表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/86

83.引き継ぎ

 遠くの方でバタバタと歩く音が聞こえる。


「すまんすまん、遅くなってしまった。あ、叔父の高倉佑樹です」

「初めまして、綿貫凪桜です」

「えっと、この感じ結構大変だったんじゃないか?」

「僕は全然。ただ佐藤さんのメンタルはだいぶ弱ってるみたいで」

「何でも投げたんじゃないか?」

「薬と体温計だけですよ」

「それが困るんだよ」


 佑樹さん帰ってきたんだ。なんか2人とも仲良さそうで焼けちゃうな。


「これ、熱と佐藤さんの様子メモしたので」

「助かるよ。綿貫くん、仕事できるね」

「ありがとうございます。あの、答えられたらでいいんですけど」

「ん?」

「佐藤さんっていつもこんな感じになるんですか?」

「んー、このメモを見る感じ、まだマシな方かな。悪いね、大変な仕事任せちゃって」

「明日病院に行く感じですか?」

「薬はあるし、この状態で病院行くのはなぁ」


 びよ、病院!?ヤダヤダ!行かないよ!


「ほら、目を瞑ってても嫌がってるだろ?」

「嫌がってても……」

「パニックになっちゃうからさ。入院……今回は難しそうだし」


 なんだろう、2人が作戦会議してるのはわかる。私混ぜて欲しいなあ。


「というか、ずっと抱っこしててくれたのか?疲れたろ」

「いえ、なんかこれが1番楽そうだったので。あ、すみません。お付き合いもしていない異性が」

「いやいや、これじゃないと寝ない時は相当だ。ほんと、助かったわ。じゃあこのまま引き取るな」


 ……何の音?シャワー?


 ぼんやりとした頭で体を起こせば、私はベッドの上。遠くからシャワーの音が聞こえるけど、誰かいるの?まさか綿貫さん!?いつの間に寝ちゃったんだろう。


 毛布を引きずり、ゼエゼエハァハァしながら洗面所まで来たけど、流石にのぞいちゃ悪いよね。仕方ないから廊下に座って待機。


「っな、おい!」

「……ん?おはよう」

「おはようじゃないよ、何でこんなとこで寝てんの」

「佑樹さんことなんでいるの?」

「お前が熱出したからだよ。ほら、行くぞ」


 歩く気がないとバレているので、抱っこされたままリビングへ。昼間の夢は不思議だったな。綿貫さんはいつ帰って、どこからが夢だったんだろう。


「ほれ、熱測んな」

「……」

「ん?どうした?」

「わ、わ、綿貫さんに……うえーん!」


 昼間やってしまったことを思い出して、大号泣。あのまま綿貫さんを刺してたら……。


「暴れすぎ、ちょっと落ち着け」


 ギュッと佑樹さんに捕まったけど、落ち着かない感情を内側に留めておけず、ジタバタと悪あがき。


「綿貫くんは肝が据わってるね。これの相手をできるんだから。しかもこの感じ、気持ちバレてるだろうな」

「やだやだ!」

「ん、そんで悪いがもう行くぞ」

「やだ!」


 何度もやだやだ言ったけど、全無視のまま助手席に乗せられた。病院だったら嫌だって思ったけど、気がつけばそのまま眠りに落ち……うるさいな。


「ここどこ?」


 後部座席で寝ていた私は、病院でも誰かの家の駐車場でもないどこかに。運転席に佑樹さんもいない。


「ん?これ資料か……あ、ここ現場?」


 現場じゃなかったらここは戦場だ。そう思うほどの銃声音。時計を見れば14時……結構寝ちゃったな。


 どれどれ?テロリスト組織の壊滅か。開始時刻12時半……え、これ難航中なのでは?

 さ、椿ちゃんがいっちょ肌を脱ぎますか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ