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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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皇太子の怒号

パヴロ聖王国 聖王宮


聖王宮はパヴロ聖王国兵士の死体が、いまだ片付けられずあちらこちらで散乱していた。中には少数だが、ゼレイヤ黒魔術王国の兵士と(おぼ)しき、黒衣装束の兵士も捨て置かれていた。


()国王と王妃の亡骸(なきがら)も切り捨てられた状態のまま、無惨(むざん)に放置されていた。

 

血で汚れた玉座にはかつての竜王が一人、西海青竜王ウルグス。

現在ではヴァルゴ太古兵器興業国 国王が座す。


右隣には、同じくかつては竜王が一人、東海白竜王ベルフェム。透き通るほどに白い肌に男か女かわからない線の細い印象とは裏腹に水龍の牙と呼ばれる、水の真甦量がとてつもなく多く強者が(ゆる)やかに優美に(たたず)む。


左隣にはゼレイヤ黒魔術王国上級魔術師ルカが黒く深く輝く双方の以上の目で、何やら苦しそうに立っている。

血は止まっているが、ルカの右腕がない。


周囲にはゼレイヤ黒魔術王国の黒衣の兵士とヴァルゴ国軍兵士の異様な出で立ちが異端さを表していた。


鉄の塊で体全て作り変えたような、鈍い銀色の兵士が剣ではなく【銃】を携帯しており、背中には四角い動力の様な物を背負って顔も何も見えずヒトらしさが全く感じられなかった。


ウルグスがルカに向けて皮肉っぽく声を掛ける

「手ひどくやられたようだな、ルカよ」


ルカは黒く輝く目をさらに輝かしてくぐもった声で返す。

「黒鉄の騎士め、今度おうたら両手両足を引きちぎり暗黒海に沈めてくれる」


ウルグスはニヤリとかすかに口元を(ほころ)ばせ

「ルビリア聖王女を捕まえたのは、よくやったものよ」


「アースウェイグの皇太子は必ず、聖王女を取り返しにこの聖王宮に来るだろう、その時が奴ら目の最後よ」


ベルフェムは沈黙を守る。

「・・・・」


パヴロ聖王国東南方面 大陸街道


リスティアード皇太子軍は砂煙を巻き上げ、凄い速度で進軍を続ける。


レィリア・アストネージュ武神将が皇太子に向けて

「この先、聖王都に入る前に(ひら)けた、緑地帯が広がります。敵軍が集結しています。」


リスティアード皇太子は美しいレィリアの顔を見て

「数はどのくらい?」


レィリアは「約2万」「ゼレイヤ黒魔術王国軍と思われる黒装束の兵士が5千、残り1万5千がヴァルゴ国軍と思われます。」


「ただ、、、」


皇太子が聞き返す「ただ?」


レィリアは困ったように

「ヴァルゴ国軍の装備なのですが、何と言っていいか、、、鉄の塊で出来た兵士と巨大な馬車を鉄で作った攻撃兵器の様な物や今まで見た事ない兵器らしきものが多数混在しています。」


俺が目つき悪く睨みながら「あのうるせぇブンブン飛ぶ、鉄の馬みたいなやつか?」


レィリアが目を細めて

「感じは似てるけど、大きさや形がかなり違うのよ、、、」


「!!」


「リアード!!敵軍より発砲あり、飛翔体が多数こちらに向かって飛んできます。」


アルセイスが即応する

「私が参る」

ッと同時に、雷光と共に竜騎馬の騎乗より姿が消える。


リスティアード皇太子が大声で命令する。

「全軍突撃!!」


俺が怒鳴る「不死鳥騎士団が前衛に出る。大将は下がってくれ」


リアードが(うなず)く。


リューイが大声で指示を出す。

「不死鳥騎士団、【猛龍の陣】で前衛に出ます。土竜隊は防御準備!!」


空では、飛翔体が物凄い速度で火を噴きながら皇太子軍に向けて飛んでくる。


雷と共にいきなり空中に現れる、アルセイス武神将。

「参れ雷神!」


聖剣天地雷刃(てんちらいじん)黒晶一文字(こくしょういちもんじ)が答える。


(応!!)


アルセイスは左手を左腰に置く左手のひらより、剣の(つか)が出現する。


右手で出現した剣の柄を一気に引き抜く。


片刃直刀の漆黒聖剣が現われると同時に上空が真っ黒い雲で(おお)われる。


飛翔体が轟音と共に大量の死を(つつ)んで接近してくる。


ほんの一瞬の出来事だった。


飛翔体が聖剣が生んだ黒雲に入るや否や、黒雲より幾多の雷撃を受けて全て爆散する。


地上では赤髪を逆立て、獰猛に双方の目を赤くぎらつかせてランガードを先頭に不死鳥騎士団が猛進する。


大陸街道より開けた緑地に入った途端、ヴァルゴ軍は攻撃してきた。


轟音と共に大量の死を包み込んだ鉄の爆弾を不死鳥騎士団めがけて、何十発も攻撃してきた。


ドゴオオオン!!


リューイが叫ぶ「土竜隊、防壁を張って下さい!」


竜騎馬に(またが)りながら、ラウミ千竜騎士長やシュカ千竜騎士長たち土竜隊は全員一斉に目を閉じ、念ずる。


不死鳥騎士団の前方の緑地が突然地面より巨大な壁となりそそり立つ!


ヴァルゴ国軍の砲撃は全て、10メートル以上せりあがった地面が全て受けとめる。


ドンドンドン


しかし、緑地も一緒に吹き飛ぶ。


土煙(つちけむり)が舞い、視界が無くなる。


風が舞い、土煙を晴らしていく、土煙の中に赤く光る双方の目を輝かせ、2メートルある超長大剣を巨大な竜騎馬に(またが)る影がうっすらと見えてくる。


言わずと知れた、ランガード武神将である。


聖剣誉武号牙炎(よぶごうがえん)が炎を(まと)い高く高く(かか)げられている。


阿修羅丸に跨った、俺は牙炎を上段から一気に切り下げた。


業火と轟炎と衝撃波を伴い、地上にある有機物全てを吹き飛ばすかのようにヴァルゴ国軍に向かって聖剣誉武号牙炎(よぶごうがえん)は破壊と死を巨大な炎に包み込み襲い掛かる。


ゴオオオオオー!


2万の軍は一瞬で、衝撃波と炎によって焼き尽くされた。


「フン」と鼻息を鳴らす、俺だった。


不死鳥騎士団の中でも、聖剣誉武号牙炎(よぶごうがえん)の威力を初めて見た者達は開いた口が塞がらなかった、、、


「あ、あれが聖剣の威力、、、」


「す、凄い凄すぎる、、、」


リューイは「また、威力増したんじゃないんですかね」とつぶやく


レィリアは冷静に「相変わらず下品な戦い方ね」と批評する。


リスティアード皇太子が大声で「進軍、聖王都に入るよ敵の奇襲に備えて」ランガードが焼き払った野原を皇太子軍はついに聖王都に周囲を警戒しながら進入する。


リアードを先頭にゆっくりと聖王都内に入っていく。


そこで、皇太子軍が見た光景は驚くべきものであった。


文化と平和の象徴である、パヴロ聖王国 聖王都の入口に立つ愛を(つかさど)る女神イリスの像は無惨に破壊され、季節によって可憐な花を沢山、咲き誇る平和公園は跡形もなく荒れ果てた状態になっていた。


惨状(さんじょう)を目の辺りにしながら、聖王都の市街地に入っていく皇太子軍、、、、


市街地に入ると、更に驚くべき事が、、、


先頭を行く、リスティアード皇太子が双方の目を大きく見開く、後に続くレィリア、アルセイスも言葉を失う。


パヴロ聖王都には100万人以上の老若男女が暮らしていた。


その全てが、、、


無惨にも虐殺(ぎゃくさつ)されていた、、、


ほとんどが、太古より復活させた大量破壊兵器による砲撃によるものと思われる。


死体の損壊(そんかい)が激しい上に、建物の破壊が多い。

 

レィリアが思わず声を振り絞る

「そんな、、、」


アルセイスが小さな声で「どうりで、人質にしなかったわけだ、、、」


リスティアード皇太子の体全身が(まばゆ)いばかりに光り輝いていた。


双方の目は白く光り輝き【怒り】を表していた。

耳を貫き、大波の様に激しい怒声をリスティアード皇太子が叫ぶ!


『許さんぞ!ウルグス!貴様だけは絶対許さない!!』


ビリビリビリ


空気が大きく強く激しく震える。


俺やリューイ位の真甦を持ってる者は耐えられたが、多数竜騎馬もろとも吹き飛ばされる者がいた、、、


パヴロ聖王宮に陣取る、ウルグス率いる連合軍。


ウルグス ヴァルゴ国国王が座す、玉座の窓ガラス全てがいきなり、割れて吹き飛ぶ!!


バリン!バリン!バリン!


思わず、叫ぶウルグス


「な、何事だ、、、」


ベルファムが静かに高音の声で

「リスティアード皇太子です。聖王都に入りあれを見たのでしょう、、、」


ウルグスが動揺して叫ぶ

「市街地からこの王宮迄どのくらい距離があると思っているんだ、化け物か奴は!!」


ベルファムは変わらず静かに

「それが、四海聖竜王の【力】です。」


ウルグスが考え込む様に押し黙る

「・・・・・・」

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