続いていく世界
ルーベルトとエディルスのもとには魔導士隊に多くの犠牲者が出ていることが報告された
しかし、作戦は順調に進んでいるとも報告があった
そんな中
「なあ、エディルス」
ルーベルトが話しかける
「なんだ?」
エディルスも反応する
「実はな、あの時俺が言ったことは半分本当で半分ウソなんだ」
「どういうことだ?」
「俺が計算した1000年単位で封印できるって話な。あれは通常の方法では無理なんだ」
何を言っているのかわからずエディルスは一瞬戸惑う
「俺の計算は、お前自身が魔力増幅した上で俺に魔力増幅魔法を使った場合の話なんだよ」
「おい、まさか」
「そうだ。それだけ長い時間の時間凍結をするには、お前はもう一度、俺にそれをやらないといけない」
「待てよ。俺の話を聞いたんだろ。そんなことをすればお前も・・・・」
「わかっている」
そう、ルーベルト自身が化け物になる可能性がある
というより、まずそうなるとみたほうが良いのかもしれない
「俺は、それを甘んじて受け入れるよ。でも、この世界を完全に捨てるなんてしたくない。だから、もしお前がこの事態を招いた責任を感じているのであれば、お前はその償いとして俺の能力を限界まで高めろ。そうすれば1000年どころではない時間を稼げるかもしれない」
「・・・・・・・」
エディルスは何も答えることができなかった
「安心しろ。それだけ長い時間が経てば、やがて化け物を倒せるだけの魔法も生み出されるはずだ」
それはつまり、遠い未来に誰かが自分を倒してくれることを期待していての話だった
エディルスはしばらくの沈黙のあと、答えた
「わかった。どうやら最後までお前には勝てないらしい」
ルーベルトはそれを聞くと笑いかけた
「ああ、勝ち逃げさせてもらうよ」
続けて真剣な顔になり
「お前は俺の魔力を増幅したら、なるべく遠くまで逃げるんだ。俺の最後の魔法に巻き込まれるなよ」
そう告げた
そして、いよいよその時が来た
報告から考えるに、全ての化け物がこの森林に集まってきたと考えて良いだろう
「エディルス!」
「ああ、お前が正気を保てるのは20分かそこらかもしれない。絶対に魔法を失敗するんじゃねえぞ」
「もちろんだ。そして遠慮はするな。お前の引き出す力がこの世界に与えられた時間となる。お前の研究成果を見せてみろ。可能な限りの時間をこの世界に与えるんだ」
「じゃあ、遠慮なくやらせてもらう!」
そう言うと、エディルスはルーベルトの魔力を限界を超えるまで高めた
ルーベルトが苦しみだす
それを見てエディルスは少し目に涙を浮かべて
「じゃあな。俺の生涯のライバル」
そう言ってその場を去っていく
そして、しばらくの時間を置いてルーベルトの魔法が発動された
それはその場に集まった化け物の時間を凍結させるには十分だった
森林全体の時間が止まった
ルーベルトの時間もだ
やがてその森は封印の森と呼ばれるようになった
その報告を聞いて、オルヴァルトは二度目のゲートを開くのを中止した
すでに一度目のゲートは消えていた
イーヴァを含む数万人の住民達は別の世界で生きていく
そこではきっと魔法が存在しない世界が続いていくのだろう
イーヴァ達が送り込まれた土地は、やがてその世界ではアフリカと名付けられた
それからしばらくの後・・・・
封印の森を一人の女性が歩いていく
そして時間が止まったルーベルトを見て呟く
「これで人類が滅びることは当面は回避された。でも、ここまで来たら間違いないわね。やはりこの世界は滅亡へと向かっている」
少し間を置いて
「エーリック。この世界の未来を見守るというあなたとの約束、その時が来たら破らせてもらうわ」
そう言い残して彼女は去っていった
次回からは主人公が変わって時代は現代、異世界転移ものになります




