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4.中学2年生、スターの不安

中学2年生はメジャーデビュー、ワールドツアーで驚くほどの大成功を収めた年だった。


元小役だった私が、突然世界のトップスターになった。


それでも可能な限り登校しようと、できるだけ日本に帰国した。


中間、期末テストは帰国してテストを受けた。


中学に来ると変わらない友達のグループがいて安心したけど、それ以外の世界は一気に変わった。


「おめでとう、ソフィア。本当に凄いな。こんなに世界中の人がソフィアの歌を聞いてるだなんて、驚きだよ。」


「ありがとう。」


「ねえ、どうして浮かない顔をしてるの?」


「そんな事無いよ。それよりも、いつもノート見せてくれてありがとう。」


精神的に不安定になった私に中学のメンバーは気づいてくれて、私に寄り添ってくれる。


私の話を聞いてくれる。


私は孤独じゃ無いと思える。


仕事上で信頼関係を築いてる人もいるが、プライベートで信頼できるのはここにいるメンバーだけ。


それでも、自分の気持ちを曝け出すのは勇気が無くてできなかった。



中学の友達以外もみんなが私を称賛する、でも少しでも気に食わないとすぐに手のひらを返したように罵倒される。


一気に名誉、お金を手にした私には、いい人だけでは無く悪い人も大勢来るようになった。


若くてお金を持ってる私は格好の餌食だ。


最初は悪い人だなんて気づかずに、信じて裏切られて、人を信じるのが怖くなった。


もしも、中学の友達にまで裏切られてしまったら…?


罵声を浴びせ続けてくる人もいる。


逃げても逃げても、ずっと付き纏われる。


おかしくなりそうだった。



お金と名誉は人を狂わせる。


会える機会も減ってしまった上に、臆病な私は自分から中学の友達とも次第に距離を置いてしまった。


でも、そんな私に声をかけてくれたのは、またも三条だった。


2ヶ月ぶりに日本に帰国すると、中学のグループメンバーには連絡を取っていたけど、三条から初めて2人で会えないか連絡が来た。


私は異性とプライベートで2人で会った事が無かったから、少しドキッとしてしまった。


アメリカでは常にパパラッチに追われていて、日本はアメリカ程では無いとしても、私にプライベートなどあってないようなものだ。


変装していても、気づかない間に写真に撮られていて、ネットに出回っている。


三条は友達だけど2人で会うのを誰かに気づかれてしまう可能性も高い。


私は三条に「今、電話してもいい?」と送ると、すぐに電話がかかってきた。


「電話ありがとう。珍しいね。三条が私に2人で会えないか聞いてくるだなんて。」


「なんだか最近ソフィアが落ち込んでる気がして。」


「えっ」


「いや、勘違いだったらごめん。もちろん凄く忙しいのも分かるんだけど、最近、俺たちとも距離を置いてるんじゃないかって。しかも会う度に、落ち込んでるような気がしたんだよね。だから気になって。」


「ありがとう、心配してくれて。」


「いつだって僕はソフィアの味方だからさ、少しでも相談に乗れればって思ったんだ。」


「ごめんね、色々とあって…でも、すごく嬉しい。まさかそんなこと言ってもらえると思わなかった。。」


私は泣きながら、自分が思ってることを三条に話した。


三条になら話しても大丈夫だと信じられた。


すごく不安になること。


裏切られるのが怖いこと。


期待を裏切るのが怖いこと。


孤独で寂しく感じていたこと。


長く電話をしてしまったが、三条は、ただ私の話をひたすら聞いてくれた。


両親ですら、歌手のソフィアを期待していて私を見ようとはしないのに、友達に心配されるのが嬉しく感じた。


三条は「綾、小池、誠、淳二も、ソフィアに会いたがってるし、ソフィアを裏切ったりしないよ。僕達はソフィアを信じてるから、ソフィアにも信じて欲しい。ソフィアが頑張ってるのは僕達が知ってるし、万が一失敗したとしても僕達はいつでもソフィアの味方だよ。」と言ってくれた。


自分ですら自分を信じられないのに、久しぶりに心が軽くなった。


3学期、久しぶりに会った三条は何事もなかったように「久しぶり!」と声をかけてくれて、気遣いに助けられた。


やっぱり私はこのメンバーが大好きだ。


私は以前のように友達に接する事ができて、友達も私と過ごすのを喜んでくれた。


少しずつ女優としての仕事も受けるようになると、音楽だけで無く女優としての才能も開花した。


テレビの企画でファンにサプライズで会うのは喜ぶ顔が嬉しくて、大人になってからも好んで出演した。



そして、私はアメリカの映画のヒロイン役をする事が決定した。

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