異世界人の帰還と魔法
午前中の講義は2つ
見慣れない外国人を見て講師はミナトに問い詰めたが、体験で授業に参加したいと言ったら許された
もちろん、セシーリアには講義の内容なんて伝わらないだろうが
講義が終わると
「何か不思議なことを学んでそうね」
セシーリアがミナトに尋ねる
「この世界ではそんなに不思議な内容でもないよ」
そう答えたあと
「飯にするか。学食でいいか?」
そう言って、学食に入った
「何が食べたい?」
とミナトが尋ねると、サンプルを見ながらセシーリアが考え込む
そして、突然驚きの表情を浮かべた
「これ、これがいい」
セシーリアが選んだのはオムライスだった
それぞれが出来上がった料理を取って席に運ぶとミナトは尋ねる
「オムライスが好きなのか?」
「ううん、食べたことがない。でもこれ、私の国のおとぎ話に出てくる料理にそっくりなのよ」
「おとぎ話?」
「そう、その食べ物は全体が黄色で覆われていて、その上には赤いソースがかけられている」
「へえ・・・」
「そして中を開ければ、赤い色に染まった穀物が・・・・」
そう言ってセシーリアがスプーンを刺す
「やっぱり、これだ。本当にこんな料理があるなんて・・・・」
「その作者はオムライスを知ってるんじゃないのか?」
「うーん、偶然にしては似すぎていると思うし、そうなのかな。でもあっちでそんな料理は見たことがないけど」
学食でそんな会話をした後、二人は少し散歩をして、ミナトがいろいろ日本の事を案内しながら帰宅した
「で?いつまでいるんだ?」
ミナトが尋ねると
「うーん、まだ魔法石の効果は持続している・・・・・」
セシーリアが考え込む
そしてしばらく考えた後に
「わかった。私はもう帰ろうと思う」
「そうか」
ミナトは安心する
「ただ、あなたをヴィストランドに招きたい」
「はあ?」
「あなたはもしかしたらものすごい魔導士になるかもしれない。だから私達と一緒に戦ってほしい」
「おいおい、勘弁してくれ。俺は大学に行かないといけないんだって」
「もちろん、すぐに決めろとは言わない。でもこんな才能を放っておくなんてしたくない」
そして、セシーリアは一方的に説明を始める
魔法全般の事、ゲートの魔法の事、魔法を使えるようになるために必要なこと
「特に、他人の魔法の力を引き出すことは絶対にやっちゃ駄目。やがてこの世界もヴィストランドみたいになるかもしれないから」
「俺はやるなんて言ってないんだが」
「お願い。最後に決断するのはあなたでいい。だからゲートの魔法だけでも覚えておいて欲しい。いつかあなたがヴィストランドに来てくれることを待っているから」
「・・・・・・・」
どうやら、引き下がってはくれそうにない
だったら、相手の条件を飲んだあとにヴィストランドに行かなければいいだけだ
魔法だって使わなければ何も変わらない生活ができる
その時、ミナトはそう考えていた
「わかったよ。で、どうやるんだ?」
それを聞いてセシーリアは安心したように笑顔を見せた
それから、ミナトは魔法の力を引き出され、ゲートの魔法もその日のうちに習得した
翌朝、セシーリアはヴィストランドに帰った
そして、いつかミナトがヴィストランドに来ることを願って、翻訳の指輪はミナトに預けられた




