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19.休み最終日は仕事0日目


 先輩が何かしてくれるという「萌え」を知ってしまった私は、さっそくガンガン影響を受けまった。

 その夜、先輩への片想いが溢れた女の子を見て、わんわん号泣。朝から頭ポンポンを見て、キュンキュンキュン死。


「あ、ヤバいヤバい。試験の間に読む小説を選ばなきゃ!」


 今日はこれから運転免許試験。情報提供者の真心斗によると、かなり待たされるらしい。

 噂を信じ、2冊しっかりカバンに入れる。一応あんまり泣かないで済むやつを選んだつもり……まあ泣いたけど。


 それから約6時間後。


 もちろん合格。

 小さなトラブルを挙げるなら、キリの悪いところで試験監督が入って来てちょっと萎えたこと。しかしきちんと試験には取り組んだ。


「もしもーし!免許取れたよ。これから定期券買いに行くところ。えー……あとで確認しまーす。はーい、バイバイ」


 休み最終日は仕事0日目。はいはい、わかってます、わかってます。有給と言われた1か月の間ですら、メールは1日たりとも休むことなく私のところへやってきた。

 もともと私が抱えていた業務量を考えたら、これでも休んでる方ではあったと、言えないこともないこともなかった、かも?

 これはボーナスに期待かな!


「さあさあ、定期券買って、おいしいランチ食べちゃうぞ」


 ささっとみどりの窓口に行き、ネットで事前に調べていたオムライス屋さんへレッツゴー。景気づけにメロンソーダも注文し完璧。

 明日からは食堂ランチになるし、飲み物は自販機になるだろうし、残念ながら夜はコンビニになる予定だ。


 「今日は食いだめだ!」


 そんなメンタルで、うっかりデザートにプリンまで完食しちゃった。


「ごちそうさま!おなかいっぱいだあー!待てよ?私デートに着ていく服ないじゃん!」

 

 仕事が始まったら服を買いに行く余裕なんて絶対にない。というか、スーツの受け取りも行かなきゃいけないんだった。それなら新しいアクセサリーも買っちゃおうか。

 

「佐藤様、お待ちしておりました」

「すみません、ギリギリになっちゃいました」


 いつもお願いしているオーダーメイドスーツ。ようやく身長が止まり、前回の型で作ってもらえるようになった。


「ネイビー、ブラック、グレー、ブラウン、ベージュの5点ですね」

「ありがとうございます。あとこれと、それと、あれの色違い……いいですか?あとベルトも」

「ブラウス8点と、ベルトが3点ですね」

「はい、それでお願いします。支払いはカードで。それから、後で取りに来るので預かってもらえますか?」

「もちろんですよ」


 そこから仕事用のパンプスとストッキング。ピアスも2つ購入。


「いざ、ここからが勝負!」


 映画館は冷えるからパンツコーデにするとして、いい感じのカジュアルなブラウスないかな。あとお出かけ用のピアスと、かわいいハンカチが必要でしょ?バッグと靴はイギリスで買ったお気に入りがあるからいいとして、靴下も必要だ。


 百貨店の中を行ったり来たり。ぐるっと回って一通り揃ったら、今度はコスメも欲しくなってきた。仕事で使うお直し用のマスカラと、綺麗めなリップも買っておかないと。


「佐藤様、スタッフをお呼びしましょうか?」

「お、お願いします……ハハッ」


 指1本で紙袋をいくつ持っていることやら。申し訳ないがスタッフ2人を派遣してもらい、タクシーまで運んでもらった。


 トランクいっぱいの紙袋と共に帰宅したのは18時半。

 

 そこから紙袋を開け、透明な袋から出し、タグを切り、仕付け糸も切り、ハンガーにかけ……。


 もう疲れた!これはさすがに買いすぎちゃった?でもまあ仕方ない。


「デートするために得を積むぞ!」


 綿貫さんへ

 悪いやつをボコボコにして、ちょっと制裁してから行きます。間に合うように頑張るので、応援してくれたら泣いて喜びます。

 椿より。

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