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女難危行・拉致した皇女と六人の嫁  作者: 雛人形
悲しき破壊の女神 一
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急報

新しいエピソードです。

読んでみてください。

 

 其の女神は…………、人によって愛を知った。

 人に恋して、人の為にその身を……、闇の狭間へと滅した。


 深い闇の底で、永遠に呼ばれぬ事を願い。

 二度と人の世に顕れる事の無い様に……、眠りに就いた。


 遥か遠い太古の話…………。



 数千年後━━━。


 

 『そんな……、ニクスが攫われた……!』 

 

 石群のサークルを訪れた一人の女性が、ニクスが消えた事実を知る。

 思念体と成り、此の地で静かに存在している筈だった。

 突然と、攫われて行った!。


 〝大変……、皆に知らせないと!〟





 「はぁぁ?、ユキヒトが居ない?、何よそれっ!」

 「っと言われてものぉ……小娘、居ない者は仕方なかろう」

 

 ラケニスの塔へ行くと言ったきり、あいつは戻って来なかった。

 

 半年以上……よ、私等をほったらかして、何時まで婆さんと戯れてるのよ?。

 っと、伝える事もあるし、いい加減に痺れを切らして来てみたら……。

 

 「小僧なら……三日程前までは、此処に居たが、もう居らん」

 

 三日前……迄、此処に滞在してた?、何処へ行ったの?。

 

 「あの、馬鹿……肝心な時に居ないとか、有り得ないでしょ!」

 「ちょっ、ロゼ様っ……、そんな怒られても……」


 急な知らせが舞い込んで来て、彼にも伝える必要が有ったし、マリネにも逢いたい筈と。遠路遥々、折角連れて来たと言うのに! 、肝心の本人がとっくに此処を発って居ない……?。


 「半年間……、たった一度の連絡も寄越さず、又、行方不明?」

 「ロゼ様……落ち着いて下さぁい! 、ユキヒト様も何か理由が……」

 

 マリネの言いたい事は、分かる……けど。


 「何の理由よっ! 、私達に伝えられ無い理由てなによ?」

 特に、根拠があるわけでない、只の、女の感だった。

 

 此処までラケニスは、黙って私らの動向を窺って楽しんでたみたい。あんなに露骨なやけた顔してたら……、婆さんの魂胆なんて見え見えじゃないっ!。

 

 どうせ、私らを戯れの道具にでもする心算なんでしょうね。

 

 誰かさんが居なくなったとこへ、私達がのこのこと、獲物に成りに塔にやって来たもんだから、暇つぶしの戯れに付き合わせようと、絶対に企てた筈っ!。

 

 処が、私達の話を聞いている内に、徐々に疑問が湧いてきた。私が彼の不在にイラついてる様子を見てる間に、自分が呼んでも居ない二人組が、何の目的で、行き成り此の場所へとやって来たのか?、とねっ。

 

 一度疑問が頭に浮かんでしまうと……。

 随分と気に成った事でしょうねえ、遂に、私達が訪れた理由を尋ねてきた。

 

 「処での、小娘二人が揃って此の場所に来て、彼に何の用が有った?」

 まあ、婆さんからしたら、当然の疑問だろうし、答えてあげるわ。


 「ユキヒトに逢いに来たのよ……悪い?」

 「うわぁ……、ロゼ様!」

 

 マリネの慌てようといったら……、しかし彼女は無視する。

 婆さんもこっちをじっと見てる。

 これで……どうよ! 、こっちもニヤけ顔で返してやるわ。

 

 「嘘をつくでない小娘が! 、主がそんな玉じゃない事くらい知っとる」

 

 くっ……、通じないか、流石に五千歳の事だけはあるのね……。

 

 「はぁ……、静かに遺跡で寝てた筈のニクスが、居なくなったのよ!」

 此れには、流石の婆さんも知らなかった様ね、マユをピク衝かせたのシッカリと見てやった。世の中を何時も見て居る様な面して、偉ぶっているけど知らない事も有るじゃないよ。




 四日前……。


 「うわっ、流石首都だわ……、人通りが半端無いな……」

 

 ハーフが住むカスガ村、母の墓の傍に父親を埋葬した後、一人その村に残留していたラミカだったが、ある日、神殿跡地の石群をふと訪ねると、眠っている筈のニクスが表れる。


 何をする訳でも無く、空中に浮遊しているだけの思念体。

 見ていると、あの夜共に戦った記憶が蘇り、想い人が浮かぶ。

 それを切っ掛けに、偶にその場所へと足を運んでいた。


 そんなある日、村に怪しげな集団が訪れニクスの事を聞いて廻った。当然、ラミカの元にも表れたが、得体の知れない連中に離す筈も無く、何も知らないと答えていた。


 暫らくしたら、彼らは何処かへと姿を消していた。

 

 嫌な予感に突き動かされ、彼女はニクスの場所に行って見ると、此れまで姿を現していたニクスが表れない、違う位置に出現するのかと辺りを捜すと例の男達が居た。


 「ふっ、これで破壊神が手に入ったぞ、急ぎ戻るぞ」


 リーダー格の男の声で一団は、転移魔法で消えて行った。


 〝大変、皆に知らせないと!〟



 


 父に連れられ各地を転々としていたラミカも首都は初めてだった。

 「ロゼ様、宮殿かな?、行っても直ぐに会えるのかな?」


 門前払いを不安に想うが、此処へ首都の観光に来たつもりは無い。

 重要な事を伝える為に、やってきた。


 ハイデ宮殿の門は、視界に入っている。

 躊躇している時間は勿体無い。


 門衛の訝しげに見詰る顔に、やはり不安が出るが声を掛けるしかない。

 「あの……、ロゼ皇女殿下に逢いたいのですが……」


 皇女の名前を聞いた途端、隣の石柱の門衛も此方へとやってきた。

 「皇女殿下に、何の用事が有る?、貴様の名前は?」


 門衛であるが故、見知らぬ者に高圧的な態度は、已む得ない処も有る。

 「カスガ村に住んでいる、ラミカと……


 ラミカと名前を告げた瞬間、門衛の態度が急変した……。

 「おお! 、英雄殿のお連れの方でしたか、御無礼を!」

 「皇女殿下に、すぐお知らせしてきますね」

 「あ、はぁ…………」


 片方の門衛は宮殿中へと走って行った。

 残った一人からも手厚い案内をされ、貴賓室へと通された。

 「皇女殿下は、間も無く来られる筈、此処で暫しお待ちを」


 一人貴賓室に残されるが、見た事も無い豪華な部屋に、椅子を汚しては申し訳無い気がして、ロゼが訪れる迄、部屋の中で立って待つ事にした。


 「凄い部屋だわぁ……、あの絵とか幾かしら……?」

 

 自分の住んでいる家と比較してしまい、肩身が狭い心境に成ってきた。

 「ふぅ、この部屋だけで、私の家の何倍有るのよ……?」


 時間を持て余し、部屋の隅から歩いていると、扉が開かれロゼが入ってきた。


 「居たっ! 、ラミカ久しぶりネェッ!」

 「ロゼ様、 御久しぶ……


 ロゼに飛び付かれて声を中断された。

 

 「ちょ……ロゼ様、苦しい……」

 「もう! 、又、お馬鹿な挨拶してるっ、ロゼ様離れて下さい」


 直ぐ後から、マリネも部屋へとやってきた。


 ドアの森駐屯地での奪還を無事に終らせ、駐屯地の副隊長に就任ししていたが、従兄弟が気を利かせてくれ、代わりの副隊長と交代し彼女は再び首都へと戻り、ロゼの従者に返り咲いていた。


 「でも……、如何したのラミカさん、急に来たりして」


 マリネはラミカの身体に張り付いているロゼを引き剥がしながら、訪ねた。

 「ふぅ……、用件忘れかけたじゃないですか……もぅ」

 「あははは、ごめん……、で、何の用?」


 自分と違って、良い香りのロゼに抱きつかれた。

 一瞬、妙な気分に成り、顔を染めたが、気を取り直して話した。


 「おほんっ、大変な事が……」

 「大変な事?……、まさかユキヒトが行倒れて死んだとか?」

 「いやあああぁ、ロゼ様、変な事言うの止めて下さい!」

 

 マリネはロゼの胸ぐらを叩き、怒りを顕にした。

 彼女にしたら、冗談では済まない話だったせい。


 「違いますっ! 、ニクスの事です!」

 「思念体が……、どうかしたの?

 「攫われました!」

 「はあぁっ?」

 「へ?」

 

 事態を知らない二人に、カスガ村にやって来た得体の知れない連中話と、その後石郡で起きて居た事を、全部彼女たちに話した。


 「思念体を捕まえるなんて……」

 「そんな……、どうやったらそんな事が?」

 「私だって聞きたいくらいよ……」


 ちょっと前までの、浮かれた気分は何処かへ消え去った。

 「私一人では、どうにも手におえる物じゃなくて……」

 「それで、私の所へ来たと言う訳ね」

 「ええ……」


 今の話だと集団で破壊の女神を使い、何かを企んでる者が居る。

 しかも単独ではなく、一つの集団での仕業だ。

 確かに、個人で解決するには不可能である。


 「よしっ! 、皆を集めましょう」

 「又、皆に逢えますね、ロゼ様」

 「んん……?、皆なの?……マリネぇ」

 マリネはロゼが何を言いたいのか、すぐに見当がつき、紅くなった。


 「もぅぉ、ロゼ様だって……同じ癖にっ!」

 「なななな、何を根拠に?」

 「知ってます?、朝起こしに行くと何時も、ユ……

 「わああああああああああ、余計なこと言わない!」

 

 ロゼは慌ててマリネの口を両手で塞いで、それ以上の言葉を阻止した。

 それを見ていたラミカだが……。


 「はあぁぁぁっ……」

 大きく息を吐いて、呆れた。


 「と、と、取り合えず、彼から捕まえましょ……」


 今、━━━。


 「それで……小僧を連れに来たと?」

 「そう言う事!」

 しかし、婆さんもユキヒトの行く先知らないみたいだし……、先に他の連中を集めに行く方のが、何かと都合が良さそうね……。


 「彼が居ないんじゃ仕方ない、先に他の連中を呼びに行く事にするわ、彼の情報が何か分かったら教えて頂戴!」


 取り合えず、此処にはもう用が無い。

 マリネ連れてアネスとハルを、先に捕まえようかしら……。


 「ラケニス……帰るわ、早く扉を開けて頂戴」

 彼が居ない以上、早く他の仲間を集めたいわ……。


 「何じゃ……?、小僧の居場所聞かなくて良いのか?」

 私達は、耳を疑うほど驚いた!

 

 「な、はあぁあ?、知ってるなら何で早く言ってくれないのよっ!」

 「何を言うて居る……、一度も小僧の居場所を尋ねられて居らんぞ?」

 「くっうう……」 

 

 でた……、肩肘ついてのドヤ顔がっ!

 そんなの私等が来てる事で、察するでしょ?。


 忘れていた……、こういう婆さんだった……。

 居場所を聞くのが、先決よ、我慢してあげる。


 「で……、彼は、ユキヒトは今何処に居るのよ?」


 「小僧が今居る場所はのぉ……、あの世じゃ」


 「はあっ?」

 「ええ?」


 え?……、死んだの?、それなら最初に言う筈。

 あの世に居るって、何なのよ……。









 





有難うございました。

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