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3-7.志望校選び、揺れる心

日本に帰国した私は三条と大学についてパンフレットを持ち寄り、放課後の教室で話をしていた。


今、私が考えてるのはスティーブの家の近くにある大学。


ノーベル賞受賞者、宇宙飛行士、スター俳優、映画監督など、世界的な有名人を輩出していて、その地区の名門校だ。


最難関の大学で合格率も10%なので、進学できるかどうかは分からないけど挑戦してみたいと思っている。


三条にこの大学について話したら、「僕もこの大学いいと思う」と乗り気になってくれた。


去年の12月に三条と一緒に受けたアメリカの大学受験のための統一テストでは、まずまずの結果だった。


それでも三条のスコアの高さに驚いてしまった。


年6回テストがあるけれど、来年の11月の願書提出までに高いスコアを出さなければいけない。


三条は私と同じ大学を受験するのが前提条件だと言っているので、頭のいい三条に相応しい大学へ通えるように、私も勉強を頑張ろうと思った。



1月〜4月は映画の撮影で忙しいけど、それが終わったら仕事はセーブすることにした。


仕事のオファーを断るのは申し訳ないけど、今は学業に専念する時だと割り切ることにした。



それ以外に気になる大学は、スティーブの家から離れてしまう。


アメリカは広いから飛行機で4時間くらいかかってしまうので、悩みどころだ。


スティーブの家の近くに住むか、アメリカ全土の大学から選ぶか。



2人で大学受験についても話し合ったりもして、今年の夏休みには大学主催の見学ツアーに一緒に行く約束もした。


1週間程日本に滞在したら、アクション映画のヒロイン役として出演する映画の撮影のために、アメリカへ旅立った。


三条は冗談で


「ソフィアの恋人役いいな。僕で練習してみるのはどう?僕も俳優目指せば良かったかな。」


と言っていた。


三条はとても素敵な男性だ。


こんな素敵な男性が一途に私の事を想い続けてくれるのが不思議なくらい。


いつか三条にも素敵な女性が現れたらと思うと少しだけ胸が痛んだけど、自分の感情をすぐに否定した。


これはスティーブにとても失礼な感情だ。


私が返事もせずに三条をじっと見ていたのが不思議だったのか、顔を赤くしながら


「そんなに好きな子にじっと見られると、少し恥ずかしいな。」


と言われて、私の顔も赤くなってすぐに顔を逸らした。


「どうして、三条もスティーブも一途に1人だけを想えるのか不思議に思ってただけなの。三条程の素敵な男性からずっと好意を寄せられるって、私にとっては凄く不思議なの。」


「うーん、僕の場合は想えないだけなんだけどね。でも、ほとんどの人は色んな人を好きになるんじゃないかな。好きで付き合って別れて、また別の人を好きになって別れたり。」


「確かにそうだね。そう言ってくれて、ありがとう。」


「もしかしてソフィア、僕の事好きになってくれたの?」


「三条程の素敵な男性に一途に想われて、あなたの事を好きにならない女性なんていないわ。」


「えっ…それって…」


三条が驚いた様子で固まってしまったのを見て、ハッとした。


「ごめん、今の言葉は忘れて。」


と自分の持ってきたパンフレットを慌てて回収して急いで帰った。


馬鹿な事を言ってしまった自分に後悔と、スティーブに罪悪感で落ち込んだ。




三条視点



「もしかしてソフィア、僕の事好きになってくれたの?」


いつもの軽い冗談のつもりで聞いたら、思いもよらない返事が返ってきた。


「三条程の素敵な男性に一途に想われて、あなたの事を好きにならない女性なんていないわ。」


「えっ…それって…」


驚いて僕が固まっている間に、ハッとした顔をして


「ごめん、今の言葉は忘れて。」


と言い残し、ソフィアは慌てて帰っていってしまった。


「…忘れられるはずがないよ。」


誰もいなくなった教室で、真っ赤な顔をしながらぽつりとつぶやく。



中学1年生の入学式から、ずっとソフィアだけを想ってきた。


ソフィア以外の女の子を好きになろうとしても、全然興味も持てなかった。


スティーブと僕は似てると思う。


僕もスティーブもソフィア以外の女の子に興味が持てないんだ。


ソフィアは「どうして一途に1人だけを想えるのか不思議」って言ってたけど、「1人以外を想えないだけ」なんだ。



ソフィアが僕の事を好き?


正直舞い上がってしまいそう。


でも、ソフィアが好きなのはスティーブなはずだ。


と自分に言い聞かす。



スティーブも大切な友人だ。


ソフィアだって、スティーブとの交際を望んでいる。


だとしたら、僕は今の言葉を忘れたふりをしなければいけないのだろうか。。


「忘れられないよ。」


もう一度つぶやく。


「愛してるんだ、ソフィア。」



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