表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/70

51.風邪と夢

 頭が痛い。そんで寒い。

 しかもここはどこ?綿貫さんどこ行っちゃったの?


 喉が絞まるような咳が止まらない。


「椿、大丈夫か?」

「私、夢見てた?」

「ん、起きたな。ちょっと背中さするぞ」

「佑樹さん?あ、聞いて。私さっき夢見てね」

「うんうん、とりあえず薬飲もうか」


 そうそう、薬薬。医者が飲めって言ってた言ってた。

 肺炎手前なんて脅し言葉使ってまで、言ってた言ってた。私相手に脅すとか失礼じゃない?真心斗だったら回し蹴りだよ?

 

 イライラするぐらい咳が止まらない!


「1回座れ。ほら」

「ッング、大丈夫大丈夫。ふぅ……ゲボッ。あのね……ッンヒュ」

「美英ー、吸入そっちある?」

「あるある。椿ちゃんほら、綿貫さん?に心配かけちゃうよ」

「み、美英それは「綿貫さん!?」

 

 驚いたらむせこんじゃうよ。


「ほらー、美英。椿にそれは禁句だって言ったのに」

「椿ちゃんごめん」

「椿、1回夢のことは忘れよ、な?」

「ゴホッゴボッ、いい夢、だったな、ゲホッ」

「うんうん、薬飲んで夢でも見とけ」

「薬……?やだいらない、えい!」

「こら、投げません」


 1回捨てた薬を、無理やり飲まされ、ムカつくけど佑樹さんに抱きつく形で座る。

 そうそう、喘息の時は横になれなくて、昔はいつもこうだったな。なんかムカつくな。


 そういえばいい夢だったな……私、綿貫さんと同棲開始したんだっけ?

 でも家はどこだろうか?最寄駅どこ?次会った時に帰り方、今度聞かなきゃな。あ、その前に指輪か。


「あっつ!熱測ろう。寝ろって言ったけど、お前熱すぎ」

「んー」

「聞いてんのか?」

「んー」

「あー、ダメだこりゃ」


 佑樹さんの冷たい手が気持ちいい。このまま寝れそう。

 もう寝ちゃおっか。せっかく仕事休みなんだし。綿貫さんと会う時に、クマなんて見せられないもん。このまま佑樹さんにくっつき虫になっちゃえ!


「美英ー、ちょっともう1回きてー」

「何ー?」

「熱測るの手伝って」

「はいはーい。椿ちゃん、ちょっと失礼」

「んー……やだ!」

「大丈夫大丈夫、熱測るだけだよ」


 やばい、咳が止まらないの。


「わかったわかった。じゃあこのまま熱測ろ、な?」

「ん……やだ、ヒグッ。綿貫さんに会いたい!」

「あー、それは熱は測ってから、な?」


 涙でびちゃびちゃの顔を、佑樹さんの洋服でこすり落とす。何回も押し返しても渡される体温計を、渋々挟むんだけど美英さんに直されちゃうし、なんかうまくいかないなー。もうやだ。


 ピピピッ


「39.0……今週はもう休みだな」

「休み?じゃぁデートしたい。ダメなら本屋さん行く、ね」

「うん、寝ろ」

「今日は良い夢だなぁ。ねえねえ、綿貫さんの夢の続きは?」


 休みなら綿貫さんと出かけたいな。でもこんな高頻度で会えたりしないか。普通は次いつ会えるの?夏休み?私夏休みあるのかな。


 赤ちゃんのように座ったまま抱っこされ、背中をさすられたのもあって、もう眠気が限界に近い。

 ダメだ、眠い。でも寝ちゃダメ、寝ちゃダメ……。

 

「その眠くなったら足つねる癖直そうな」

「んー」


 だって寝ちゃうんだもん。

 でも今寝たら、また夢に綿貫さん出てきてくれたりしないかなー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ