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修理師リエイのほのぼのクラフト生活  作者: 弌黑流人
第一章 修理師

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repair.83 『未来への動力源と宰相への伝言』

魔導の巨人が霧散し、静寂を取り戻した大魔導炉の前で、リエイは多機能ゴーグルの解析表示を指でスライドさせた。浄化された魔力は、淀んでいた地下水脈へと清らかな奔流となって流れ込み、腐敗の連鎖を断ち切っている。


「……おっさん、この大魔導炉だが。ただ浄化して終わりにするには、あまりにも出力が巨大すぎる。新設予定のアカデミーの真下にあるんだ、これを生かさない手はないだろう」


リエイの問いかけに、アルス・マグナは満足げに結晶体を揺らした。


『ふむ、小僧もたまには気の利いたことを言う。この炉は因果の交差点に据えられておる。若き魔導師たちがその循環を肌で感じ、術式の脈動を学ぶための生きた学習教材としては、これ以上のものは地上に存在せぬな』


「それなら話は早い。地上に戻ったら宰相殿におっさんの方から伝えてくれ。地下水脈を汚染していた元凶は排除した。そして、この大魔導炉をアカデミーの動力源として、また学生たちの研究対象として使用できるよう取り計らってほしいとな」


『あの者なら、きっとリエイの提案を喜んで受け入れてくれるであろう』


「きっとそうですね」


ノエルが力強く頷き、ニーリルもまた、炉から放たれる清浄なマナを心地よさそうに浴びている。リエイは手元の魔導手帳を開き、ギルドへの報告書にペンを走らせた。


国内全土に広がりかねなかった地下水脈汚染。その真の原因は、単なる故障ではなく、純度の高い魔力欠乏……いわば深刻な栄養失調による暴走であった。


(……年代物だからと捨て置くのは簡単だが、正しく手を入れれば、こいつはまだ現役でいられる)


リエイの手帳には、今後の管理指針が克明に記されていく。

星滴麦のような高濃度の魔力を保有する触媒、あるいはミスリル鉱石や精霊樹の端材を用いたエネルギー供給と、それによる循環の維持。それさえ怠らなければ、この大魔導炉は迷宮都市、ひいては国の魔導の要として再び輝き続けるだろう。


「……さて。お腹を空かせた大物の機嫌も直ったことだし、俺たちもお腹が空いたな。地上に戻って、ノエルが作ってくれたあのリゾットを温め直していただくとしようか」


「あ、はい! ぜひ! まだたっぷりありますから、リエイさんもお腹いっぱい食べてくださいね」


リエイの言葉に、ノエルが弾むような声で応える。

深淵の底に眠っていた壊れた物語を一つ繋ぎ合わせ、一行は再び円盤のバイパスへと足を踏み入れた。背後では、新しく生まれ変わった炉が、どこか誇らしげに、力強い駆動音を響かせていた。


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