№2 事件です
奥さん、事件です!
「失踪事件?」
思わずその報を聞いた瞬間、ローリアンは顔をしかめた。
萌狩隊副長キキは話を進める。
「諜報部のサニーがディオラ国へ向かう途中、忽然と姿を消しました。以前、行方は不明」
「・・・サニーほどの者が不覚をとるとは考えられませんね・・・」
「はい。任務内容も、こちらの状況を女王様にお伝えするという比較的容易なミッションかと」
「キキ」
「はっ」
「任務に重いも軽いもありません」
ローリアンはキキをたしなめる。
「御意」
「ふむ」
ローリアンは顎に手をやり、沈思黙考する。
「ララ」
傍らにいるもう一人の副長へ、彼は声をかける。
キキとララ二人は双子の兄妹である。
ともに萌狩隊副長という重責を担っている。
水色の髪の色をしたキキ、整った幼い顔立ちに、しゅっとした肢体、隊を問わずエルフ国の民からも言わずと知れたモテ男なのだが、本人は奥手、萌にすべてを捧げる熱血漢である。
桃色の髪の色をしたララ、童顔の可愛い系の優しい顔立ちに、くりっとした大きなブルー瞳、薄い艶やかな唇、やや二頭身よりの幼いぼでぃながら、でているところはしっかりでていていて、万人受けするモテ女なのである。
彼女は既婚そしてただ今、別居中の身である。
バツイチそれとも・・・とまあ、なんともな所が、スキモノたちの心を鷲掴みにして離さない。
「はい」
ララは胸を張って返事をする。
「私とともにディオラへ、サニーが失踪した場所を捜索します」
「御意」
ローリアンに一礼をする。
「キキはもしも時に備え、萌狩隊のさらなる精錬を」
「はっ、御意っ!」
キキは大きく頷いた。
「この事件・・・何かありそうですね」
「隊長・・・と言いますと」
キキは訝し気に尋ねる。
「失踪なんて、滅多に起こるものではありません・・・サニーがただ単に萌狩隊が嫌になったり、この国から出たいと考えたのだけなら、それは仕方ないことですが」
「隊長、サニーに限って」
ララは大きく首を振った。
「そうですね。私もそう思います・・・だからこそ・・・何かが」
「・・・何か」
キキはごくりと唾を飲み込む。
「何かとは」
ララはツッコむ。
「それは・・・何かです」
「ですから・・・」
ララが問い詰めようとすると、キキが口を塞ぐ。
「それを調べに行くんだろう」
「その通り」
ローリアンは大きく頷いた。
「何かという不安の元凶を突き止めるです。サニーを無事見つけること、何事もなければそれでよし・・・もしあれば」
「あれば・・・」
兄妹は同時に言う。
「我ら萌狩隊の出番」
「御意っ!」
2人は同時に叫んだ。
以上、現場からでした。




