表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はが死神のお手伝い!!  作者: 美空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/29

借金

「こんにちは」


「……なんだ?不審者か?」


「不審者ではありません」


「泥棒か?金なんて一銭も残ってないぞ」


「泥棒でもないです」


「……じゃあ、何者なんだ」


「あなたの“終わり”を止めに来ました」


「……放っておいてください」


静かに言う。


「もう、生きていく術がないんです」


「……どういうことですか」


「会社が倒産して、多額の借金を背負いました」


「……」


「察してくださいよ」


力なく笑う。


「毎日会社のために働いてたのに、

全部なくなって、借金だけ残った」


「……それは、つらいですね」


「つらいですよ」


声が少し強くなる。


「努力してきたのに、何も残らないんですよ?」


「……」


「なんのために頑張ってきたんだって思いますよね」


「……ああ」


小さくうなずく。


「しかも、その借金……もともとは会社のものなんです」


「……」


「社長が夜逃げして、連帯保証人の僕に全部来た」


「……それはひどいですね」


「……あまり、悪く言わないでください」


「え?」


「友達なんです。あの人」


「……そうだったんですね」


少しだけ言葉を選ぶ。


「それでも、つらい状況なのは変わらないですよね」


「……」


「借金の相手も、よくないところで」


「……毎日、取り立てが来るんです」


手が震えている。


「ドア叩かれて、“金返せ”って……」


「……怖いですよね」


「怖いですよ」


「逃げたいです。全部」


「……」


少し沈黙。


「一人で抱えるには、重すぎます」


「……」


「一度、専門の人に相談してみませんか」


「……意味ないと思います」


「そんなことないです」


はっきり言う。


「こういうケース、法律で守られることもあります」


「……」


「違法な取り立てなら、止められる可能性もあります」


「……本当に?」


「はい」


少しだけ前に出る。


「一人で戦わなくていいんです」


「……」


「助けてくれる人、います」


長い沈黙。


「……」


彼はゆっくり顔を上げる。


「……やってみるか」


小さく息を吐く。


「一回、相談してみます」


導子は静かにうなずいた。


彼はその後、弁護士に相談したらしい。


詳しい経緯は分からないが、

違法な取り立てや契約の問題が認められ、

借金の返済は大きく軽減されたという。


今は少しずつ、生活を立て直しているらしい。


あのとき、踏みとどまった一歩が、

彼の未来を変えたのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ