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ウチの魔王様が、すみません!  作者: ホマージュ
第二章 後を引く余韻
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22/30

第十八話 秘密作戦はつどう!

実はウ魔すみの題名は「◯◯は◯◯」というように個人的に決めていて、

毎回、しっくりくる題名が思い付かなくて2,3日費やします。

今回はほんとに思い付かなくて、

平仮名にしたは「は」が間に入るからいいんじゃね?

という考えに4日かけて採用しました。


あんまりこういう邪道は控えます。

「どういうことですか!失望しました!」

「え?なに?なに?」


結界の張り直しも中盤に差し掛かろうかというところで馬車馬を休ませていると

ナディアさんが急に怒鳴り散らしてきた。


「なに?じゃありません。貴方、こんな小さな子に何をしているんですか!?」

「すみません……?またマオが何かやらかしました?」


「いいえ。この子はずっっっとおとなしくていいこです!」


なるほど。

メシ抜きが怖くてちゃんと大人しくしているようだ。


「何が問題なのでしょう。」


「急にしゅん、としてしまったので私達が話しかけると泣きそうになりながらも声を出さないようにしているんです!明日葉さんのせいですよね!!」


あー。

マオも極端だなぁ。

魔王候補であることがバレたらメシ抜き。とは言ったがなにもしゃべらないようにするとは……


「……。」

「ちょっと!聞いてるんですか?」

ナディアさんをそのままに荷車の方にいるマオを見に行く。


黙って口を抑えるマオを目撃。


なーるほど。


これは俺が虐待をしているように見えなくもないか。



ちょいちょいとマオを手招きして近寄らせるととりあえず頭を叩く。


「!?」


「……!!!」

頭を抑えて涙目で見上げるマオ。

やめてくれ、俺だけが悪者みたいじゃないか。

「なっ!なにしてるんですかー!!」

ナディアさんは発狂する。


しゃがんで叩かれても無言のマオに目線を合わせつつ、

「しゃべってもいいぞ、お前はバカだなぁ。極端すぎるだろ」

「メシは……?」


……健気だ。

むしろ清々しいくらいに。


ちょっと可愛そうな気もして

頭を撫でながら、

「弁当はちゃんと沢山用意しておいてあるから、沢山食べろ」

「うむ!」



マオはもう気にしていないようだが、ナディアさんは違った。

育児に対する説教が始まった。


それはそれは堂々巡りのエンドレス。

2,30分は聞いていたが普通に辛い。

俺の子供じゃないし。


途中でマオが

「明日葉をいじめるな!」

と間に入ってくれたが、


元凶はお前だからな?





なんだかんだで誤解もとけたが、

やはり複数人での行動は自分達には合わないな。と改めて実感するのだった。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



延々と説教をして明日葉をいじめていたこの女は

なんだか悪いやつではないようで、

ワシの事を心配してくれていたようだ。


……悪い気はしない。


ただ、明日葉はいじめてほしくない。



あと横で鼻提灯を膨らませて揺れる剣士と、

全くの無表情で目を開けたまま眠っている魔法使いも、

デカイ図体の癖に指を咥えて小さく丸まって眠るデカブツも。

みんな悪いやつでは無さそうだ。



また停まって念仏やったあと、

流石に腹の虫が暴れて、

「沢山食っていい」と言った明日葉を思い出す。


我慢の限界で、

「あしたば!弁当くっていいかの?」

と御者台で馬を手繰る明日葉に問う。


「あぁ、いいぞ。冒険者の皆さんもシスターさんもどうぞ、」

まってました!


「ありがとうございます、」

皆が礼を言う、

正直この3人はりんご持ってきてただろう。

なんて思ったが、

……そういえば剣士のはワシが食ったな。


荷台を漁るが、荷物が多い。


「ん……?明日葉!どれじゃ?」

声を張り上げ御者台の明日葉の答えを待つ。


「いつもどおりのだよ、手離せないからマオ頼んだ!」


「おっけーじゃ!いつものじゃな」

見慣れた銀色の弁当箱をみつけ、開ける。


「おぉ。」

なんと!

中にはトロトロの肉と色鮮やかな串や何やら旨そうなものが沢山詰め込まれている。


本能で悟った。


ーーこれは、いつものやつではない。ーー


いつもなら白い餅が敷き詰められているのに、肉が入っているのはおかしい!

罠だ!


先日の餅とみかんをがっつく自分を思い返しながらも、1つ合点がいった。


「これじゃ!!!」

4人に手渡したのは変な形の果実。


「え。モロじゃん。」

アホの剣士がこぼす。


明日葉は沢山食べろ、と言った。

物理的に沢山あるのはこの果実だ。

圧倒的に沢山ある。


そして、

みかんとは色が違うが、果実である点と

質素である所は間違いなく同じである。


「今回はちょっと奮発したんだ」

明日葉は馬を操りながらもそう言う。


なるほど、

沢山食べれる。



まずは一口。


「んまい!!!」


これは……止まらない。

甘味もそうだがしつこくない。

みずみずしい果実に、何処かクセのある渋みがさっぱりとした味わいで飽きさせない。


皆もおずおずと食べ始めるが、

一口はこべば

「美味しい……!」

「うわ!うま!」

絶賛の嵐だ。


デカ乳の女は何か腑に落ちないようで、

皆が10個近くは平らげるなか、

3個目で止まっていた。


「どうしたんじゃ?」

デカ乳は

「あの…。もしかしてなんですけど、

コレって積み荷の方じゃないんですか?

…食べちゃいましたけど」


「え?」

皆が一斉に止まる。


「確かに…なんかおかしいと思ってたんだよ。」


まさか……。

冷や汗が出る。


「これ、正直に謝らなきゃ……」

デカ乳は色々考えているようだ。


そういえば……

前に正直に壺割ったとハゲの筋肉に言ったら

明日葉にひどい仕打ちと、説教を食らった。

そのとき、嘘も最後までバレないように上手くやればそれは嘘じゃなくなる。内緒にしておいた方がいいこともあるのだ。

と言われた事を思い出す。



「そしたら…じゃ。」


皆の視線がマオに向く

「この弁当。残っているのは、罪 ではないかの?」

本来、食べるはずであった銀色の弁当を開けてみせる。



全員に雷が、衝撃が走る。


そう、肉は高級食材である。

食糧難のこの時期にこんなに上等な肉が沢山詰め込まれてある……。

マオを始めとする5人はゴクリと喉を鳴らす。



「結局5人で相当な数食べてしまったぞ?」


楊枝でシーシーしながら、 4人に告げる。


「さて。コレで皆共犯じゃな。」



その場にいた4人全員、雷が落ちたようにビクリと止まる。


「食べてしまったものは仕方ない。後はどう現地で調達するか…じゃ。」

出来れば怒られたくない。

おずおずと手を上げるデカ乳。

「はい、デカ乳。」

「デカ!?

せ、せめて、シスターって呼んでください。あの…正直に伝えたうえで明日葉さんと相談した方が…」


「ほう?シスターというのは神の巫女ではなかったのか?」


「えぇ、そうですが…」

「明日葉に伝えたらきっと地獄のような責め苦を受けることになるぞ?」


現にワシは筋肉ハゲの時はおやつ抜きになってデザートが無くなった。


「じ…地獄のような責め苦??」


シスターは何か思い浮かべているようで妄想に耽っている


「い…いけません!私は神聖なる神の花嫁ですっ。そ、そのようなふしだらなことは…」


シスターは両手を目の前でブンブン振ると、意を決したようにガッツポーズ。



こうして明日葉から荷物を隠しながら気づかれないうちに、現地で調達するということで意見はまとまった。





第2章の本編のはじまりです。

個人的にこの秘密作戦自体がメインストーリーだと思ってます。

番外編は番外編。

ゆるゆるでふわっふわの物語を書きます

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