魔神会議
「この前異世界の海に行ったように、イオンが物事に興味関心を抱くことも増えよう。ならばその時がきて慌てるのではなく、十全に備えておくのが相応しい、否、それが当然であろう」
ルシファーがそう言うのを聞く者たちがいる。割と自分勝手に物事を言うルシファーに普段ならため息をつく彼らだが、今は真剣に頷いていた。
「確かに、一理あるな」
「海の件は結果的にうまくいったが、やはり間に合わせだったのにはちがいない」
真っ黒な部屋で蝋燭が揺れている。
円形の巨大なテーブルを囲んで悪魔たちが会議をしていた。
「配下たちを異世界中に飛ばせ!良いと思った場所はリストアップさせよ!アルファスとマルファスは候補地の中から良いと思われる順に城を用意せよ。姫が滞在中に騒がしいことになってはならぬ、極力穏便にことを進めよ」
つまり、いざとなったら実力行使も問わないということだ。
「必要な資材を揃えるのに必要な資金作りはアーゲンティ、ベリト、ザガンに任す。セーレとガープは必要な物資や人材(悪魔)の移送を支援せよ」
アーゲンティとベリトはどちらも金属を金に変える力をもっており、ザガンは金属をその地で使われている硬貨に変えることが出来るのだ。
「それぞれ交渉が必要ならばダンタリオンがその任に就くがよかろう。」
ダンタリオンなら各地での法や慣習を取り込んで必要な知識を得るのも容易だ。
「残った者は彼らのサポート、及びイオンの教育を受け持つのだ」
あまりそういったことに長けていない者たちは最初歯ぎしりをしていたが、教育担当となればイオンと接することも増えるのだ。表情を明るくして一致団結した彼らの行動は早い。
「各員、出撃~!」
「おお~!」
各々の魔神たちが配下を出撃させる。
この日、各地で悪魔たちが目撃され、人々は屋内に引きこもったが、被害はそれほどなかった。しかし、そのわずかな時間で各地に城や宿泊施設が建ち、ところによっては貴族の領地がまるまる他の者に投げ渡されたところもあったのである。
異世界各地に悪魔たちの拠点が作られていったのである。




