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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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ツバァイス・カーゼナル男爵

ムライ村から帰って来た俺達は不死鳥騎士団城に深夜遅くに到着した。


農作業も一日やると結構疲れるもので、皆直ぐにそれぞれの部屋に戻り、就寝した。


シュシィス・スセイン氷結の女王は頬を赤らめ「少し、飲み物をいただいてもよろしいですか?」といい

俺の部屋に入ってきた。


俺は「今日は楽しかたなぁ~」と言い、シュスの方に向き直るとシュスは小さな唇を俺の唇に押し付けてきた。


俺はシュスの細い腰をギュッと抱き寄せ、熱く長く口付けをかわす。


俺は「シュス、、、」とシュスの耳元で小声に言う。


そのまま、二人は俺のベッドに倒れ込む、、、



朝、起きると横に一糸まとわぬシュスの銀髪を広げて横になる俺の女神。


抜群の体型、、、キュッとしまった腰に長い手足、細く長い首細身の体型の割には豊満な胸と小さな桃の様なお尻。


この世の者では無いような美しさであった。


シュスは起き上がり裸のまま、俺の分もお茶を入れベッドまで持ってきて一緒にお茶をすする。


そっと寄りかかる銀麗の美女。


時が止まったような幸せな時間であった。

このまま、永遠でありたいと思う俺だったが、現実はそうもいかず、リューイが真魂交神で

(そろそろ、勤務時間ですけど、、、僕は先に執務室に言ってますね、、、)


っと、完全にシュスと一緒に居るのがばれている事が感じ取れる、、、


リューイの心から伝わってきた。


幸福な時間は長くは続かず、俺は急いで服を着てシュスに軽く唇をシュスの小さな唇に重ねる。


シュスは頬を赤らめ「行ってらっしゃいませ」とシーツを体に纏い(まとい)玄関まで送ってくれた。


俺はいつもの様に深紅の鎧に大剣を腰から下げて、とても武神将とは見えない姿で不死鳥騎士団の執務室に向かった。


扉を開ける。


リューイが目を合わせず「おはようございます」と事務的に話してくる。


(こういう時は逆らっちゃダメなんだよな、、、)


俺は「リューイ、今日の昼飯は俺がおごるから町に出てうまいもんでも食おうぜ」と明るく話しかける。


リューイは相変わらず事務的に「もので釣ろうとしても駄目ですよ」


「でも、お昼ご飯はご馳走になりましょう。」

(おっ、ちょっとは気分良くなった?)


ーそして、お昼時ー


俺とリューイは帝都アーセサスの中央通りをうまい店を探しながら歩いていた。


リューイが「値段に糸目は付けませんよね」


俺は「ああ、好きなもん好きなだけ食っていいぞ」


リューイの気分が良くなり、二人で歩いていると、周りが騒がしくなる、、、


俺が「何かあったのか?」と周りを見て騒がしさの原因を探す。


っと、、、


驚きの姿が二人の目の前に入って来る。


アーセサスの中央大通りのお昼時である。人ごみも多く賑わいあう時間帯である。


馬車、、、と思われるもの(・・)が中央大通りの真ん中を通り過ぎていく。


(ざわ)めきの原因は、その高級そうな馬車の異様さであった。


異様な馬車は箱方ではなく屋根の着いていない、貴族が愛用する豪華な馬車だった。


乗っているのは若い貴族の男一人だけであった。


異様なのは、馬車を引くのが馬ではなく10人のうら若い美少女達であったからである。


しかも少女達はまともな服は身に着けておらず、ほとんど裸同然であった。


俺は少女たちをじっと見つめる。

「リューイ、あの先頭の少女は【火の民】じゃねぇか?」


リューイは険しい顔をして「ええ、氏族出のたしか、、、ハナ・リッツと言いましたか、前にアーセサスに行くと炎元郷を出て行ったのは憶えています。」


俺は馬車の前に立ちはだかり両手を広げた。


馬車はゆっくりと止まった。


馬車に乗っていた、若い男の貴族が大声で俺にわめきたてる。

「貴様、吾輩の馬車の前に立つとはなんと無礼な奴じゃ」


俺はすぐさま馬車に飛び乗り、若い貴族に平手打ちをかます。


パン!!


「ぶ、無礼者、吾輩を何者と思っておるのだ!!」


パン!


叫ぶ男にもう一度俺は平手打ちをかます。


「き、貴様こ、この様な事してた、ただで済むと、、」


パン!


三度響き渡る、平手打ちの音。貴族の男の頬はパンパンに膨れ上がっていた。


崩れ落ちる貴族の男、「わ、吾輩はツヴァイス・カーゼナル男爵である。こ、この様な無礼を許さぬぞ。」


「お、お前は何者だ!」


俺は冷たく冷ややかに「俺はランガード」


そこに馬に乗った兵士が20名程現われる。


パカ パカ パカ


どうやら、この馬鹿貴族の護衛らしい


隊長らしい兵士が馬上から俺に向かって

「貴様、そのお方がどなたか分かっての狼藉か!」


俺は憮然(ぶぜん)として「知らねぇな」言い捨てる。


隊長は「そのお方は、ツヴァイス・カーゼナル男爵様であられるぞ!」


俺は冷たく低い声で「だからなんだ?」獰猛に隊長を見据える。


迫力に押された隊長は周りにいた兵に向かって

「このぶ、無礼者をひっとらえよ!!」


20名程の兵士が剣を抜き放ち、俺に襲いかかってくる。


帝都アーセサスの中央通りのお昼時、大勢の民間人は緊張した面持ちで成り行きを見ていた。


20名が剣を抜き放ち俺に襲いかかってくる。


勿論(もちろん)、リューイは何もしようとしない。


俺も、剣も抜かず真甦(まそ)も使わず、体術だけで兵士20名を一瞬で倒し制圧した。


そこへ


ドカ ドカ ドカ


竜騎馬に乗った金獅子近衛騎士団が10名が騒ぎを聞きつけやってくる。


近衛騎士団は俺を見ると、直ぐに竜騎馬より降り騎士の礼を取る。


十竜騎士長らしい、騎士が尋ねてくる。


「ランガード武神将閣下、この騒動は如何されましたか?」


ツヴァイス・カーゼナル男爵と兵士隊長が驚く。


「武神将、、、」


リューイが保護した少女達を近衛騎士団に見せて状況を説明する。


近衛騎士団の隊長は「わかりました。(しか)るべき機関に報告いたし対処いたします。」


「そんなんじゃ、駄目だな」俺は馬車に乗り込み、なんとか男爵の胸ぐらを(つか)み上げ、「おめぇの家に案内してもらおうか!」


近衛騎士には少女達の保護を頼み、道端にのびている(・・・・・)兵士達の処理と趣味の悪い馬車の処分も頼んだ。


近衛騎士は(こころよ)く引き受けてくれた。


俺はリューイとツヴァイス・カーゼナル男爵を連れて男爵邸に乗り込んだ。


男爵邸はアーセサスの東方、中流貴族たちが住まう高級住宅街に建てられていた。

広さは一般庶民ではとても立てられない広さであったが、伯爵家や侯爵家、公爵家と比べるとそれほど広いとは言えなかった。


召使(めしつかい)やら、執事やら警備の責任者やらいろいろ出てきたが、すべて無視して、男爵を引きずりながら奥へ奥へと入っていく。


まず初めに俺が確認したのは、奴隷化されてる人間が他にいないかどうかだった。


どうやら、奴隷化されてる者はいないと分かると、次にこの屋敷の使用人の様子を伺った。


(・・・・・・・)


使用人は一様にこの男爵を恐れている様子が(うかが)えた。


その時、奥の間から年老いたしわがれた声で

「孫が、ご迷惑をおかけいたしましたかな?」


老齢だが、背筋もピンとした白髪(はくはつ)白髭(しろひげ)矍鑠(かくしゃく)とした杖を突いた、品のある老貴族であった。


ツヴァイス・カーゼナル男爵が泣きじゃくりながら

「おじい様、こいつらが僕の大事な奴隷を取り上げて、僕に対して暴力を振るったんだよ、死刑にしてよ!!」


老貴族は静かに落ち着いた様子で「私は前々カーゼナル男爵を務めておりました、ライクルと申します。」


「俺はランガード武神将、こっちはリューイ准将だ」


老貴族は目を細め「ランガード武神将閣下、今アーセサスでは一番の人気者でございますな、、、孫が失礼を働きましたか、、、」


俺は声を普通にして

「あんたは、普通の人間の様だが、このクソったれの孫はどうなってんだ?」

「年端も行かない少女達を奴隷扱いして、人間を物のように扱いやがる。あんたがまだまとも(・・・)そうだから、生かしてやっているが、あんたがいなきゃ消し炭にしてる所だぜ」


「・・・・・少々、話が長くなります故、どうぞ奥の間にお越しください。(ささ)やかですが、お茶でも入れます(ゆえ)」老貴族は奥に案内しようとしたが


俺は「ここで構わねぇよ」冷たく言い放つ。


老貴族は(あらが)わず「左様でございますれば、お話させていただきとうございます。」


「この、ツヴァイス・カーゼナルの両親はツヴァイスがまだ幼子だった頃に領地を夫婦で視察している時に事故で両親を亡くしましての、、、」


「カーゼナル家の跡取りはツヴァイス一人しかおりませなんだ、それ故甘やかしし過ぎた様で、この様な事になってしまいました。」


面目次第(めんもくしだい)もございませぬ」


俺は呆れて「親がいねぇのはこいつだけじゃねぇんだよ」

「甘ったれんのもいい加減にしやがれってんだ!!」

「まして、領地を持つ貴族であれば、人の模範(もはん)となるべき者が、こんなクソじゃ領民が可哀想だぜ!」


老貴族は「ごもっともなおっしゃり様でございますれば、この年寄りの最後の願いをかなえてはもらえませぬでしょうか?ランガード武神将閣下。」


俺は「なんでぇ」ぶっきらぼうに答える。


老齢な元貴族ははっきりと言い切る

「ツヴァイスを一人前の男に叩き直していただけませんか?」


「俺がか?」


老人は決意のこもった目を(ひらめ)かせ

「はい、ランガード武神将閣下にこの年寄り今生最後のお頼み事でございます。」


俺はライクル老貴族の決意のこもった目をじっと見据えた。

「・・・・」


「俺が、このクソったれを叩き直すとすると、こいつは死ぬかもしれねぇぞ、そうしたら後継ぎ云々もなくなるぞ」


老貴族は決意こもった顔で


「かまいませぬ。」


「このまま、爵位を持ち続ければ、閣下の(おっしゃ)る通り、領民を不幸にしてしまいます。」


「それならば、カーゼナル家の血筋が途絶えようと致しからぬ事。どうか、お聞き入れください。」


「・・・・・・」

こんな展開になるとは、正直思っていなかったので、どうするか悩んでいるとリューイが放り込んできた。


「シュシィス・スセイン様といちゃいちゃしていた事はリスティアード皇太子殿下には内緒にしておきますので、引き受けたらどうです?」


「帝国の為にもなりますよ」


(この野郎~上官を強請(ゆす)りやがる)










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