3-5.高校2年生 ソフィアの家で誕生日会
スティーブが初めて家にやって来た翌日は、三条達とスティーブが家に来て、みんなで私の17歳の誕生日を祝ってくれた。
事の始まりは、スティーブが我が家に来る事を話したことだ。
「スティーブがソフィアの家に来るの?いいな、僕だって行ったことないのに。ソフィア、僕が何度もソフィアの家に行きたいって行っても、狭いしダメって言って断るよね。」
「スティーブは私の彼氏だからだよ。」
「いいなー。どうせ僕はソフィアに付き合ってもらえない、哀れな男だよ。」
「三条は哀れな男なんかじゃなくて、素敵な男性だよ。こんなにモテるのに、何言ってるの。」
「ソフィアから好かれなきゃ意味ないよ。僕もソフィアの家、行きたいな。」
「いや、本当に狭いんだって。私の家。そこら辺にある普通の家だよ。来てもつまらないって。」
「じゃあソフィアの誕生日のお祝いをソフィアの家でみんなでするのはどう?」
綾が会話に参加して来た。
「えっ、でも、私の家狭いよ。素敵なお家に住んでる人たちを家に呼ぶのは恥ずかしいよ。」
「いや、むしろ僕はソフィアが大スターになっても今の家に住んでることが、凄いことだと思うよ。普通は大きな家を買って、贅沢したくなるものだよ。」
三条が褒めてくれる。
「私もそう思うよ。それに、私ソフィアの家好きよ。」
綾と由奈は私の家に何度も来て、私の家も気に入ってくれている。
「狭くていいのなら、私の誕生日会を私の家でしようかな。親に誕生日会していいか聞いてみるね。あ、でも、私の家の写真をSNSとかにはアップしないでね。」
と言う流れで、私の家での誕生日会が決定した。
日本の友達5人、私の家族4人とスティーブで、10人もリビングにいると、ソファと椅子だけでは足りないから座布団も4枚用意しておいた。
三条達と駅前で待ち合わせをして、みんなで私の家に向かった。
「ついにソフィアの家に行ける」と三条が凄く喜んでいたけど、「そんな喜ぶような場所でも無いのに」と言っても理解してもらえなかった。
三条の家には、誕生日パーティーでみんなでお邪魔したことがあるけど、すごい豪邸だ。
世界でも名だたる歴史のある大企業の家の跡取り息子に、私の普通の家を楽しみにされても困る。
家の前に着くと、三条が興奮気味に「写真撮っていい?」と言い、たくさん写真を撮り始めた。
昨日もスティーブが同じような事をしていたから、デジャブかな?と思ったくらいだ。
こんな普通の家の写真を撮ってもどうしようもないのに。
「スティーブも凄くかっこいいけど、三条くんもとてもかっこいいわよね。」
と母がうっとりするけど、三条も芸能界で十分通用する程のイケメンだ。
私も、三条がかっこよすぎてついついじっと見てしまうことがある。
スティーブが一緒にいる時は、出来るだけ見ないようにしてるけど、ついつい三条を見た時はすぐにスティーブから話しかけられるから、スティーブに申し訳なく感じる。
スティーブと言い、三条と言い、なんでこんなにかっこいいんだろう。
私の大切な人達がみんな集まって、とても幸せな誕生日になった。
リビングに入った瞬間に三条がピアノを見て
「ソフィアはいつもこのピアノとギターを弾いてるの?」
と聞いて来たので、
「家にいる時は毎日このピアノとギターを弾いてるよ。曲を作るのもいつもこのピアノとギターを弾きながら作ってるの。」
と言うと
「凄い特別なピアノとギターだね!写真撮ってもいい?」
と、普通の家にもある一般的なピアノの写真を撮り始めた。
「僕も弾いてみてもいいかな?」
と三条に聞かれて、「もちろん」と答えると、素敵なピアノの演奏が始まったから、三条のピアノに合わせて即興で連弾してみた。
三条は何でもこなせて凄い。
三条とピアノの連弾はたまにするけど、とても楽しい。
スティーブは初めて三条がピアノを弾いてるのを見て驚いていたけど、素直に「凄い素敵な演奏だった」と褒めてくれた。
私は連弾で楽しくなって、弾き語りを一曲披露した。
みんなから誕生日プレゼントを受け取り、私が作った料理を出すと、「ソフィアって料理もできるの?」とみんなに驚かれた。
家だと2週間に1回くらい料理している。
三条とスティーブは「ソフィアの手作り料理!」と喜んでいた。
私が母と弟とフランス語で話していると、三条、清田、石井が
「ソフィアって家だとフランス語で話すの?フランス語話してるの初めて見た。」
と驚いていた。
「母と弟と話す時はいつもフランス語で話してるし、フランスでのライブはフランス語で歌うよ。」
と言ったら、三条が
「フランス語を話してるソフィア、凄くいい。もっとフランス語で話して。」
適当にフランス語で話してみると、三条の顔が赤くなった。
「フランス語が世界一美しい言語って言われる理由がわかった気がするよ。何て言ってるか分からないけど、本当にいいね。ずっと聞いていたい。今のもう一回言って、録画するから。」
「え、それは恥ずかしいからやめて。」
「ダメかぁ。残念。代わりに今ピアノでフランス語で歌ってくれる?」
「それならいいよ。リクエスト曲はある?」
と言って、私はフランス語で弾き語りをした。
「凄く良かったよ。ありがとう。ねえ、やっぱり僕と付き合わない?」
「人の彼女口説かないでよ。」
「僕だって、ソフィアを愛してるし、付き合いたいんだよ。でも、ソフィア僕の事全然恋愛対象に見てくれないし。って自分で言ってて悲しくなって来た。あれ、でも、ソフィアって、たまに僕の事、見惚れてくれてるよね?もしかして、まだ僕も脈ありだったりする?」
「僕とソフィアは愛し合ってるんだから、脈なんてある訳ないだろ。でも、ソフィアはたまに三条の事見惚れてるよね。」
「そ、それは…スティーブと三条がカッコ良すぎるのがいけないって言うか。。ごめんなさい、気をつけます。でも、私が愛してるのはスティーブだけだよ。」
「僕の事は愛してくれないのか、ショックだ。僕はソフィアを愛してるのに。僕の事をじっと見るのは気をつけなくていいよ、僕はソフィアに見られるの嬉しいよ。」
「いや、恋人以外をじっと見ないように気をつけるのはいいことだよ。しかも三条はソフィアの事が好きだし。三条はいい男だから余計に心配だ。」
「あら、ソフィアって、モテモテなのね。こんなにかっこいい2人に言い寄られるだなんて、お母さんの方がドキドキしちゃう。」
母も会話に参加して来た。
「私がソフィアだったら、三条くんもスティーブもどっちも素敵すぎて迷っちゃうわ。」
意外と母は恋愛ネタが好きなようで目を輝かせていた。
「今気づいたけど、恋人がいないのって僕だけ?」
と三条が言うと
「私も最近彼氏と別れたよ。」
由奈がいった。
「良かったー、仲間がいた。」
「いや、三条はモテモテだからいいでしょ。私は三条みたいにモテないから。…ねえ、三条、私たち付き合わない?」
「え、いや、それはごめん。」
「…そうだよね。三条はソフィア、一筋だものね。なんだか妬けちゃうな。私ね、昔から三条の事が好きなの。」
由奈が突然、驚きの告白をして、みんなが由奈と三条を見た。
「ごめん、僕はその気持ちには答えられない。ってか、つい最近まで彼氏いたよね。」
「私も三条と同じで、三条を忘れたくて付き合っただけだったんだよね。でも、忘れるなんて結局無理だった。三条はずっとソフィア一筋だし、私も含めて女の子と2人きりになってくれないし、告白する勇気も無かったんだ。結構アピールしてたつもりなのに、気づかなかった?」
「ごめん、全然気づかなかった。」
「三条がソフィア一筋なのはずっと分かってた事だから驚かないけど、全然気付かれてなかったのはショック。やっぱり私は三条を諦められないし、私は三条と付き合いたい。」
「それこそ、ソフィアを忘れるためには付き合えないよ。僕も一度ソフィアを忘れる為に女の子と付き合って後悔したし。なんなら、ソフィアと付き合えないなら、一生誰とも付き合わなくていいくらいに思ってる。」
なんだか、凄くいたたまれない気分だけど、ドキドキしてしまう。
「もう1人ソフィアがいればなー。」
「ソフィアは1人しかいないし、僕の恋人だよ。」
スティーブに出会わなければ、私はきっと三条と付き合っていたんじゃないかと思う。
母はますます目を輝かせて
「私は三条くんも、スティーブも応援してるわ。」
と言っている。
私は真っ赤な顔で俯いて、何も言えなかった。
「ソフィアの事は大切な友達として好きだけど、やっぱりずるいって思っちゃうなー」
「ごめん。」
「別にソフィアに謝って欲しい訳じゃないけど。」
「お友達にソフィアの部屋も案内したら?」と母に言われて、みんなで私の部屋に来た。
でも、7人が入るには狭すぎて、私と綾、由奈はベッドに座った。
三条は「ここがソフィアの部屋」と感動していた。
私の部屋にゲーム機がある事を驚かれたり、ついでに勉強も少し教えてもらったりもした。
みんなでリビングに戻り、
「私、高校卒業したらアメリカの大学に進学したいと思うんだ。」
とみんなに話した。
「ソフィアが家を出てしまうのは寂しいけど、仕事の活動拠点がアメリカだし、それは仕方ないかもしれないな。」
父が言った。
「そうね。私もいずれはソフィアがアメリカに行くんじゃないかと思っていたわ。」
「本当にアメリカに行っちゃうの?ソフィアがアメリカに行くなら、僕もアメリカの大学に進学しようかな。」
「三条は三条財閥の跡取り息子なんだから、そんな理由で進学先は選ばないでしょ。」
「いや、アメリカの大学に進学するのを両親は喜ぶと思うよ。今はアメリカの事業に力を入れていて、一番伸びてるところでもあるんだ。」
「そうなんだね。」
「ソフィアとなかなか会えなくなるのだなんて耐えられないし、一緒の大学に行きたいな。」
「それは流石に難しいんじゃない?三条の方が頭いいし。。」
「ソフィア、一緒に勉強頑張ろう。」
「勉強は頑張るけど、仕事もしながらだからなぁ。。」
「僕も、最近は仕事を教わりながら、学校に通ってるよ。一緒に頑張ろうよ。アメリカの大学についても調べるから、オープンキャンパスツアーも一緒に行こう。」
「三条くんが一緒の大学に通ってくれるなら、ソフィアも安心ね。ソフィアは昔から引っ込み思案で、友達を作るが苦手だから、それが少し心配だったのよ。三条くん達と知り合ってソフィアは明るくなって感謝してるわ。三条くんさえよければ、ソフィアと同じ大学に通う事も検討してくれたら嬉しいわ。」
「任せてください。お母さん。ソフィアは僕が幸せにします。」
「いや、ちょっと待ってよ。ソフィアは、今僕が通ってる大学に通えばいいじゃないか。もとはと言えば、ソフィアは僕と一緒にいたくてアメリカの大学に行こうと思ったんだから。」
「いや、何も一つの大学にこだわる必要は無いよ、ソフィア。僕と一緒に自分の通いたい大学を選ぼうよ。」
「僕の通ってる大学も素敵な大学だよ。ソフィアもきっと気にいるよ。まずは大学を見に来てよ。」
三条とスティーブが火花を散らし始めて、私は
「4年間学ぶところだし、色々な大学を見て決めるね。もちろん、スティーブの通ってる大学も見に行くよ。」
と返事をした。
「でも、確かにスティーブか三条と同じ大学に通えたら心強いよ。私1人で友達ができるか不安だし。信頼できる人って見つけるのが本当に難しいの。中学の入学式で三条が私に話しかけて来てくれた時、本当に嬉しかった。きっと、三条がいなければ今の私は無いから、感謝してるわ。」
「僕もソフィアに出会わなければ今の僕は無いよ。昔から僕は何でもこなしちゃうタイプだったから、何かに熱中した事なんてなかったんだ。でも、ソフィアが凄い努力をしてる姿を見て、僕も頑張ろうと思えるようになった。ソフィアがいるから僕の世界に色がつくんだ。ありがとう、ソフィア。」
「だから、僕の彼女を口説かないでくれる?ソフィアも、見惚れない!やっぱり三条と同じ大学なんてやめなよ。」
「でも、アメリカの大学に進学したら、日本にいる時よりも大分会いやすくなるよ。」
「僕の家から通うのもいいんじゃないかな。高校卒業したら、僕と一緒に住んじゃう?」
「結婚もしてないのに一緒に住むなんてやめなよ、ソフィア。」
「じゃあ、結婚すれば何も問題無いよね。早くソフィアと結婚したいな。ソフィアとずっと一緒にいられるだなんて、最高だろうなぁ。」
サラッとスティーブが言うから、私は顔が赤くなってしまった。
「ソフィア、照れてる、可愛い。」
スティーブが私の手を握ってきたけど、すぐに三条に離された。
「僕の前でいちゃつかないで。」
「じゃあ、2人だけの時にいちゃつく事にするよ。」
私の顔はさらに赤くなって、その様子を母が目を輝かせて見ていた。
去年の誕生日パーティーは散々だったけど、今年の誕生日会はとても楽しい思い出になった。




