表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪のØ  作者: 夢辺 流離
22/30

good night,good morning

 夕方の数時間を眠ってしまったイオンは夜に寝付けずにいた。別に学校に行かなければいけないわけでもなく、夜更かしに寝坊も問題ないのだが、ウェパルは生真面目な性格なのか毎日時間通りの生活をおくらせようと心掛けている。もちろん彼女も悪魔である。


「困りましたね。睡眠時間という点では問題ありませんが……」


 見た目通りの年頃であれば、我が儘を言うのは普通であり、イオンはむしろ我慢しているというかおとなしい方である。海に行きたいとか遊んでと思うがままに言うのは魔神たちとの垣根が崩れたのかと思えば嬉しくもある。


「仕方ありませんね、彼を呼びましょうか。姫様、フェネクスを呼んでやってもらえますか」


「ん~?あい!ふぇねたんおいでー」


 わずかの間をおいて炎の鳥フェネクスが召喚される。


「姫様、来たよー。」


 アルトの声で軽い口調で応えるフェネクス。

実際悪魔の能力を借りようと苦労して召喚する者にとっては信じがたい光景だろう。


 序列37位の候爵級悪魔、フェネクス。

鳥を象った炎の姿で現れる。特技は科学と詩であり、甘く美しい声と相まってその歌はあらゆるものを魅了する。但し他の姿に変わると声が汚くなるため、変身するのは大嫌い。というのも、イオンがフェネクスの歌が気に入ってより、自分の歌声に自負を持ったからだとか。


 ちなみに、フェネクスは自身の熱を周囲に影響を与えないようにはできるが、自身の温度は高いため、触ってもらったりもしてもらえない。彼がイオンのためにできるのは歌うことだけなのだ。


「今日はどんな歌がお望みです?」


「んん?んー、海に沈むお日さまの歌!」


「ああ、そういえば今日お出かけになられたんでしたね。」


 イオンにとって印象深いものだったのだろう。


「~♪」


 フェネクスの声が響き始め、イオンはご機嫌で手を叩いている。


 しかし、それも長くは続かない。フェネクスの体の炎の揺らぎと心地好い歌がイオンを安らがせ、ウトウトとさせていく。


「……僕も姫様ともっと関わりたいんだけどね」


 フェネクスは添い寝役であり、長く接することは少ない。


「大丈夫だよ。僕は自分の役目に誇りをもっている」


 少し申し訳なさそうに見たウェパルにそう言う。


「いい夢を」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ