事を、何も知らずに力ずくで来るらしいわ」


七夜城に居る者と、地上に居る連中とは、完璧な連携が取れている訳では無いらしい。


「敵の方から、わざわざ全滅されに来てくれるなら、時間の無駄が省けると言うものですね」


マリネの言う通り、今来ている兵力なら、俺達の敵ではないが、又、虐殺に成るのかと思うと、敵が哀れだ。


俺達の、余裕綽々な態度に業を煮やした敵将は、攻撃の指示をだした。


結果は……。


迫り来る大軍は、ズグロの振動波で進軍を阻まれる。地上へと転倒した処へ、ロゼの火焔、アネスの銀矢、イリスの氷矢をまともに受ける事になり、敵将の他は僅かの兵が残るだけになった。


ロゼは、唖然と自軍の壊滅を目にしている敵将に、問いかける。


「少しは、自分が相手にする者を知る事ね、さてまだ続ける?」


瞬間に壊滅された事が、ようやく理解できた敵将は、流石に肝を冷やした顔をして撤退していった。


「あの戦力で襲撃?、随分となめられたわね」


宮殿が落とされ後、最初に襲撃を仕掛けて来た軍団は、呆気なく全滅したが、こんな弱い者しか居ないとは思えない。



二日目からが……。


本当の防衛戦と成った。

ありがとう御座いました

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