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3-14.スティーブを傷つけた

でも、撮影が終わって、個室のレストランで2人きりになった瞬間に


「ソフィアの僕に言えない秘密って何?」と聞かれた。


「お互い知らない方がいい事だってあると思うの。」


「それでも気になって仕方がないよ。教えてって言っても教えてくれないの?」


「悪いけど、言いたくないの。」


「…誰かに何かされた?」


「何も言いたくないの。私はスティーブを愛してる、それが全てよ。」


「どうして、僕に言ってくれないの?僕もソフィアを愛してる。僕は何でもソフィアの事を知りたいし、聞きたい、知ってほしいし、言いたいよ。」


どうして、私はテレビの取材で咄嗟に嘘をつかなかったんだろう。


どうして、私は三条のキスを受け入れてしまったんだろう。


もう隠し通せない。


「…私も同じ気持ちよ。でも、言ったらスティーブを傷つける。ずっと後悔してるの。あなたを裏切った事を。」


「裏切ったって何?どう言う事?」


「私は三条とキスをした。本当に後悔してる。…ごめんなさい。」


怖くてスティーブの顔が見えない。


「…え?いつ?」


「4ヶ月前。」


「4ヶ月間ずっと僕に黙ってたの?」


「ごめんなさい。傷つけたく無かった。」


「隠された方が傷ついた。キス以上のこともしたの?」


「してない。」


「本当に?」


「絶対にしてない。」


「三条とデートしたの?」


「してないよ。三条の家でみんなで会った時に、話がしたいって言われて少し2人きりになっただけ。学校で偶然2人きりになる事はたまにあったけど、それ以外で三条と2人きりになったのは中学1年生から数えても、あの一回きりだよ。」


「正直に言ってくれ、…三条が好きなの?」


スティーブを見ると、彼は泣いていた。


スティーブを傷つけてしまった。。


「三条を好きだと思ってキスをしたけど、愛してるのはスティーブだけだよ。」


「僕を愛してるのに、どうして三条とキスしたんだよ。三条が好きってどう言う事?幸せな思い出が崩れ去っていくようだ。今までのも、ずっと嘘だったの?」


スティーブが私に怒ったのは初めてだ。


泣く資格なんて無いって分かってるのに、涙が出てきた。


「違う。信じてもらえないかもしれないけど、私は本当にスティーブを愛してる。三条にも私がスティーブを愛していて、スティーブとずっと一緒にいたい、三条よりもスティーブが大切ってすぐに伝えたの。三条のキスを受け入れてしまったなんて、どうかしてた。ずっと後悔してた。それでも、私はスティーブと離れたく無かった。」


「三条とキスをしたのに、彼と同じ大学に通おうとしてるの?」


「三条と一度キスしてしまったけど、その後は何も無い、ただの友達なの。」


「ただの友達はキスしないよ。少なくとも僕はね。それに、彼はソフィアを愛してる。彼とはもう連絡を取らないで、同じ大学にも行かないで。」


「三条は初めてできた友達で、5年間ずっと私を支え続けてくれて、彼のおかげで今の私があるの。」


「僕と三条、どっちが大切なの?」


「スティーブよ。三条よりもスティーブが大切。」


「なら、三条と連絡を取らないようにできるよね。今、三条をここに呼んでよ。彼ならソフィアが呼べばすぐに来るでしょ。」


「でも、もうすぐ夜だし、来るかどうかは」


「今すぐ呼んでよ。スピーカーモードにしながら僕がここにいるって言わないで呼んでね。英語で会話してよ。」


スティーブが怒ってるのが伝わってくる。


私は友達と英語で会話している事の方が多いけど、スティーブがわざわざ英語を指定してくると言う事は私たちの関係を疑ってるのが伝わってきた。



私が三条に電話をかけると、すぐに出た。


「どうしたの?ソフィア。ソフィアから電話なんて珍しいね。」


「急で悪いんだけど、今から会えないかな?」


「え、ソフィアが僕に会おうって言ってきたの、初めてだよね。それに今からって、何かあったの?大丈夫?」


「…大丈夫じゃ無いかも。三条に来てほしいの。来てくれる?」


「もちろん、すぐに行くよ、場所はどこ?」



三条との通話が終わると、スティーブが強引にキスをしてきた。


いつもより強引で激しいキス。


「他の男のことなんて考えないで、僕だけを見てよ。僕は君に裏切られたとしても、君を愛する事をやめられない。何があっても別れない。」


「彼が来るまで、僕はこの部屋にいるから、ソフィアはレストランの入り口まで彼を迎えに行きなよ。でも、彼との会話が聞こえるように、僕との通話をオンにしたままにしてよ。彼がきたらまっすぐ個室まで戻ってきてね。」


あんなに私を信じてくれていたスティーブを裏切って、信用を失ってしまった。


それでも、彼が私をまだ愛してくれてる、別れないでいてくれる事が、嬉しく感じてしまうのだ。

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