表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
64/173

宮廷酒場

宮廷か抜け出した一行の前に立ちはだかるは鬼の形相で仁王立ちする、、、

帝都アーセサスの中央大通りの端に近く、一軒横に入った酒場に俺達4人は程よく酔っぱらいながら、他人には聞かせられない話をしていた。


上座に座るのはリスティアード・ローベルム・アルヴェス・アースウェイグ皇太子殿下。


右横に俺とシュシィス・スセイン氷結の女王が並んで座り。


左側にリューイが一人で座っていた。


珍しく真顔でイケメン王子がシュスに向かって

「君も、僕の事を四海聖竜王と呼んだね。」


シュスが小さい口ではっきりと「はい」と答えた。


「やっぱりそう感じたの?」皇太子は優しそうに微笑みながら尋ねる。


ちょっと考えて、、、しばし間が空く


「そう感じたとしか、申し上げられません、、、」


その答えとは正反対に笑いながら皇太子は美しい金色の目を細めて簡単に大切なことを述べる。


「君とランガードは【神の時代】でも夫婦だったんだよ」


「「「!!!」」」


(マジか!とんでもねぇもん、放り込んできたぜ!)


シュスだけ少しわからない様子だったが、、、後で酒のせいにしようと思っていたら、、、


リスティアード皇太子がにこりともしないで告げる。

「シュスは神の生まれ変わりなんだ。僕たちもね。」

(2発目の爆弾投下!)


リスティアード皇太子が以前、俺とリューイとメイラに話した内容と同じ事を大分省略してシュスに話して聞かせた。


シュスは聞き終わり


「今は、なんとお答えしていいかわかりませんが、前でも(・・・)ランガードと夫婦であったと言う事はとても嬉しく思います。」


目をうつ伏せ、恥じらいながら言う姿が可愛いと感じてしまう、、、


リスティアード皇太子が3発目の爆弾を放り込む。

「だからね、一日も早くランガードの後継者を生んで欲しいんだ!」


「な、なっ、!!」言葉に詰まる俺、、、


手の先まで真っ赤になってつぶやく「がんばります、、、」

(な、何を頑張るの、、、)


リューイ「・・・・・・・」


王子が「それじゃ次の店に行こう!なんか騒げるところが良いね!」


直ぐにリューイが店主にそれらしいお店が何処にあるか聞いてくる。


もちろんチップもはずんで会計も済まして中央大通りをほろ酔い気分で歩く一行。


通りを歩いてると、この一団はとにかく目立つ。


長身細身の美男美女であるばかりか、あふれ出る気品、際立つ颯爽(さっそう)とした仕草。


時刻も完全に夜になっており、酔っぱらいも多く歩いているが、通り過ぎる皆が、振り返る。


(この集団は目立ちすぎでしょう)リューイが一応周りを警戒する。


教えてもらった店までは徒歩で、10分も掛からなくすぐに見つかった。

外にも音楽が聞こえてきて、騒がしさが伝わってくるからだ。


リスティアード皇太子が「宮廷の舞踏会と違って、なんかわくわくするんだよね~」


っと、入り口に


「!!!」


レィリアが普段着で、腕組みして仁王立ちしていた。


普段着とはいえ伯爵家の御令嬢だ。

庶民が切るような服ではもちろんなかった。真っ白なブラウスに黒い細身のズボン。まさに男装の麗人。


女性らしさを際立たせているのが、キュッとしまった腰と細くて長い手足に豪奢な金髪が真っすぐ背中に流れている様子が一層女性らしさを誇らしげに強調していた。


正体が、近衛の騎士団長と思う人は居ないだろう、、、


俺はくるりと向きを変えて立ち去ろうとする。


首の(えり)をガシッと捕まれ逃げられなくなる。


「逃げるな!怒りませんよ。」


レィリアは俺にドスの利いた声で俺だけに聞こえるように言う。


「どうせ、宮廷を出るなら私にもひと声かけていけ!!」


俺は焦りながら


「いや、そんなこと言ったら殺されるだろう、、、良くここがわかったな、、、」


レィリアは俺の襟首をつかみながら顔を近づけてきて、俺にだけ聞こえるように話す。


「アーセサスにいる限り、私からは何処にも逃げられないんだよ。」


(精霊さんのおかげですね~、ほんと怖いから勘弁して、、、)


リスティアード皇太子が「すまないね、レィリア。僕がみんなを誘ったんだ。」


溜息を吐きながら「リアードはこいつがアースウェイグ帝国に来てから随分、御変わりになられた。」俺のせいだよって感じで(にら)みつける。


シュスが上品にそして華麗にお辞儀をする。


「精霊女王様、お会いできて光栄でございます。」


レィリアはにっこり微笑み「私もですよ、氷結の女王。」

(俺だけなんか違わねぇ、、、)


皇太子が「せっかくだから、レィリアも一緒にどうかな?」


「よろこんで、お供させていただきます。」

(へ~許してくれんだ、、、)


っと、そこに後ろ回し蹴りが軽やかにそして華麗に飛んでくる。


俺は少し顔をずらして、レィリアの蹴りをかわす。


「ふん、上達しましたね」と言いながら(にぎ)やかな店内に入っていく。


俺は「ふぅ~」と息を吐く。


リューイが「今のよくかわせましたね、僕には見切れませんでしたよ。」


「俺も見えなかった、ただ感じたんだよ。顔を後方にずらせば避けれるってな」


「族長も強くなっているんですね!」


「黒曜天宮は化け物屋敷だかんな」俺はシュスの手を取り中に入った。


中に入ると、リアードとレィリアが広間で踊っていた。

実に絵になるカップルだ。


周りにいる客も踊るのをやめて、二人を見ている。

店内中央で人ごみに囲まれながら、華麗に踊り続ける、、、


「素敵ですね、皆さんとても気持ちがいい人ばかりです。」

シュスが嬉しそうに話す。


「私もアーセサスに住もうかしら?」

(いや、それはダメでしょ。)


リューイが「今なら不死鳥騎士団の居城にお部屋を作れますよ」ニヤッと俺に向かって笑う良くできた副官。


「まぁ、それじゃそうしましょうかしら」


「待て、待て、人の城を勝手に作り替えんじゃねぇよ」

「それにシュスには守らなきゃならねぇもんがあるだろうが!」


リスティアード皇太子がレィリアと踊りから帰ってきた。

「それは大丈夫だと思うよ、氷結の村には砦を作り兵士を常駐させるから、砦の城主にシュスの代理をさせればいいんじゃないかな?」

(やめてよ、人の事追い込んで楽しんでるでしょあんた、、、)


「まぁ、それはとても素晴らしいお話ですわ」シュスは満面の笑みを浮かべて、うるんだ瞳で俺を見る。

(そんな、目をしたってダメだって、、、)


レィリアがダメ押しで


「決まりだな、あきらめろ!」


言い捨てる。


(・・・・・・・)


リアードがシュスに声を掛け右手を差し出す。「僕と踊ってもらえますか?」俺に横眼を向けていいよねって感じでウィンクしてくる。


何をしてもかっこが付く奴は得だよなぁ~


シュスが「喜んで」と微笑み広間に出て行く。


レィリアが「シュスがお前を選んだ理由が私にはわからん!」

(そんな事ないでしょ、、、っと思う、、、)


「黒曜天宮で暮らすとなれば、お前よりいい男は山ほどいる。せいぜい取られないようにするんだな。」

(声が低いって、、、こえぇから、、、自分の心配もした方がよくねぇ?なんてぜってぇ言えねぇな)


「あなた、今よからぬことを考えましたね」

(なになに、精霊って人の心も読めるの?)


「相手が決まったからって、いい気になってんじゃないわよ!」


「はいはい」


「はいは一回」


「は・い」

(このくだり何回やってる?)


「私はまだ何も飲んでいないのよ、気が利かないわね麦酒を持っておいで、でかくて 赤い うるさいの!」

(へいへい)立ち上がり麦酒を注文に行く。


レィリアはリューイに向かって優し気に

「調子はどう?」


リューイはちょっと緊張したように

「力は間違いなく強くなりましたが、溺れる様な事はありません。ご心配には及びません。」

「それに、族長の方がはるかに強いですからね、僕が変な事したらそれこそ殺されます。」


レィリアにっこり微笑み

「そうですか、それはよかったです。あの赤い猿もあなたのような忠臣がいれば大丈夫ですね」


「はい!!」


「ほい、お待ち同様」と言い、麦酒を片手に5杯のジョッキを両手で合計10杯運んで来たランガード。


レィリアは「・・・・・・・・」


一気に次から次に飲み干す。飲み干す。飲み干す。飲み干す。


リアードとシュスが踊って帰って来た時にはカラのジョッキが10杯、、、、


リアードが心配して「一気に飲んだの?」


レィリアは「なんかもんられもありますか~」

(やばいこいつ酒癖悪そうだ、、、)


逃げようとする俺を捕まえて「おいサル!」

「はい!なんでしょう?」俺は逆わらず即座に答える。


顔が真っ赤になって目がとろんとしてきたレィリアが

「おまうぁえはしあわせもんだろ~、シュスを大事にしろよ~」


コテンとそのまま寝てしまう。


「あれあれこんなレィリアは珍しいね」と言いながらお姫様抱っこして連れて帰る。

リスティアード・ローベルム・アルヴェス・アースウェイグ皇太子はどんな時も紳士である。


俺とリューイは目を合わせホッとする。

「俺達も帰るべ」リューイの肩に手を乗せシュスに手を伸ばして言う。


「皇太子殿下の護衛は良いんですか?」ニッコリ笑いながら俺の方を向いて言う。


「大将を殺せる奴は、このアーセサスにはいねぇよ。」


「わかりました」言葉と同時に姿が掻き消える(かききえる)三人。


自分のベッドに戻り、体を投げ出し横になる。真魂交神でメイラを呼んでみる。


(メイラ、、、)


(ほど)なく念が帰って来た。(、、、、先ほどは失礼しました、、、)


(大丈夫か?)


(はい、、、私は不死鳥騎士団治癒部隊隊長ですから傷や(やまい)を治すのが私の仕事ですから、、、)


(自分の心の傷を治すのは、、、初めてですが、、、)


(すまねぇな、、、こんな事になっちまってよ、、、)


(なんで、ランさんが謝るんですか?シュスさんは美人で誇り高く(ほこりたかく)とても素晴らしい方ですよ。もっと、自慢して良いんですよ、、、)


(すまん、、、)


(謝らなくていいんですよ、これからも私は不死鳥騎士団で頑張りますから、団長さんがそんな弱気じゃダメですよ)


(お前は優しいな、、、)


(明日からもよろしくお願いしますね、、、団長さん)


(ああ、こちらこそな)


そして、真魂交神を切って、メイラの心と通じ合って感じ取った心地で眠りに付いた。


悲しい 悲しい 気持ち、、、


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ