9.高校1年生、完成披露試写会アランとの再会
高校生になり、4月に私は映画の完成披露試写会でアランと9ヶ月ぶりに会っていた。
私がこの映画のために作った歌も主題歌として採用された。
後に、映画の大ヒットとともに、歌も大ヒットした。
9ヶ月も経てばアランの事を考える頻度も減っていたのに、アランを目の前にするとあの時の恋する感情が蘇るようだったけど、私は必死に自分の感情に蓋をした。
アランと会ってすぐに
「あの時は無理にキスをして、本当にごめん。僕が全て悪かった。僕を注意してくれる人なんていなくて、叩かれた時に初めて僕の愚かさに気付いたんだ。ずっと謝りたかった。」
と謝られた。
「私も叩いてすみません。でも、女性にああ言う事をするのはよく無いと思いますよ。」
「本当に反省してる。二度としないよ。それで、不躾なお願いだと分かってるけど、僕と友達になってくれないか?」
「え、友達ですか?」
「トップスターとしてもてはやされすぎて、僕に注意してくれる人なんていないんだ。君は僕が誤った行いをしたら、注意してくれるんじゃ無いかと思ったんだ。」
「…アランって叩かれるのが好きな人なんですか?」
「違うよ。僕は決してそんな変な性癖なんて持ってないよ。」
「そ、そうですよね。安心しました。」
「僕は女優としての君も尊敬し、仲良くできたら嬉しい。友達としてやり直すチャンスをくれないだろうか?」
「本当ですか?それは嬉しいです!私もアランの事を俳優として尊敬してます!これからは友人としてよろしくお願いします。」
女優としての私をアランに褒められて、私は少し舞い上がって、連絡先の交換までしてしまった。
私たちは、ロサンゼルス、東京、ロンドンなど7カ国で映画の完成披露試写会を行った。
アランはパートナーとして完成披露試写会に慣れない私を献身的にサポートしてくれて、心強く感じた。
アランに会うのは少し気まずく感じていたのが嘘のように、私たちは打ち解けて仲の良い友人になった。
「ソフィアはスティーブと付き合ってるの?」
「彼とは良い友人だよ。」
「それなら、僕とご飯食べに行かない?」
「ごめん、そう言うのはお断りしてるんだ。誰に写真撮られるかも分からないし。」
「でも、僕たちフリーだし、別に問題無いよね?」
アランが6ヶ月前に彼女さんと破局報道されていた事を思い出した。
アランが彼女と別れた事を、嬉しいと思ってしまった自分自身が嫌になった。
「私は人の目を気にするの。」
「でも、1ヶ月前にスティーブとデートしてたよね?」
「いや、あれはデートじゃなくてレコーディング終わった後に一緒にラーメン食べただけ。」
「でも、一緒に買い物してる写真とかもあったでしょ。しかも、その次の日にはソフィアの友達も交えて一緒に遊んでたし。」
「え、よくそんな事知ってるね。」
アランが私の事を気にしてるようでドキドキしてしまう。
「ついついインターネットって見ちゃうんだよね。」
「私も分かる。ついついSNSチェックしちゃう。」
「ソフィアは一緒にご飯食べに行ってくれないって言うし、周りに今人がいなさそうだから、ここで僕の悩み話しても良い?」
「私で良ければ。でも、どうして私に?」
「一緒に過ごしていて、ソフィアなら信頼できるし、僕の気持ちを分かってくれるんじゃ無いかと思ったからかな。それに、僕はソフィアに叩かれた事がきっかけで、変わりたいって思えるようになったんだ。だから僕は君に感謝してるんだよ。」
「どういたしまして…でいいのかな?アランの事を叩いて逃げただけなのに、お礼を言われるって変な感じ。」
「実際に僕がソフィアに救われてるんだから、僕が君にお礼を言うのは当然だよ。僕たちって随分若くに世界的スターになってしまったでしょ?ストレスで僕は14歳から大麻を吸っていて、去年の7月は強い薬とかも手を出してたんだ。」
「…アランの気持ち分かるよ。私も凄く気分が落ちた時あったもん。ちょっと今は時間が少ないから、仕事終わった後に一緒にご飯食べに行って話そう。」
「いいの?」
「流石に、ここでこれ以上話すような内容でも無いし、時間も無いからね。その代わり美味しいご飯奢ってね。」
「もちろんだよ!すぐ個室のレストラン予約するね。ソフィアは何が食べたい?」
私とアランは仕事終わった後に個室のレストランで夕食を食べながら、私の過去も、アランの過去も、お互いがどんな事で悩んでいたのか、今どんな事を悩んでいるのか、たくさん話をした。
アランは今は薬を完全に止めるために通院しているらしく、私はそれを応援した。
女遊びもやめて禁欲生活をしていること、今までの自分がどれだけ酷かったか今なら分かると言っていた。
私の事をアランは強いと言ってくれるけど、私には信頼できる友達が日本にいるからと話すと羨ましいなと言われた。




