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5.中学3年生、三条と清田からの告白

「アランが出演する映画のヒロイン役?アランってあのアラン?」


中学2年生の2月、いつもの6人メンバーで遊んでいる時に、私が出演する映画の話になった。

いつも全員揃ったり、揃わなかったりだけど、このメンバーで遊ぶことは私の日課になっていた。

私が普通の中学生でいられるような気分になる。

もし世界中の人に飽きられても、ここにいるみんななら私を受け入れてくれると思えるから。


「そうなんだよね。まさか、私が選ばれるだなんて思わなかったんだけど。」


「いや、ソフィアは次々と世界中でヒット曲を出している上に、売れっ子の女優だから、全然不思議な事じゃ無いだろ。」


「そうだよ。ソフィアが私達の友達なのが信じられないくらい。」


「またみんなと会えなくなるのがやだなー。」


「私たちもソフィアに会えなくなるの寂しいけど、撮影頑張ってね!」


「ありがとう。もちろん撮影は全力で頑張るよ。ヒロインなんて初めてだから緊張するー。」


「や、やっぱりさ、ヒロインってことはキスもするの?」


少し顔を赤くしながら、三条が聞いてきた。


みんなから注目されてる気がする。


「するよ。」


「そ、そうだよね。」


三条と清田がなぜか落ち込んだ。


「もしかして、撮影がソフィアのファーストキスになるの?ってそんな訳ないか。外人のファンともハグしたり、頬にキスしてるし、あんなに海外飛び回って、ステージに立って、キラキラしてるんだもんね。歌手のスティーブと付き合ってるって本当?」


綾ちゃんが遠慮なしに聞いてきた。


「いやいや、無い無い。キスなんてしたこと無いし、恋人なんてできたこと無いよ。頬のキスは挨拶だから、唇のキスとは全然意味が違うよ。スティーブとはたまたまコラボ曲の打ち合わせ中の写真を撮られただけだし…。デートすら誰ともした事ないのに。」


三条と清田がなぜか明らかにホッとしてる。


スティーブは私より2歳年上の16歳で、私と同じ半年近く前に歌手として世界的スターになってその時に知り合った。

私も彼の歌が好きで何度もライブに行ってるし、彼も私のライブに来てくれる。

スティーブが日本公演した時は、由奈と清田とスティーブのライブに行った。

由奈と清田もスティーブのファンだ。


スティーブと私はお互いにお互いのファンで、コラボ曲も発売して世界的に大ヒットしたし、お互いのライブにゲスト出演したこともある。

私もスティーブも色々なアーティストとコラボ曲を出す事が多い。


スティーブは本当にかっこいい。特に彼のライブは最高だ。


私たちのファンからは私とスティーブだったらお似合いカップルと言う声が多い。


スティーブからは最近グラミー賞でエスコートされる前に告白されて、今もよくビデオ通話や電話をしたり、お互いにアドバイスをしたりする仲だ。


でも、私は恋愛となると尻込みして、恋人になるのも、デートするも断ってしまってる。

2人きりで出かけるのも誰かに見られたらと思って、誘われても毎回断ってしまってるのに、なぜかスティーブは2人で遊ぼうと誘い続けてくれる。


付き合って別れたら、今のような関係に戻れないのかと思うと、付き合えないと答えてしまう。


「えっ?そうなの?でも、てっきり、ソフィアは世界のトップスターだし恋愛をしてるんだと思ってた。レッドカーペットもスティーブにエスコートされてたじゃん。」


「スティーブはお互いにリスペクトしてる仲のいい友達だよ。私に彼氏ができただなんて話したことも無いでしょ。」


「話して無いだけで、彼氏いるのかと思ったよ。だって、ソフィアの周り凄いイケメンだらけじゃん。ソフィアも凄い可愛いしモテるでしょ。」


「うーん、今はそれどころじゃ無いし、考えられないんだよね。私はこのメンバーみんながいればいいや。それに誰かを好きになるって怖いんだよね。。そう言う綾こそ、彼氏いるの?」


何の気なしに聞いたら、思いの外綾が赤くなって固まった。


「じ、実はね、1ヶ月前から淳二と付き合ってるんだ。」


「「「「ええー!」」」」


「全然気づかなかった!」


「いつ言い出そうかなって思ってたんだ。」


「告白してみたら、一年前から両想いだったみたいで。」


嬉しそうな2人を見て、なんだか私も嬉しくなった。

綾は三条の幼馴染だけあり、世界でも4位のシェアを持つ自動車会社の社長令嬢で、可愛らしい。

石井は、両親共に医師の家庭で育っていて、男らしいかっこよさをしている。


「おめでとう!2人が幸せそうで嬉しいよ!」


「ありがとう!ソフィアも恋はいいよー。」


「う、うーん、私はいいかな。。今は自分のことで精一杯だし。。あれっ、でも綾こそ石井とキスしたの?」


「し、したよ。」


「おぉー、いいなー。」


赤くなる2人を見て、こちらまで恥ずかしくなる。


「え、ソフィアはキスとか興味ないんじゃ無いの?」


「いや、あるにはあるよ。憧れたりもするよ。最近は勉強のために恋愛ものの映画とかも見るようにしてるしね。今は仕事と勉強の方が大事なだけで。」


「勉強しながら恋もできるように、仕事しながら恋もできるでしょ。スティーブなんて超イケメンじゃん。歌も素敵だし、私も一度でいいから会ってみたいくらい。今度の映画で共演するアランなんて、王子様そのままでしょ。恋人役をするんだし、そのまま恋が芽生えちゃったり」


「いや、だめだ!アランは女癖が悪そうじゃ無いか!色んな女の人と噂になってるし」


「噂は噂でしょ」


なぜか綾と三条が言い争うを始めて


「いや、でも、アランがソフィアのファーストキスを…」


と言いながら三条が黙ってしまった。


「そもそもアランには、素敵な彼女さんがいるんだから、恋愛なんてことにならないよ。私に彼氏ができるとか想像もできないけど、できたとしてもみんなには言うよ。」


みんなと恋話をしたのは初めてだと考えていたら…


「あ、あのさ、ソフィア。僕と付き合ってほしい。」


「えっ」


三条が突然そんなことを言うから驚いて固まった。


「本当は2人っきりで言いたかったけど、2人きりになる機会なんて無いし。電話で言おうかと迷ったけど、電話より直接言いたくて。僕はソフィアが好きなんだ。」


「…ごめん。三条をそういう風にみた事が無いから、今は付き合えない。三条がそういう風に私の事を思ってたのも考えてもみなかったし。でも、ありがとう。」


ソフィアは恋愛にとても鈍感な女の子だ。


「今はってことは将来は付き合えるかもしれない?」


「分からないけど、恋愛感情も無いのに付き合うなんてできない。そもそも、いつから私の事を好きだったの?」


「最初に会った時から惹かれてたんだと思うけど、ソフィアの努力する姿をみていたらどんどん好きになって、自覚したのは1年生の冬ごろかな。ソフィアと離れ離れになるのが辛いと思ったんだ。」


「俺もソフィアが好きなんだ。俺と付き合って欲しい。」


「えっ」


医者家系の清田も、告白してきて驚いて固まってしまった。


同時に友人2人に告白されるとは…


清田の家は大きな病院をいくつも経営していて、法人を継ぐために必ず医者にならなければいけないというプレッシャーを抱えている。

三条も、清田も学年で常に3位以内のテストの点数をとり、学力は中の下の私にもよく勉強を教えてくれている。

家庭教師にも教えてもらってるけど、授業の内容を知るのはいつものメンバーに頼りっぱなしだ。


「実は一目惚れだったんだけど、ソフィアの側にいたくて気持ちを隠してたんだ。ソフィアを見ていると自分も頑張らなければと思える。俺と付き合う事を考えてはくれないだろうか?」


「誰にも恋した事が無いし、正直今は考えられないよ。2人の気持ちはありがとう。でも、ごめんなさい。2人は大切な友達だし、今の関係が好きなの。今は誰とも付き合う気はないよ。」


「困らせてごめん。でも、諦められないんだ。俺の事を振り向いてもらえるように頑張るよ。振られたとしても、大切な友人なのは変わらないけどね。」


「僕も諦めたく無い。待つよ。僕も、大切な友人なのは変わらないけど、恋人になれたら嬉しい。すぐに僕たちのことを振らないでほしい。」


「…いや、でも待たせるのも悪いし、ごめんなさい。」


「せめてソフィアの事を好きな気持ちは否定しないで」


と言われて、うんと頷いた。


「僕にも、頬にキスして、ハグしてくれる?」


「俺も」


と聞かれて、ハグして頬にキスをしたら、三条と清田はすごく嬉しそうにしていた。



正直、大切な友達だと思ってたのに困った気持ちの方が大きかった。


それに、恋愛感情も無いのに付き合うだなんて、そんな不誠実な事はできない。


臆病な私には、恋心がまだ分からなかった。


中学3年生の4月から7月は初めての映画のヒロイン役のために、テスト期間以外はアメリカで過ごした。

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