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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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アースウェイグ帝国第13帝国騎士団新設

新しき武神将誕生。まだまだ波乱の予想が続く、、、

リスティアード・ローベルム・アルヴェス・アースウェイグ皇太子殿下は朗々(ろうろう)と話し続ける。


「そして、その第13帝国騎士団団長に【火の民】が族長嵐・守護(らん・がーど)殿を推挙(すいきょ)いたします。」


俺は嫌な顔して(このたぬき王子、またとんでもねぇこと言い始めやがった、、、)


第87代アースウェイグ帝国皇帝は横にいる国務長官に尋ねる。

「卿の意見はどうか?」


国務長官はいぶし銀のような長髪を後ろでひとつにまとめ、髪を揺らしながら「大変よろしい、事と存じます。」


皇帝は次に「財務長官の意見はどうか?」


指名を受けた、財務長官は高級文官が並ぶ、最前列にいる、高位貴族の出で立ち(いでたち)のやや太った眼鏡をかけた壮年の男性だった。

「財務的には、我帝国は作物も豊作続きで、大きな災害も近年ございませんから大変潤沢(じゅんたく)であります。」


「また此度の戦果も豊富にありますので、何の問題もないと存じます。」


皇帝は「ならば、詳細は検討していくとして、13帝国騎士団の創設は許可いたそう」


「団長任命の件も、余は皇太子の意見に依存(いぞん)は無いが、皆はどうじゃ?」


再び国務長官が「彼の者(かのもの)、此度の活躍は武神将昇進に問題無き事かと存じます。また、皇太子殿下のご提案であれば、貴族出の武神将より平民出の武神将が適任と重ねて存じ上げます。」


皇帝陛下が(りん)(ひび)き渡る声で

「告げる。嵐・守護(らん・がーど)殿をアースウェイグ帝国皇帝の名に置き、第13帝国騎士団 団長に任ずる。」


俺は(あのくそ王子に、またやられた~)と痛感する。

アルセイスは(礼と品格は直させねばならぬな)などと思考する。

レィリアは無言・・・・


リスティアード皇太子殿下が続けて

「では、新しき第13帝国騎士団の名前は【灼熱(しゃくねつ)不死鳥騎士団】(ふぇにっくすきしだん)でどうでしょう?」


「また、居城は皇弟宮後に作られては如何(いかが)ですかな?」


皇帝陛下は上機嫌で「灼熱の不死鳥騎士団、良い名であるな。嵐・守護(らん・がーど)殿にはちょうど良き名であるな。」


「居城も皇弟宮の跡地(あとち)に建てるのは良いであろう。」


「詳細は担当官と詰めるがよい」


皇太子は「はっ」と答え、お辞儀をした状態で横目で俺を見てウィンクしやがった。


(このクソ王子~また、はめられたよ~)


この大ニュースは直ぐに帝国中に知れ渡る事となり、アースウェイグ帝国中を駆け巡った。


勿論(もちろん)【火の民】が炎元郷にも知れ渡る事となり、村中大騒ぎである。長老の信賀(しんが)などはそのまま()ってしまうのではないかと思うほど興奮していた。

紅蓮の戦士達は新しき騎士団への入団希望者が後を絶たない。


そして、アースウェイグ帝国の平民達の中にも、活気が沸き自分も出世して帝国騎士として貴族の仲間入りをするんだという夢を与える事になった。


一つの騎士団が創設されるとなると巨額の金が動く。

城を作り、内装を造作し、剣や鎧を(そろ)え、維持管理する為の人材を民間から雇い入れる。


お金は掛かるが、民間にお金が流れ、民も喜び、結局税収益も上がり、結果として経済は(うるお)う事になる。


アースウェイグ帝国は更に強国として力強さを増したのであった。


それから2日後


嵐・守護(らん・がーど)達が仮の居場所として与えられている、傭兵棟の執務室にリスティアード皇太子殿下がレィリア金獅子近衛騎士団団長を連れて訪れた。

「やぁ~、元気かい?」


気安く話しかけてくる、皇太子様だが、俺は不機嫌に

「おめぇがきて、今不機嫌になったよ」


「そんなぁ~冷たいこと言わないでよぉ~」


ふざけた声色(こわいろ)使って

ふざけたことを言う

ふざけた王子だ!


俺は「おめぇに、(だま)されて、騎士団長にさせられて非常に不愉快なんだよ」


「ええぇ~普通は出世したと喜んでくれるんだよ~」


また、こいついつまでやるんだ、【それ】と思いながら、思いを吐き出した。

「俺は【火の民】の族長で良かったんだよ。気ままに自由にしていたかったんだよ。」


「それでさぁ、今晩君の帝国騎士団団長を祝って、他の騎士団長が顔合わせしたいって言うから来てくれる?」


(人の話を聞いてんのかこいつ、、、)


(何を言っても、聞かねぇんだろこいつは、、、)


声に出しては

大袈裟(おおげさ)なのは勘弁(かんべん)してくれよ」


「うん、わかってるよぉ~」

「じゃ、7時に迎えを寄こすから、軍装で待っててねぇ~」「それと【火の民】紅蓮の5柱の人達も同席してもらってくれるかなぁ~」


リスティアード皇太子殿下が帰り際に

「そうそう、これ僕からのほんの気持ちだよぉ~、今晩着けてきてねぇ~」


っと言って、レィリア・アストネージュが持っていた畳んだ布を広げて俺に渡してきた。


深紅の外套(がいとう)、マントである。

それも武神将を表す肩証の着いた、長く立派な品物だった。


(ああ、めんどくせぇなぁ)と俺は思いながら、受け取った。

レィリアの俺を見る目がまじ怖いから、、、


ーそして6時45分ー


5柱と俺は軍装で、仕方なく皇太子からもらった武神将の外套(がいとう)を羽織っていた。


竜・威(りゅう・い)が「族長、とても立派ですよ。」


身長195センチの威風堂々(いふうどうどう)とした体躯にメラの村からもらった、深紅の鎧に武神将を表す外套を羽織り、豪奢(ごうしゃ)な赤髪を短くした、姿はまるで神話に出てくる軍神そのものの様だった。


唯一、使い込んだ、帯剣が実戦経験豊富さを表してしまい逆に『絵姿』としての彼を(わず)かな汚点としていた。


扉がノックされる。


竜・威(りゅう・い)が扉を開ける。


レィリア・アストネージュ金獅子近衛騎士団団長が正装で立っていた。


小さく整った顔立ちに、まっすぐ伸びた見事な金髪が、純白の鎧と同じく真っ白な外套を覆いつくす様に伸びており、こちらも女神の軍神を表したような美しさであった。


5柱全員がレィリアに見惚れていると、レィリアが俺に近寄ってきて、黙って俺の大剣を剣帯ごと取り上げ、新しく宝石を散りばめた剣と鞘を立派な剣帯ごと差し出してきて「これに変えなさい!」と言った。


俺はレィリアの迫力がありすぎて、怖くてしぶしぶ従った。


レィリアはついて来いという様に

振り向きざま、右手を振って歩き出した。


俺はここら辺で、なんかおかしいぞと疑惑を持ち始めた。


傭兵棟を出た俺達は、皇帝陛下居城の黒曜天宮で1番大きな建物に連れていかれた。


謁見(えっけん)の間より大きそうな扉の前でレィリアはこちらを見ないで、右手を90度に曲げて拳を作って『待て』の指示を出す。


俺はすげぇー嫌な思いに捕らわれていた。


突然、進軍ラッパの様な甲高い音が黒曜天宮全体に届くくらいの大きさで鳴り響く。


大きな扉が左右に開かれる。


ギ、ギギギー


っと同時に大演奏が始まる。


ジャジャジャジャーン


中には1万人を超す、人で埋められていた。


(たぬき王子!また、騙しやがったな)


大演奏の中をレィリアを先頭に俺達6人は続いた。


上座には第87代皇帝陛下が座していた。


謁見の間と違い、玉座ではなくもっと、皇帝陛下と距離の近い感じはするが、広さは圧倒的にこの部屋の方が広く豪華だった。


質実剛健(しつじつごうけん)をモットーとする、アースウェイグ帝国には珍しく白色や銀色の大理石を()んだんに使った大きな部屋だった。


レィリアが皇帝陛下の前まで行き、騎士の礼を取る。

嵐・守護(らん・がーど)以外の【火の民】もレィリアに(なら)い騎士の礼を取る。


嵐・守護(らん・がーど)だけが、深紅の外套(がいとう)(ひるがえ)し、相変わらず立ったままであった。


皇帝陛下がお声をかけてくる。

「今宵は、新しき帝国騎士団と武神将誕生の祝いの席だ」

「無礼講で良いぞ」


リスティアード皇太子殿下が皇帝陛下の横でピースサインしてくる。


(また、やりやがったなこのクソたぬき王子!)

俺は何度、こいつに(だま)されたか!数える気にもならなくなった。







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