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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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真甦の意味

炎元郷に帰省した、一行はリスティアード皇太子から意外な話を聞くことに、、、

炎元郷に帰省した、俺達は想像以上の大歓迎を受けた。

炎元郷に入る前から、氏族達3万人以上が出迎えていた。


(今日帰るとは言ったが、何時とか言ってないのにこいつらずっと待っていたのか?)


感慨深(かんがいぶか)げに嵐・守護(らん・がーど)は目を閉じ感じ入っていた。


竜・威(りゅう・い)がよく通る大きな声で叫ぶ。

「道を開けて下さい!」


ザザッと人の波が二つに割れた。


嵐・守護(らん・がーど)は片手を上げながら阿修羅丸に(またが)り、氏族皆の掛け声に答えていた。


竜騎馬の中でも更に大きな阿修羅丸に乗騎した、長身の嵐・守護(らん・がーど)は深紅の鎧に武神将を表す深紅の|外套《がいとう》を羽織った姿は、やはり絵になる。


3万人の【火の民】氏族達は興奮し大歓声で族長を迎えた。

続いてリスティアード皇太子殿下、竜・威(りゅう・い)が徒歩で続く。


皇太子殿下が竜・威(りゅう・い)に微笑みながら「嵐・守護(らん・がーど)は凄い人気だねぇ~」


「戦い続きでしたから、、、しかも全戦全勝、しまいにはアースウェイグ帝国騎士団団長としての帰省ですから、皆が興奮するのも無理ございません。」


この炎元郷ではリスティアード皇太子殿下より人気があるかもしれない、、、、とは口が裂けても言えない。


炎元郷に入ると、これまた凄い事になっており、身動きできない程、人で(あふ)れかえっていた。


族長信牙・凱(しんが・がい)が先頭で族長一行を出迎えた。

「おかえりなさいませ、嵐・守護(らん・がーど)族長」


(らん)は上機嫌で、「よう、信賀(しんが)留守の守りご苦労様だったな」長老は嬉しそうに白い太い眉を(ほころ)ばし、目が見えなくなっていた。


俺は!

「そうだ、こっちにいる背のでかいのはリスティアード皇太子殿下だ。」


「「「「「エッ!!」」」」


ざざざ~と平伏する、【火の民】一同、、、、


リスティアード皇太子殿下が微笑みながら「みんな~そんなに気を使わないでおくれよ~いつもと一緒で構わないよ~」などとよく通る声でおっしゃる。


信牙・凱(しんが・がい)が代表して、「リスティアード皇太子殿下、よくぞこの【炎元郷】にいらっしゃいました。心より歓迎いたします。」


皇太子は「よろしくね~」ってな感じで微笑んでいる。


気の利く竜・威(りゅう・い)がここでまた、ひと声。

「皆の気持ちもわかりますが、皇太子殿下はお疲れです。一度解散して下さい。」

(しばら)く、炎元郷にいますので、皆は普通の生活に戻って下さい。」


炎元郷における竜・威(りゅう・い)の一言は大きな影響力を持つ。

曽祖父が族長であった事もあるだろうが、族長不在の間炎元郷を守って来たのは竜・威(りゅう・い)采配(さいはい)による所が大きい。


長老がひとまず、新築した。新族長の家に一同を案内した。

(らん)が「すげぇ、綺麗(きれい)じゃねぇか!」


すかさず「誰とは言いませんが、綺麗(きれい)に燃やしてくれたおかげですよ」竜・威(りゅう・い)の突っ込みが入る。


いつもの雰囲気だ。リラックスしてる証拠だ。


(らん)さん、メイラです。準備整いました。)

「王子!メイラを呼んでいいか?」

「うん、よろしく頼むよ~」


(メイラ、召喚するぞ)

(はい)

言霊を唱える「我、嵐・守護(らん・がーど)はメラの村聖なる巫女メイラをここに召喚する。」(らん)の体が一瞬、赤く輝く。


(らん)のすぐ前に突然、巫女装束をした。メイラが現われる。


「無理言って、わりぃなメイラ」


「大丈夫ですよ、(らん)さん四海聖竜王様のお呼びをお断りする事は出来ませんから」


竜・威(りゅう・い)が「先だっては、僕の命を助けて頂いてありがとうございます。」お辞儀をする。


「お元気になられて、何よりです。私だけでなくあの場にいた皆さんのおかげです。」

竜・威(りゅう・い)さんにはきっとまだしなければならない事があるのだと思いますよ」


リスティアード皇太子殿下が真顔で「託宣(たくせん)ですか?」


メイラはうつむき「そう感じた、だけでございます、、、」


リスティアード皇太子は言葉を続けた。

「メイラや竜・威(りゅう・い)君は僕の事を四海聖竜王と呼ぶけど、どうして?」真顔で聞いてくる。


竜・威(りゅう・い)が始めに答える「そう感じるとしか申し上げようがないのですが、皇太子殿下の【天の真甦】を感じた時に自然に言葉に出ました。」


「私もです。四海聖竜王様とお会いした事も無いのですけど、リスティアード皇太子殿下にお会いした時に感じました。」


皇太子は真顔のまま「アルセイスの事を【黒鋼の黒騎士】と言ったり、レィリアの事も【精霊女王】と呼んだのは同じく感じたからかな?」


「「はい、、、」」2人(そろ)って、返事が重なる。


竜・威(りゅう・い)君、長老殿に言ってしばらくこの家に誰も近づけないように言ってくれる?」


「???」「はいわかりました。」すっと立ち上がり、表まで出て行く。


竜・威(りゅう・い)が帰ってくる間、誰も喋る者はいなかった。


俺は何かいつもの皇太子らしくないのを(いぶか)しみながらも何も言わなかった。


竜・威(りゅう・い)が帰ってきて「大丈夫です。この家の近くにはもう誰もおりません。」


「ありがとう、真甦って本当の意味はわかるかな?」

(らん)竜・威(りゅう・い)君が体から火を吐きだすのは普通の人間には無理な事だよね」

「不思議に思ったことはない?」


嵐・守護(らん・がーど)が声を少し大きくして「思うぜ!昔からだ、俺にはどうしてこんな力があるのか不思議でたまらなかった!」


竜・威(りゅう・い)は「僕は【火の民】で生まれましたから、周りも皆、普通に炎を使っていましたからね、ごく自然にこういう物だと思ってました。」


「でも、そう言われると、確かに不思議な力ですね、、、しかも個人差がとても大きいです。」


リスティアード皇太子は真面目な顔のまま、(いつもこの顔してりゃ威厳(いげん)も感じるのによ)

「その昔の神話は君達も聞き及ぶ事があると思うけど、、、」


(らん)が「竜・威(りゅう・い)が前に話してくれた天帝皇王様を守る四海聖竜王と4人の竜王の話だろ」


「そう、その神話だけど、あれは実話なんだ」


「「「!!!」」」


ゆっくり間をおいて皇太子は話し続ける

「天地創造の天帝皇王様は神の頂点におられるお方なんだけど、まるっきり戦うのはダメな方でね、天帝皇王様をお守りするのが神々の軍神を統べる四海聖竜王、、、つまり僕の事なんだけどね」


「「「!!!」」」


「天帝皇王様は天地をお造りになり、草や木、人を含む生き物を創造された。唯一創造されなかったのが【魔界】の生物たち、、、」


「その隙を突き、別の世界から悪しき神が【魔界】を作った。」


「必然的に、天地の神々、僕の事ね、と異世界から侵略をたくらむ【魔界】に住まう魔物との間で大きな戦が起こったんだ。」


「天地の神々は必至で人間を守り、魔物と戦い何とか勝利する事が出来た。天軍はそれでもほとんどの仲間を失った。」


「魔界は滅ぼし消滅させる事が出来たんだけど」


「とてもお(なげき)きになられた天帝皇王様は残った神と傷つき倒れた全ての神々とご自身を、人間に生まれ変わらせたんだよ」


「【真甦】とは(まこと)の姿に(よみがえ)る力の源の事なんだよ」


「「「!!!」」」


ここで、やっと嵐・守護(らん・がーど)が言葉をはさむ。

「じゃ、俺は神様の生まれ変わりって事なのか?」


「そうだよ。神の時の記憶があるのは今の所、僕だけみたいだけどね、、、」


「はっはっはっはー」

(らん)がいきなり大声で笑いだした。


「俺は自分の親も知らねぇ、こんな力もどうしてあるのかわかわらなくて、不安で仕方なかったがそれが神様の生まれ変わりだと聞いてすっきりしたよ!!」


竜・威(りゅう・い)が「そんな簡単に割り切れると良いんですが、こういう時の族長は正直(うらや)ましいです。」


皇太子が目線をメイラに向けて

「そして、メラの村聖なる巫女、貴方も神の生まれ変わりだ」


メイラは目を大きく開き

「わ、私もですか、、、」


「君は治癒の神アスラス女神、本人そのものだよ。戦闘には向いていないけど、戦場ではいつも後方で傷ついた軍神に治癒を(ほどこ)していたんだよ」


竜・威(りゅう・い)が「!!」「それでは天帝皇王様はどなたなのですか?」


リスティアード皇太子は一拍間をおいて「実は最近までわからなかったんだけど、(らん)誰だかわかる?」


嵐・守護(らん・がーど)はしばし考え「!!」「まさか、、、」


「そう、ミハム・アストネージュだよ」


「君が命懸けで助けてくれたおかげで、わかったんだ」


「本人はまだ、覚醒してないみたいだけどね」


皇太子はにこりともせず淡々と「ミハムと僕がアースウェイグ帝国に生まれ変わったから、他の軍神、神々もほとんどアースウェイグ帝国に生まれ変わったんだ。」


「真甦を持っている者は全て神々の生まれ変わりだよ。」


(らん)が「それで、この話を俺達にしたって事は他に誰が知っているんだ?」


リスティアード皇太子は「アルセイスとレィリアだけだよ」


(らん)が思い出したように「だから、聖剣誉武号牙炎・(よぶごうがえん)を初めて見た時に挨拶(あいさつ)していたのか」


「そうだよ、聖剣は元々四海竜王の4人が持っていた神具で、僕が作り出したものでもあるからね」


とんでもないことを平気でのたまうこの方の癖は、何とかならんのかね


「ところでね、ここから本題なんだけど、、、」

リスティアード皇太子が怖い顔でジッと俺の顔を見る。


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