リスティアード皇太子殿下とは、、、
査問会も無事?に終わり皇宮大浴場を清掃している嵐・守護と竜・威だが、意外な人物が手伝いに入って来る。
「なんて、でけぇ風呂場だここは!」
嵐・守護が叫んだ。
昨日の軍法査問会で結審した、皇宮大浴場の掃除に来ていた。
竜・威と共に袖とズボンをまくり上げ、デッキブラシで浴場をゴシゴシ磨いていた。
嵐・守護がぼやく
「一体一度に何人入れんだ?この風呂はよ~」
竜・威が突っ込む
「口を動かす前に、手を動かしてくださいね」
ガチャ、扉を開けて浴場に入って来る者がいた。
「頑張ってるねぇ~」
そこに入ってきたのはなんとリスティアード皇太子殿下本人だった。
しかも、腕まくりをしてデッキブラシを片手に持っている。
「僕も、手伝うよ」
竜・威が即座に片膝をつき騎士の礼を取る。
「殿下にそのような事をなされては我らが罰せられてしまいます。」
「どうか、、、」
「ふ、ふふん」
鼻歌うたいながら、風呂場に入ってくる。
跪いている竜・威の横をすり抜け嵐・守護の方に向かってくる。
立ったまま嵐・守護が王子を迎える。
「王子様ってのはそんなに暇なのかよ」
「いやぁ、君達と一緒に汗を流してみたくなってね、な・ん・て」
茶目っ気たっぷりの皇太子は微笑みながらウィンクした。
「2人でやるより、3人でやった方が早いしさ」
嵐・守護が吐き捨てる
「好きにすりゃいいだろう」
跪いてる竜・威に向かって
「おら、とっと終わらすぞ!」
「は、はい」
ゴシゴシ、キュッキュッ、拭き拭き、3人共まじめに風呂掃除を終わらせた。
皇太子が声をかけてくる
「昨日の軍事査問会で言っていた、君の軍人に対する、価値観は僕、個人的には共感するところが多かったよ」
嵐・守護があっけらかんんと言い返す
「そうか」
「そこで、今晩君達と食事をしながら話をもっと聞きたいんだけどどうかな?」
1傭兵が皇太子殿下から晩餐に招待されたのだ。
嵐・守護が「俺達は傭兵だ、礼服なんて持ってねぇし、あんたの立場にも関わってくんじゃねぇのか?」
にこにこ笑いながらリスティアード皇太子は言う
「そこは大丈夫、いつもの鎧を付けてくれば大丈夫だから」
「それじゃ、7時に皇太子宮に来てくれる?門は開けておくから勝手に入ってきてよ」
「あっ、それから剣も帯剣してきていいからね~」
皇太子はスキップを踏みながら、デッキブラシ片手に大浴場から出て行った。
嵐・守護が竜・威に向かって言う
「変わった王子様だな、あれでいいのか?」
竜・威が考え込みながら答える。
「あのお姿が本来のものでは無いように思いますが、、、」
「嵐様もお気づきと思いますが、リスティアード皇太子殿下はとてつもない量の【天の真甦】をお持ちです。まるで、伝説に紡がれる【四海天竜王】様再来のような、、、」
「それに昨日、査問会の時に傍聴席におられた【アルセイス】様は【土の真甦】と【天の真甦】両方をお持ちです。」
「今まで、2つの真甦を持っていた方は【黒鉄の黒騎士】と呼ばれた過去最強戦士と言われた方だけです。」
「また、同じく一緒に居られた【レィリア】様は体内に様々な妖精を何百億以上お持ちです。まさに【妖精女王】その人です。」
嵐・守護は「よくそれだけ詳しくわかるな、つぇえのはわかっていたけどよぉ」
「!!」
竜・威が急に真剣な顔になる。
「皇宮に潜入していた、初瀬・燕達と連絡が途絶えました。」
「なにっ」嵐がギラッと獰猛な目付きで睨む。
「やられたのか?」
竜・威が答える。
「意識は感じますが、応答がありません。誰かに捕まり、結界に入れらてるようです。」
不思議そうに嵐が尋ねる。
「結界?」
「はい、真甦の強い者や強力な魔導士が張る見えない防御壁みたいなものです。」
「真魂交神が出来なくなります。意識は感じますが交信は無理です。」
俺は獰猛な目付きだが、頭は冷静に思考をめぐらした。
「誰かにとっ捕まったってことだな」
竜・威が答える。
「おそらく、、、」
俺はよく考えて決めた。
「取り合えず、誰に捕まったかもわかんねぇし、居場所もわかねぇんじゃ探しようがねぇな」
「まずは王子様の晩餐会の話にのってみるか」
「最悪、そこで何かつかめなきゃ力付くでいくぜ」
竜・威は淡々と冷静に
「わかりました。それでは時間まで宮廷内で情報を集めましょう」
ーー時間は午後6時半ーー
結局、宮廷内ではこれと言った情報はつかめなかった。
ただ、皇弟殿下居城の場所はわかった。
あと、アースウェイグ帝国皇帝陛下が本日から、友好国パブロ王国の国王陛下生誕祭に参列する為、2万の帝国騎士を護衛に遠征に出たそうだ。
それくらいしか情報はつかめづ、嵐・守護と竜・威は完全武装で皇太子殿下の晩餐に皇太子宮正門に来ていた。
嵐・守護が呆れながら
「本当に正門が開きっぱなしだぜ、こんなんで良いのか?」
竜・威が不思議そうに
「何とは言えませんが、何か腑に落ちませんね」
「まっ、行ってみりゃわかるだろ」
2人は皇太子宮場内に入っていった。
まず驚いたのが、人の少なさだ。
警備の者も、執事もメイドも小間使いさえもあまり見当たらない。
正面玄関の前に1人、老執事が立っており、2人に声をかけてくる。
「嵐・守護様と竜・威様でございますね」
「こちらで皇太子様がお待ちであられます。」
案内された部屋は天然黒曜石で作られた黒一色のばかっ拾い部屋だった。
床も柱も天井も全て漆黒の黒1色である。
部屋は舞踏会でも開けそうな広さだった。
500人は入れそうな部屋の真ん中にテーブルが長く長く繋がっていた。
1番奥にリスティアード皇太子殿下が座っていた。
2人は直ぐに異様さに気づいた。
皇太子も完全装備の戦装束なのである。
上から下まで金色の鎧を付け、嵐・守護と同じような幅広両刃の大剣を腰につるしている。
にこやかにリスティアード皇太子殿下が話しかけてくる。
「よく、来てくれたねぇ」
「僕の近くに来て、座ってよ」
2人は言われた通り、長いテーブルを無視して上座に座る皇太子の両脇に腰かけた。
嵐・守護が獰猛そうに声をかける。
「なんだ、この茶番劇みたいなのは?」
皇太子はにこやかに微笑みながら
「普通だよ」
「まずは、食事にしようか」
先ほどの老齢の執事が1人で食事を3人、皆に配膳する。
全て食事の用意が整ったところで、いきなり誉武号牙炎が言ってきた。
(毒だぞ)
「!!」
俺は直ぐ様、立ち上がり竜・威に食事をするなと言おうとした所で
リスティアード皇太子殿下が
「今日は食欲がないから、僕の部屋に行って話でもしようか?」
執事に向かって
「今日はもういいから、全員帰っていいよ」
3人は食事を中断して、皇太子殿下がの私室に向かった。
私室とは言っても、天下のリスティアード皇太子殿下の部屋である。
ばかっ広いんだろうと思いながら、嵐・守護が皇太子について部屋に入ると
「!!」
初瀬・燕以下潜入組10名全員が結界に拘束されていた。
一瞬で赤髪が燃え上がり、獰猛な目付き真っ赤に光る。
「王子、てめぇ仲間を」
皇太子が相変わらずにこやかに答えてくる。
「さすがに皇宮内を自由に動き回られるのはちょっと困るから、捕まえちゃった。」
アルセイス卿が結界を張っていた。
横にはレィリア・アストネージュが凛と佇んでいた。
嵐・守護が獰猛に吠える。
「てめぇが黒幕だったのかよ!」




