第三章 外和ミナト
ここは日本にある一都市
そこで一人暮らしをしている大学生、外和ミナト
彼は理学部に通う21歳の平凡な学生だった
外見に特に特徴的な部分もない
極めて平凡な人物だった
そう、彼女に出会うまでは
その時、突如、路上を歩いていたミナトの目の前で光が放たれた
「なんだ?」
見たこともない光景に思わず戸惑う
そしてその光の中から一人の女性が現れた
長く白い髪をしていて、目は青い
あきらかに日本人ではないのがわかった
そして、足に大きな傷があり、苦しそうにしている様子が伺える
「大丈夫か?」
不思議な出来事を目撃し、恐怖すら感じていたが、思わずミナトはその女性に話しかけた
しかし、その女性は返事をするものの何を言っているのかわからない
聞いたこともない言語だ
その女性はミナトの様子を見て、手を差し出してきた
その掌には指輪のようなものがある
「え?」
ミナトが戸惑っていると、その女性はジェスチャーで指輪をはめろと示した
言われるがままに左手の中指に指輪をはめる
「これで言葉がわかる?」
その女性は突然日本語を話し始めた
「ああ、わかるが、どういうことなんだ。いや、それより怪我は大丈夫なのか?」
「傷はこれから自分で治療する。2日ほどあれば完治するはず」
いや、どう見てもそんな軽い怪我には見えない
「病院に行かなくていいのか?」
「ええ。自分でなんとかできるから。でもどこか休める場所に行きたい。あなたの家はこの近くなの?」
「ああ、そうだが、まさか俺の家に来るつもりなのか?女性一人で?」
その女性は一瞬何かを考えたが
「ああ、そういうことなら大丈夫。たぶん私はあなたより強いから」
そう言った
ミナトがその女性を背負って家に運ぶと、家に着くなりその女性は傷口に向けて手をかざした
その手がわずかに光る
「何をしているんだ?」
「治癒魔法よ」
「魔法?本気で言っているのか?」
「この世界の人が信じられないのも無理はないわね。でも本当よ」
ミナトはこれが現実なのかすら疑い始めていた
「本当に病院に行かなくていいんだな?」
再度ミナトは念を押す
「ええ。でも傷が治るまで1~2日滞在させてもらうことになるかもしれない」
それを聞いて
「まあ、出ていけとも言いにくいからいいけど」
そう言った後、少し置いて
「ところでお前は誰なんだ?どこの国の人なんだ?」
「私の名前はセシーリア。ヴィストランドにあるメランデルという国から来たの」
全く聞いたこともない国だ
「それはどこにあるんだ?」
「こことは違う別の世界。つまり異世界ね」
もうどうにでもなれ
この時のミナトの心境はそんな感じだった




