マニュアルが!!
「……見るか」
パラリ、とページをめくる。
「こんにちは。マニュアル担当の“まる”です。よろしく」
「マニュアルが喋った!?」
「そんなに驚かないで。あなたの名前は?」
「星空導子……」
「へぇ、可愛い名前。どこまで説明された?」
「何も」
「マジで!?谷死……またやったな」
「いい人だったけど」
「いや、いいやつなんだけどね。あいつ“本物の死神”だからさ。
こっちの仕事、あんまり分かってないんだよ」
「どういうこと?」
「本物の死神は“人を終わらせる仕事”と事務しかやらない。
“救う側”は別部署ってわけ」
「へぇ……で、仕事内容は?」
「自ら命を絶とうとする人を止める。それだけ」
「それは聞いた」
「じゃあ、この腕時計は?」
「え、いつの間に!?」
「それが鳴ったら指令。
1分以内に現場へ行くこと」
「1分!?無理でしょ!」
「だから私がいるの」
「え?」
「瞬間移動できるから」
「えぇ!?」
「何のためのマニュアルだと思った?」
「いや、人じゃなくてもよくない?」
「ひどくない?
それに私は“死後の存在”だから、生きてる人には見えないの」
「じゃあ、なんで私は見えるの?」
「その時計のおかげ」
「なるほど……」
ピコン。
「来たよ、指令」
「え、ちょっ、待って――」
――ポン。
景色が一瞬で変わった。




