表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
96/173

黒鉄の騎士、見参。

大陸街道より脇に逸れた、岩窪地でパヴロ聖王国ルビリア聖王女を守護する【帝国騎士】。


ゼレイヤ黒魔術王国暗殺兵士達により血の海と化した、地面に剣を(つえ)代わりに起立する黒龍騎士団()千竜騎士長リュギィ・コネルとブリッシュ・アンツ一兵卒。


足元に流れる大量の血を踏みしめ、天地左右から一斉に攻勢に出てくるゼレイヤ国暗殺兵士達を(にら)む。


っが、満身創痍(まんしんそうい)の自分達にできる事はもうすでに何もない。


真甦も全て使い果たした、、、


いくつもの切傷痕からも、大分血が流れた、、、


立っているだけでも不思議なほど、切って切って切り(まく)った、、、


後は虎翼騎士団バウス・リッシュ千竜騎士長に任せるしかないと、ぼんやりと考えた。


不思議と恐怖は無かった、、、


ただ、役目を完遂(かんすい)できなかったのが(くや)しい。


真っ黒なフードを被り、短剣を抜いたゼレイヤ黒魔術王国の暗殺兵士達が、天と地、右と左からドッと押し寄せる。


リュギィが「くそっ」と(つぶや)


ブリッシュは静かに目をつむる、、、



暗殺兵士達が黒龍騎士団騎士二人に切りかかる、まさに直前、、、




ピカッ! ドドン!!



激しく大きな雷が光り輝き、轟音と共にゼレイヤ国暗殺兵士の真ん中に落ちる。


暗殺兵士は一撃の雷撃により、その場より四方に弾け飛んだ、、、


そして、全て消滅した。


雷雲、立ち(こも)(もや)の中より、漆黒の黒騎士が黒剣を抜き放ち、静かに立ち上がる。


リュギィが目を見張る


「アルセイス団長、、、」


立ち上がった、アルセイス武神将ははリュギィとブリッシュの方を向き


「両名よくやった、後は俺が引き受けよう。」


静かに、そして低く(うな)る様に(しゃべ)る。


身体全身からパチパチと放電が繰り返され、黒剣にはバリバリと雷撃が(まと)わりつく。


漆黒の武神将は【怒り】を(あら)わにしている。


常に冷静沈着な黒騎士にしてはとても珍しい事だ。


リュギィが息も絶え絶えに親友に話しかける

「団長が俺達を()めたのか?」


ブリッシュも同じく苦しそうに

「珍しい事もあるものだ、、、生きていてよかったな」



上級黒魔術師カガはアルセイス武神将の登場に焦りを感じた。声を上擦(うわず)らせながら叫ぶ


「こ、殺せ!そいつを殺しなさい!!」


バシーン!!


刹那、カガのフードの着いた黒衣の胸の部分に大穴が穿(うが)った。


自分の胸に大穴が開き、血を吐き倒れ血飛沫(ちしぶき)()き散らし前のめりに倒れる。


悲鳴を上げる暇さえなく黒魔術の指揮官は血の海に沈む。


雷神アルセイス武神将は何の容赦も躊躇(ちゅうちょ)もなく、敵に向かって電撃を放ち、黒剣に雷撃を乗せ、岩壁諸共(もろとも)空間と共に地形をも、切り裂き消滅させる。


ドシャン! ピカ! ズドドン!


余りの壮絶な攻撃に、味方の虎翼騎士団も呆気(あっけ)にとられるほど、攻撃は凄まじく何の容赦もなかった。 


漆黒の剣聖にとって、これ位の敵では太刀打(たちう)ちすらする事も(かな)わず。


一方的に狩る側にいたゼレイヤ黒魔術王国の暗殺兵士と生き残っていた、ヴァルゴ国機甲兵士はたった一人の為に狩られる側となり、瞬殺され死体も残さず消滅した。


雷雲が晴れるころ、ヴァルゴ、ゼレイヤ連合軍は只の一人もその場には存在していなかった、、、


大陸街道の道自体を破壊し、変形させて両側に切り立つ岩壁をも破砕し、颯爽(さっそう)と起立する漆黒の武神将。


黒龍騎士団団長はリュギィとブリッシュの方に歩み寄り


「生きてるか?」静かに問う


リュギィが答える。

「何とか」


ブリッシュが付け足す様に

「ルビリア様は一番奥にいらっしゃいます。」


アルセイスは身体から放電しながらまたもや静かに


「両名、千竜騎士長の任に復権せよ」


「傷が治ってからな」


奥へ向かって歩き出す。アルセイス武神将。


リュギィ千竜騎士長が「団長が冗談を言ったぞ」傷だらけで死にかけたというのに相棒に話しかける。


ブリッシュ千竜騎士は「ああ、俺も聞いた驚いたな」


黒龍騎士団員にとっては今の会話も団長の冗談と驚くほどの事らしい、、、どれほど普段話さないのか、、、


自分の怪我を心配した方が良いくらいなのだが、、、


虎翼騎士団バウス・リッシュ千竜騎士長始め全騎士が膝を付き騎士の礼を取る。


「戦時中だ、礼は不要。」


アルセイス団長は静かに奥へと足を運ぶ。


突き当りの岩壁に捕らえられ(・・・・・)ていたルビリア聖王女を助け出した。


聖王女は、見知ったアルセイス武神将の顔を見るなり「アルセイス様!!」と叫び、大泣きして、抱き着いてきた。

余程、怖かったのだろう、、、


当然、真甦は全て引き込めて放電は止めていた。


アルセイスは王女が落ち着くまで、そっと抱きしめていた。


その間に頭の中では真魂更新してリスティアード皇太子に報告する


(ルビリア聖王女殿下、無事保護いたしました。)


(ご苦労様、直ぐに2個騎士団をそちらに回すから到着したら君は帰ってきて)


(了解しました。)


アルセイス武神将はバウス千竜騎士長の方に顔だけ向けて

「すまぬが、内の団員の治療を頼めるか?」

静かに、そっと語る。


「はっ」とそっと言い、バウス千竜騎士長は部下を連れ、直ぐに救出に走った。


ルビリアを脅かさぬために、、、


泣き続ける、パヴロ聖王国ルビリア聖王女だった。


仕方のない事だろう、つい先日までお姫様として大切に大事に育てられてきた者が、両親を目の前で惨殺(ざんさつ)され、自身も人質となり幽閉(ゆうへい)され、助け出されたと思ったら今回の事件だ。


意識が正常なだけ、【良し】とせねばならぬ程の危険で恐怖だったろう。


男性でもこれだけの惨状(さんじょう)目の当(まのあ)たりにしたら正気でいられるかどうか分らぬほどの悲惨(ひさん)続きだ。


真っ赤な血の海の中、泣きじゃくりアルセイスに抱き着くルビリア聖王女だった。




ヴァルゴ国主力軍と戦闘を繰り広げているアースウェイグ帝国帝国騎士軍は一方的とまではいかないが、かなり戦況は有利でヴァルゴ国軍の総兵力も4万兵を下回っていた、、、


リスティアード皇太子は真魂交神で命令を下す。

(ナリナック武神将、アドモズ武神将。両騎士団は大陸街道を南に行った所に、ルビリア聖王女殿下がいらっしゃる。その警備護衛に当たれ)


((はっ!!))


直ぐに返答が帰ってくる。


2個帝国騎士団が転進し、戦列を離れていくが直ぐにその穴を埋める見事な帝国騎士団の連携である。


アースウェイグ帝国軍は6万3千名いた兵力は未だほぼ健在である。

開戦当初、3倍以上の敵であったヴァルゴ、ゼレイヤ連合軍は今やアースウェイグ帝国軍と同数かそれ以下となっていた。


ヴァルゴ古代兵器興業国軍の主力武器、長機銃や鉄の鎧は普通のヒトでは(あらが)(すべ)が無い程、強力無比なる装備だが、帝国騎士の真甦と剣技、連携には遠く及ばない。


しかも、総指揮を取るのはアースウェイグ帝国軍総司令長官にして皇太子、四海聖竜王たるリスティアード・ローベルム・アルヴェス・アースウェイグである。


その指示命令を実行するのは、帝国騎士団の誇り【武神将】達であり、剣を振るい戦うのは大陸最強の【帝国騎士】である。


ルビリア聖王女も無事保護し、アースウェイグ帝国軍にとって、心配事は何も無くなった。

勢いを増し、更に進軍攻撃に移ろうとした時だった、、、


総司令長官リスティアード皇太子殿下が(さら)われた!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ