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谷死さん、お疲れ様です
「……お疲れさまです」
「お疲れさまです」
「……」
「谷死さん、どうしたんですか?」
谷死は二人を静かに見た。
「……やはり、この組み合わせにして正解でしたね」
「……?」
導子が首をかしげる。
「星空導子」
「はい」
「あなたなら、彼を動かせると思っていました」
「……」
導子は少し戸惑う。
「そして――佐藤」
「……」
「あなたも、期待通りでした」
「……別に」
そっぽを向く。
「褒められても、何も出ねぇよ」
「そうですか」
谷死はわずかに微笑む。
「ですが、結果は出ています」
「……」
「これからも、その調子で続けてください」
静かな声。
「……はい」
「……」
佐藤は何も言わない。
ただ――
ほんの少しだけ、口元が緩んでいた。
「……行くぞ」
「え、うん」
導子が慌ててついていく。
谷死はその背中を見送った。




