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外伝9話 真夜中の争奪戦 その終

ジャネット視点

 正直その時何か起こったのか、あたしの位置からではよく分からなかった。


 ビーストがセラに向かって突進した瞬間にリーザの声が聞こえたかと思ったら、突然ビーストが躓いて転んだんだ。


 脚が6本もあるのに躓いて転ぶとかあり得るのかと思ったけど、実際はそうじゃない。ビーストは脚を斬り落とされたんだ。


 最初に斬り落とされたのがどの脚かは分からなかった。気が付きゃあ6本の脚全てが斬り落とされていたんだからな。


 いや、寧ろ解体されたと言うべきか。ビーストは脚だけじゃなく、その巨体までもがバラバラに斬り裂かれてしまった。


 そりゃもう、合体する前の一本脚の歩兵機と、本体のゴリラ野郎に分解されちまったんだ。本当にいつの間にって感じでな。


 それが、躓いて転んでからビーストの身に起きた現象だった。


『ぼ、ボルドン!?』


 それまで傍観を決め込んでいたリーゼント頭が声を上げた。突然仲間がやられた事が信じられないと言った様子だ。


 だが、あたしがリーゼント頭に目を向けた時、リーゼント頭は宙を舞っていた。


 何かに舞い上げられたかのように宙を舞うリーゼント頭。その直ぐ隣には、今まさにブレードを振り下ろそうとするイングリッドの姿があった。


 ―――ズシャァーン!!


 叩きつけるように振り下ろされたブレードは、確実にリーゼント頭のコックピットを斬り裂いていた。


 宙に舞い上げられてからブレードでトドメを刺すまで目にも留まらぬ速さで繰り出されたこの技を、あたしは知っている。


 ライトネード。あのタイガーストライプが使っていたのと同じ技だが、技のキレも速さも見栄えもあのタイガーストライプとは比べ物にならない完成度だ。


 そしてその技を使ったイングリッドは、あたしらの部隊仕様の白いライトモデルだが少し異なる。


 フィンが備え付けられた肩の装甲にポニーテールの付いた頭、そして左脚の太腿にプリントされたロザリオのエンブレム。


 それはリーザの機体、エリザベータ・トロフィーニエヴナ・オベルタス用にカスタマイズされたイングリッドだった。


『遅くなってごめんなさい、ジャネット。怪我はないかしら?』


「あ、ああ……」


 遅ぇーよ、馬鹿野郎!って言うつもりだったんだけど、とてもそんな事言えなかったぜ。


 さっきまで相当苦しめられていたビーストを簡単にぶっ倒して、尚且つリーゼント頭まで瞬殺した様を見せられたら文句なんか言えねぇよ。


 と言うか普通に圧倒されちまったわ。やっぱリーザはスゲー、あたしらとは別次元の強さだぜ。


「……そ、そうだ! リーザ、セラは!?」


『大丈夫、ここにいるわ』


 そう言うリーザのイングリッドは、右手に何かを乗せていた。人だ、遠目に見て分かるそれは人間だった。


 ズームして見れば、そこにいたのは紛れもなくセラ、セラフィナ・ハブタムだった。


 よかった。怪我をしてる様子も無いし、体調も問題なさそうだ。ちゃんと助けてくれたんだな。


 あたしじゃそんな芸当は到底できなかっただろうし、本当にリーザには頭が上がらねぇぜ。しかもリーザの奴、目的のガンアームもちゃんと確保してやがるし。


 何にしてもよかった。セラもマムも皆んな無事で―――


「はっ、そうだ、マム!」


 全然無事じゃねぇ! マムはビーストが放った電撃をモロにくらったんだ。無事かどうかなんてまだ分からねぇじゃねぇか。


 あたしは直ぐにG3を立たせた。腰はイカれちまってるが慎重に動かせば歩くくらいは何とかできたぜ。


 マムのイングリッドに歩み寄ると、マムは自力で脱出していた。この分なら大丈夫そうだな。


「ふぅ〜、よかったぁ……マム、もう命令無視とかすんじゃねぇぞ」


『ジャネットこそ、部下を投げるなんて考えられないわよ』


 現場判断だよ、何ら問題ねぇ。


「いいんだよ、そんな事ぁ。それよりマム、リンは何処だ?」


『この先のところよ。大丈夫、予想してたより軽傷だったし、ちゃんと緊急野営(ビバーク)を施したから心配いらないわよ』


 マムがそう言うなら大丈夫だろ。マムは実戦よりも、戦闘以外の事に特化してるからな。緊急野営の設置も一番手慣れている、年の功が成せる技か。


『ならリンを連れて指定ポイントに向かいましょう。ディガロの襲撃は終わったのだから、もうここに留まる必要も無いわ』


 だな、リーザ。つーかこれ以上は戦えねぇ。セラもマムもリンも歩兵機を失って、あたしのG3も(ろく)に動かねぇしな。


 そもそものこの任務はガンアームを輸送ヘリに乗せて基地に持って帰る事だったんだ。ならここに留まる必要はねぇ、さっさと帰ってチーズバーガーを食うぜ。


『……それは、看過できないな』


 っ!? リ、リーゼント頭! お前まだ生きて―――って、リーザを撃ちやがった!?


 危ない……と言おうとしたけど、リーザは思わぬ不意打ちもひょいっと躱してしまう。相変わらずスゲェーな、リーザよ。


 だがそれよりも、リーゼント頭が撃って来たのは実弾じゃなかった。ありゃこのあたしにトラウマを植え付けたもんだ。


『波動砲。生きていた事にも脅かされたけれど、それだけで無く波動砲まで持っていたのね』


 ああ、間違いねぇ。ありゃあ波動砲だ。ガンアームに付いていた物と、全く同じの。


 よく見りゃあのリーゼント頭、両肩に突起のような物が付いている。折り畳まれた波動砲の腕、砲腕だ。リーゼント頭は両腕に波動砲が備わっているのか。


 ……ん? 待てよ、両腕に波動砲が備わっているが、その波動砲の砲腕はどっちも折り畳まれたままだ。ならリーゼント頭はどこから波動砲を撃った?


『両腕に1門ずつ、頭に1門、全部で3門も持っているのね。あの6足歩行の歩兵機よりも危険なのはあなたなのかしら』


 あ、頭!? まさかあのリーゼントは波動砲だったのか! てか波動砲3門とか普通に反則だろ!?


『けれど不思議ね。コックピットを斬り裂いたと言うのに、どうしてあなたは生きているのかしら?』


 た、確かに。波動砲にビックリさせられちまったからそこまで考える余裕は無かったけど、そもそもリーゼント頭はコックピットがある胸部をぶった斬られたんだ。


 普通なら即死は免れない筈なのに、リーゼント頭は平然と立ち上がっている。こりゃ一体どういう事だ?


『やれやれ、不思議か。随分可愛らしい言い方をするが、寧ろこちらの方が不気味だ。今の一撃を躱すなど、どう考えても不可能だったのだがな』


 それは……あたしもそう思った。


 冷静に見りゃリーザの回避力も一体どういう事だってんだ。


『へへへへ、オベルタス、オベルタスだぁ。潰す、潰す潰す、オベルタスぶっ潰す!』


 げっ、ビーストも生きてやがった。コイツもまた参戦するつもりなのか?


 いやでも解体されたのは間違いねぇ訳だし、もうボロボロなんじゃねぇのか? ……ああ、やっぱり。


 そもそもビーストは解体されて元のゴリラ野郎に戻っていたが、ただ元に戻っただけじゃない。両腕を斬り落とされて、しかも腰から下も切り落とされていたんだ。つまり、もう胴体と頭しか残ってねぇんだよ。


 無理だろ、そんだけ解体されたら何もできねぇだろ。一本脚の歩兵機も脚を斬り落とされたからもう動けないだろうし、実質戦力外じゃねぇのか?


『じっとしてろ、その身体では何もできないだろ』


 だろうな。それで戦えるんならお前マジでヒーローだよ。


『へへへへ……あれ? 腕、腕腕腕、腕が無い……あれ、脚も無い? あれあれ? 俺どうなんてんだ?』


 このゴリラ、自分の状況が分かって無かったのかよ。ただの間抜けじゃねぇか。


 だがやっぱりゴリラ野郎は戦えねぇ。詰まる所、敵はあのリーゼント頭1機だけってこった。


 波動砲を3つも持っていた事には驚かされたが、しかし相手はリーザだ。あのリーゼント頭がどれ程の実力だろうとタイマンで負ける筈はねぇ。


『さて、噂に名高いオベルタス。聞きしに勝る実力であったが、こちらも引くに引けん。せめてプロトタイプ……その歩兵機は渡してもらおう』


『嫌だと答えれば力尽くで強奪するのかしら? それならばこちらとしても、手荒な手段に講じざるを得ないのだけれど』


 うわぁ、リーザが手荒な手段に出るとかマジ洒落になんねぇぜ。


 日本でも最上ダイを捕まえた時なんざ、何故かブチ切れてあたしらを軽々と投げ飛ばしたんだからな。しかも最後は銃までぶっ放すし。


『勘違いするな、これは交渉では無い』


 すると突然、リーゼント頭の背後からミサイルが4発飛んできた。リーゼント頭が撃ったミサイルじゃ無い、伏兵がいるのか?


 だが距離はある、リーザはCIWSを使って迎撃に出た。大体そんなミサイルが通じる訳がね―――って避けた!?


 ミサイルが勝手にCIWSを避けやがったぞ! 何なんだ、あのミサイルは!?


『ジャネット、セラをお願い』


 リーザは右手に乗せていたセラをあたしに預ける。何せ左手にはガンアームを抱えているんだ、両手が塞がってちゃCIWSくらいしかできねぇよ。


 空いた右手でブレードを抜くと、飛来したミサイルを起爆させないよう的確に切断して落とした。まぁリーザなら、それくらい朝飯前か。


『リーザ、後ろ! ジャネット、リーザの後ろに何かいる!?』


「何ぃ!? リーザ、後ろだぁ!」


 セラの肉声の指摘に、あたしが代わって叫んでみたが遅かった。リーザの背後からまた伏兵が現れたんだ。


 だがあたしが叫ぶまでも無く、リーザは即座に反応した。伏兵の奇襲も素早く対応していなしたんだが、そこへリーゼント頭が波動砲を3発同時撃ちを仕掛けてくる。


 これは回避しかないと判断して躱すが、そこへまたミサイルが4発迫る。


 CIWSを避けるミサイルだ、躱しても追尾されると悟ってまたブレードで斬り落とすが、これで詰まされた。接近した伏兵の不意打ちを躱し切れなかったんだ。


 致命傷じゃない、ただの掠り傷だ。しかし問題なのは、その不意打ちで目的のガンアームをまた奪われちまった事だ。


 直ぐに追撃した。今なら伏兵を斬り伏せてガンアームを奪い返せる、リーザの実力ならできる筈だ。


『ちぃ、しつこい女だ!』


 しかしリーザの追撃は、盾持ちの歩兵機に防がれた。まだいたのか!?


 しかもその盾にリーザのブレードがあたった瞬間、何故かリーザの方が吹っ飛ばされた。


 リーザは受け身を取って直ぐ立ち上がったけど、肝心のガンアームは奪われてしまった。だがこれはリーザを責められねぇ。


 リーゼント頭は伏兵を3機も用意してやっとだ。それまで死守できた方が寧ろ凄いだろ。


『なるほど、流石はオベルタスだ。新調したシールドが早々にお釈迦とはな』


 どうやらリーザが吹っ飛んだのはあのシールドの機能だったみたい―――ってあの盾持ち、オッドアイじゃねぇか!? あの謎の歩兵機はコイツらの仲間だったのか!?


『はっはー、ありがとなアグナム。今のは俺っちも冷汗ものだったぜ』


『全くだ、片腕も無しに無理してんじゃねぇぞ』


 そしてガンアームを奪い取ったのは隻腕の歩兵機だった。何で隻腕なのかは分からねぇけど、どことなくボクサーのようなイメージを彷彿とする歩兵機だ。


『ギャハハハハハ……って笑えねぇよっ! 俺のミサイルを斬り落とすとかマジウケねぇーからな!』


 そしてさっきのミサイルを撃ってきた伏兵も姿を現した。全身マントの用に装甲板で覆う、亡霊みたいな歩兵機だ。


 よく見ると前面部だけ装甲板が無かったけど、遠目でここからじゃ装甲板の中は分からなかった。


 オッドアイに隻腕に全身マント、これにリーゼント頭を含めて計4機か。戦力外のゴリラ野郎は置いといて、この4機をリーザ1人で相手にするのか?


 本来ならばどうと言う事はない数だが、あのビーストの戦闘力を考えるとコイツらも桁違いの戦闘力があるに違いねぇ。1機でもまともにやり合えば骨が折れるだろうに。


 それにリーザはここに来るまでずっと1人でディガロの部隊を殲滅し続けてきたんだ。体力的にもハンデが大き過ぎるぞ。


 ついでに言うと今のオッドアイのシールドにやられてブレードの刃が折れてしまった。リーザが得意としている近接戦主体の主力武器(メインウェッポン)が1つ失われてしまったんだ。


 これは……勝てないんじゃねぇか? いくらリーザでもこれは……。


『……ジャネット、皆んなを連れて指定ポイントまで撤退して』


「はぁ!? ふざけんな! お前1人で何ができるんだよ!?」


『ごめんなさい。酷い言い方になるのだけど、私1人でないと何もできないの』


「……だよなぁ」


 うん、分かってた。あたしらがいると足手まといにしかならねぇって。


 そもそもあたしのG3は歩くのがやっとだ、こんなんじゃどう頑張っても役に立たねぇよな。それくらいだったらいっそ邪魔にならねぇ為に撤退するべきだよな。


『けどリーザ、お前1人であいつらに勝てるのか? 多分全員がチート級の性能だぞ』


 あたしはたった1機にも苦戦したんだ。4機同時なんて死地に向かわされるようなもんだろ。


『……ジャネット、それにセラ、マム。それからあなた達』


 リーザは突然あたしらと、何故かあいつらにも向けて何かを宣言しようとした。


『私、エリザベータ・トロフィーニエヴナ・オベルタスが今最も心配している事は、あなた達に勝てるかでも、仲間を守り通せるかでも無いの。そこにいる、最上ダイが無事でいるかと言う事なのよ!』


 そこかい! なんか語尾の所で声を荒げたけど、リーザお前そんな事を心配してたのかよ!?


 まぁ実際の所は最上ダイの安否じゃなくて、単に最上ダイが知ってるダオスロードって奴の情報について問い質したいだけなんだけど。まさかこんな時まで心配したのはそれかよ。


 てか滅茶苦茶余裕だな。勝てないとかねぇわ、リーザなら断然余裕で勝てるわ、これ。


『モガミダイ? 何の事を言っている?』


 それに対して奴らは困惑してる様子だ。流石にそのガンアームを乗り回していた奴の事までは把握して無かったみてぇだな。


 困惑してるリーゼント頭一同の中で、しかしオッドアイだけは明らかに様子が違っていた。


『……最上ダイが、このプロトタイプの中にいるのか?』


 オッドアイは最上ダイを知っている? そうか、そう言やオッドアイは日本で最上ダイとやり合ってたんだったな。


『アグナム、お前知っているのか?』


『ああ、後で話すがそのプロトタイプは……いや、いい。先にオベルタスだ。始末するのだろ?』


『そうだな。見逃してもらえる様子も無いし、せっかくだ。オベルタスはここで潰しておこう』


『ギャハハハハハ、オベルタスを潰すか! そりゃマジウケるなー!』


『俺っちも賛成だぜ、ここで潰せるならそれに越した事はねーし』


『へへへへ、じゃあ俺も、俺も俺も、オベルタス潰す』


『『『『お前は引っ込んでろ』』』』


 最後はなんかコントみたいになってたぞ。大丈夫か?


 いや、それよりも今は現状をどうするかだ。リーザは撤退しろと言うけど、本当にそれでいいのか? リーザ1人残して撤退しても。


『1時間よ。指定ポイントで1時間待って戻らなかったら基地に帰還して』


「お、おう」


 リーザはもう1本のブレードを右手に、収納ラックから抜いたナイフを左手に構えた。


 いつ見ても惚れ惚れする程の勇ましい姿だ。到底負ける様には思えない。ここは、リーザを信じるしかねぇか。


「リーザ、絶対に戻って来いよ。絶対にだぞ!」


『ええ、約束するわ』


「約束破ったらその綺麗な面、ぶん殴るからな!」


『あら、私が約束を破った事なんてあったかしら?』


「ねぇよ、馬鹿野郎っ! 愛してるぜ!!」


 あたしはセラとマムを右手に抱えて歩き出した。歩速はゆっくりだが真夜中の森林地帯だ、直ぐにリーザとリーゼント頭達の姿は見えなくなる。


 程なくしてマムが緊急野営(ビバーク)させていたリンも保護できた。リンは気を失ったままだけどマムがしっかり処置してくれたから大丈夫そうだ。


 それでも安心はできねぇ。急いで基地に戻らねぇと手遅れになるかもしれねぇし、余り悠長にはしていられねぇな。


 それからどれだけ歩いただろうな。別段敵の奇襲を受ける事も無ければ、何らアクシデントにも見舞われる事も無く、気が付けば輸送ヘリが2機降り立った指定ポイントに到着していた。


 ヘリは予定より早く到着したらしい。あたしはヘリの1機にリンとマム、それと半壊したG3を積んで先に基地へ帰還させた。


 もう1機のヘリにはあたしとセラが乗るが今はまだ離陸しない。リーザが戻って来る1時間、それまでは待ってなきゃならねぇ。


「セラ、いつでも出られる用意はしてるけど万が一と言う場合には……分かるわよね」


「ええ、そのつもりでいて」


 ヘリのパイロット、ヴェロニカ・ディミトロフ曹長は深刻な面持ちセラにそう告げる。


 万が一、もしも敵の奇襲や思わぬアクシデントがあればリーザを待たずに帰還すると言う事だ。


 ヘリのパイロットであるヴェロニカもリーザとは知らない仲じゃない。そのリーザを見捨てて帰還する、それがどれだけ酷な事か想像するに難くない。


 戻って来いい、リーザ。みんなお前を待ってんだ、早く戻って来い。


 だけど結局2時間待っても、リーザが戻ってくる事は無かった。リーザは戻って来なかったんだ。


 絶対に戻って来るって約束したのに、戻っては来なかったんだよ。約束を破ったんだ、リーザは。


 この真夜中の争奪戦はリーザを失うと言う形で幕を引くと言う、酷く後味の悪い形で終わってしまったんだ。チクショーが……。

[イングリッド エリザベータ・T・オベルタス機]

形式番号 SR-7/P-LM

生産形態 量産改造機

機体全高 8.6m

機体重量 9.7t

機体動力 核融合炉

機体出力 2400kW

稼働時間 150時間

CP機能 10ギガフロップス

装甲厚  4mm

最高速度 時速260km

懸架部位 背部2、臀部1

収納部位 大腿部側面2

固定装備 頭部ジャミング

     鎖骨部CIWS12.7mm機関銃×2

     両前腕部フックランチャー×2

追加装備 37mmアサルトライフル

     ヴィブロブレード×2

     ヴィブロナイフ


クロステーゼ27日分隊仕様のライトモデルを、更にエリザベータ・トロフィーニエヴナ・オベルタス大尉用に改修したイングリッド。左太腿部に銀のロザリオのエンブレムがプリントされている、信仰的なイメージを彷彿させた事で話題を呼んだ機体。

本機は極限までの軽量化だけでなく出力も大幅に向上したチューニングがなされている。脚力を上げる為に小型ロボットのゲッコーをオミットし、腕力を上げる為に肩へフィンを設置し、胴体も出力を上げる為にスコープをオミットして繊維状の放熱器を複数束ねたラジエーションファイバーを設置している。

スコープやゲッコーをオミットして汎用性を損なう形となったが、ブレードの近接戦主体で戦う彼女には必要ないので全体的に見てもプラスにしかなっていない。良くも悪くも極端な歩兵機だが、それはオベルタス大尉程のパイロットが扱えるからこそ映えるようになる。

細身のスタイリッシュなフォルムにラジエーションファイバーがポニーテールに見える事から女性的な印象を与えるが、その性能は同じイングリッドとは思えない程のずば抜けた高性能を誇る。しかしその反面で反応速度が非常にピーキーとなり、オベルタス大尉以外に扱えたパイロットはいなかった。

これはディガロでもケント・ロウ少尉が実戦してみたが彼の技術力を以てしても扱い切る事はできず、それを悠然と扱えるオベルタス大尉は文句の言いようもない世界最強の歩兵機乗りである事を照明していた。

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