表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫君の鎮圧 ――かつて楽園と呼ばれた日本と、死神と呼ばれている男――  作者: 柊蓮
CHAPTER:チャプター〝7〟――
PR
47/61

〈エレジウム〉VS〈ReGion〉⑥

 砂浜に倒れた廉斗に股がったライナーは、脳内に浮かべたその、廉斗の頭を叩き潰すイメージを実行するべく、左腕を振り下ろした。


 廉斗はまるで本当に死んでしまったかのように無防備になっていて、振り下ろされた左腕を避ける素振りすら見せない。そんな廉斗の頭を叩き潰すことなど容易だとライナーは思った。


 だが、次の瞬間、廉斗に振り下ろされたライナーの左腕は、切り落とされていた。


 ライナーはそのことに気がつくと、自分のすぐそばに一人の人間が立っていることにも気がついた。そいつは剣を握っていた。剣を握っているそいつは、まるで切り落としたあとの味わいでも愉しんでいるみたいにライナーに背中を見せていた。その剣で自分の左腕が切り落とされたのだと分かると、ライナーはすぐさま立ち上がってそいつを叩き潰しにかかった。


 だが、そいつが振り返り、そいつの正体が分かると、一瞬ライナーは思わず後ずさりをした。


「お、お前は……っ!」


 次の瞬間、ライナーは上半身と下半身が真っ二つに切り落とされた。


 目にも留まらぬ速さでライナーを真っ二つにしたそいつの正体は、レオだった。


 ニトロスマイルに奪われていた生命力が回復し、やっと目を醒ますことができたレオが、すんでの所で廉斗を助けたのだった。


 あの日からちょうど一週間が経った。ニトロスマイルは約束を厳密に守ってくれる。約束通り、ちょうど一週間分の生命力を奪ってくれていた。


 だが、今のレオは何かがおかしかった。何かが普段とは違う雰囲気のレオが、そこにはいた。レオの足下にいる、気を失っているんだか死んでいるんだか分からない廉斗がもし起きていたとしても、やはりそのことを指摘するだろう。いや、もし仮に、レオに初めて会うという人であったとしても、今のレオの異様な雰囲気には恐怖すら抱いてしまうだろう。


 そのくらい、今のレオの雰囲気は普段とは全く違った。


 それを単純に言えば、それは人間味のなさ、だった。 


 そんな人間味が希薄になったレオは、足下の廉斗を虚ろな目つきで見つめると、助けるでもなく、そのまま放置して次の場所へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ