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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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ヴァルゴ古代兵器興業国軍、主力現る

ヴァルゴ古代兵器興業国の総兵力は20万人の機甲歩兵と大量殺戮破壊兵器の兵器師団。


主力は鉄の鎧を全身に(まと)いヒト以上の【力】を古代動力によって生み出した鉄機兵士だが、それ以上に強力なのは古代より甦りし武器【長機銃】を全鉄機兵士が装備している事だ。


剣は長機銃の先に鈍く光り、装着されている。


これだけの装備だけでも、普通のヒトにとっては大きな脅威である。


ルミニア王国が数日で陥落(かんらく)したのも、この復活した古代兵器の威力によるものだ。


鉄機兵の鎧は剣や槍や矢を全て無力化し、破壊力は馬をも投げ飛ばす力で、長機銃は鎧を貫通し兵士の命を確実に絶つ。


これだけでも、兵力の差は歴然なのにヴァルゴ国軍は移動可能大型の砲撃兵器をも復活させていた。


一撃で、城塞を吹き飛ばし何十人もの命を一発で奪う、大量殺戮兵器だ。


超古代動力で人も馬もひき潰すほど重く、大きい。


パヴロ聖王国に攻め入った、国王ウルグス率いる、先遣部隊はこの砲撃破壊兵器を中心に配備されていた。


だが、ヴァルゴ国軍にとって予想外だったのは、ヒトならざる者達もここには存在した事だ。


帝国騎士の最高峰たる【武神将】の中でも最強無敵の3人と、1人でも1国を亡ぼす力を持つ美貌の皇太子である。


ヴァルゴ国軍の砲撃移動兵器は、ほとんどが帝国軍の強靭な武神将の活躍により、哀れにもくず鉄に成り変わり果てていたのだが、、、




パヴロ聖王国 聖王都 市街地


リスティアード皇太子軍は、ランガード武神将が焼き払った市街地を突き進む。


リューイが横目で俺を見ながら呆れ顔で言ってくる

「相変わらず派手に焼き払いましたね」


俺は無視して「腹が減ったぜ、何か食いもんねぇか」


リューイはにこりと微笑み

「先ほど、おにぎりを貰ってきました」


(さけ)ですよ」


俺はちょい嫌な顔を返して

「腹ペコだから、何でも構わねぇよ」


「次は梅にしてくれよ」


リューイはおにぎりを渡しながら

「早くこの戦いを終わらせて、シュス様の手料理を食べたいですね」


俺は「ああ」とだけ答えて、おにぎりに(かぶ)り付いていた。


その時だった。


真魂交神でリューイに急報が入る。


リューイが緊張した顔で


「見張りに出していた部隊から連絡です。ヴァルゴ主力軍20万が前方、聖王都先に現れたそうです。」


俺は急いでおにぎりを全部無理やりたいらげて、叫ぶ。

「不死鳥騎士団、全軍突撃陣!」


「敵が陣を張り終わる前に、突破する。」


「リスティアード皇太子殿下の本陣と黒龍騎士団には俺から連絡しておく!!」


リューイが引き継ぐ

「両翼に土竜隊展開準備して下さい。」


「正面に【火の民】重量爆撃部隊攻撃準備。」


「風竜隊、水竜隊は【火の民】後衛に回り進路確保と攻撃支援に回って下さい。」


すぐさま、陣形を変える不死鳥騎士団。


ランガード団長とリューイ准将がいるとこんなにも違うのかと思えるほど、動きは素早く迅速だ。


不死鳥騎士団騎士の顔も全く違っていた。

絶対の信頼感と不屈の忠義心を体中で表現し、それが騎乗する竜騎馬にも伝達する。


愛騎の竜騎馬も勇猛に激しく疾走する。


魔鉄で作られた、深紅の鎧が光り進軍速度を戦闘速度へと上げていく。


大きくなびき、(ひるがえ)る灼熱の不死鳥騎士団、団旗。


アルセイス団長がガウス副団長に指示する。

「黒龍騎士団は本陣左右に展開する。」


ガウスは短く「はっ!!」と答え

命令を発する。


「リュギィ隊、ブリッシュ隊は本陣右翼へ上がれ!!」


「残りは本陣左翼だ!急げ、前衛の不死鳥騎士団と距離を開けるな!!」


黒龍騎士団は不死鳥騎士団とは真逆の性質を持っている騎士団である。


起立と軍規を重んじ、私語さえ禁止している。

ガウス准将でさえも、団長には最高の敬意と最低限の事しか言わない。


(かも)し出す雰囲気が、真逆の騎士団が(そろ)って共闘している姿は、少し滑稽(こっけい)ではあるものの成果としては、最高の戦績を収めている。


また、団長同士が若く、相反する性格とはいえお互いを認め合っているからこそ生まれる信頼感の絆があ・う・んの呼吸を産む。



1万3千名の皇太子軍が、聖王都より脱出する前方を(ふさ)ぐ様にヴァルゴ古代兵器興業国軍の前衛部隊は(おお)いかぶさるように皇太子軍の前方に広がる。


20万の大軍ともなれば、軍隊の全てを見通すのは不可能。軍の果ては一体どこまで続いているのだろう、、、


緑豊かな大地一面を埋め尽くし、草花を踏みにじる無情の機構兵士の地の果てまでも続く大軍の群れ、、、、


風を切り、一回り大きな竜騎馬を愛機としている俺は、阿修羅丸に(またが)り皇太子軍の先頭を疾駆(しっく)する。


8千人の帝国騎士団を実質まとめている、リューイ准将は相変わらず、幼い顔に鋭い眼光で団全体と不敗の絶対騎士団長の一挙手一投足を見て、団を運営し機動させていた。


赤髪の獅子が吠える

「【火柱の陣】で突っ切るぞ!!」


童顔の鋭い副団長は即応する。

「全団【火柱突撃陣】準備!!」


界・爆弾(かい・ぼん)岩・破砕(がん・くらっしゅ)隊、前へ!!風竜隊は後衛に水刃隊両翼に土竜隊は左翼に集中防御張って下さい。」


更に陣形を変える。自然に即応する不死鳥騎士団騎士達


「敵はまだ、我団の前方を(ふせ)ぎ切っていません。左翼からの攻撃に備え、一気に突き抜けます。」


テキパキと各部隊に指示が飛ぶ、【火の民】族長代理を(こな)してきたのだ、彼を見たままの印象と同様の人物と評価するととんでもなく痛い思いをする。


ヴァルゴ国軍の主力は大勢力だが、装備の重量が重いせいもあり、動きが鈍い。


そこを見破り、敵前衛の更に前を斜めに突っ切ろうというのだ、無敵の火柱の陣で!


不死鳥騎士団の動きに直ぐに呼応する、黒龍騎士団が守る皇太子軍本陣。


本陣の中には固定された負傷者や、治癒部隊、糧食などをのせた大型の荷馬車が6頭の竜騎馬に引かれ真中に位置し、黒龍騎士団に守られ、共に疾走していく。


ヴァルゴ国軍主力前衛部隊と距離が縮まる。


ヴァルゴ鉄器兵は(かぶと)から足先まで全て、重層の鉄の鎧を(まと)い、全員が徒歩(かち)である。


竜騎馬で疾走する、皇太子軍の速度に付いてこれるはずがない、、、


はずなのに、ヴァルゴ国軍の前衛の速度が一気に上がる。


ドゴドゴドゴドゴドゴ


鉄器兵の背中に背負っている、古代動力がうるさい音と共に、完全稼働状態になっているようだ。


耳をつんざくような、(ひど)い機械音が周囲一帯を包み込む。


皇太子軍本陣、リスティアード皇太子の隣に常に寄り添う美しき強き武神将は美麗な顔にしわを寄せて


「この酷い音は何とかなりませんかね」


身長2メートル、黄金の鎧で黄金の竜騎馬に騎乗する、権力に何も興味がない不敵なリスティアード皇太子が笑いながら答える。


「ヴァルゴ古代兵器興業国軍の主力だもの、前衛だけでこの音だから、古代動力の音が20万基稼働すれば、もっとすごい音になるんじゃない?」


冷静で冷徹(れいてつ)な印象を(まと)う、現在剣聖にして黒龍騎士団団長アルセイス武神将が静かにしかし、腹によく響く低い声で漆黒竜騎馬の騎乗から声を掛けてくる


「粗暴なあ奴の(げん)ではないが、とっとやっつけてしまえば済む事だな」


「そうね、珍しくあの野蛮人の気持ちがわかったわ」

華麗なる女性騎士は軽やかに答える。

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