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旅立つ人々

「俺も卒業後にある魔法を研究していたんだ」


「ある魔法?」


全員が質問する


「ああ、特定の範囲のみの時間を止める魔法だ。しかも俺が魔法学校で作り出した時間を止める魔法と違い、範囲が狭いため持続時間の限界はかなり長い」


「そんな魔法があるなんて書物でも見たことないぞ」


オルヴァルトは疑問を浮かべるが


「いや、俺自身が体験したんだよ。ヴェ=リェの魔法をな」


周囲が沈黙する中


「あの時、俺は自分に何が起こったのかわからなかったが、よくよく考えればシンプルな話だ。ヴェ=リェは俺の時間だけを止めたんだ。そんな方法があるなんて、その時まで考えもしなかった。そして、もしかしたらこの危機を乗り越えるのに使えるんじゃないかって今思った」


「どういうことだ?」


オルヴァルトが反応する

ルーベルトは続ける


「今の俺の力じゃ、おそらく無理だ。しかしエディルスの力を借りれば可能かもしれない」


そう前置きしたあと


「奴らの時間を止めて、永遠に封印する」


そう宣言した

つまり、化け物全部をなるべく狭い範囲に集め、一気に時間凍結する


「それはどのくらい持続するんだ?」


オルヴァルトから当然の疑問が来る


「わからない。エディルスがどのくらいの力を引き出してくれるかによる。しかし・・・・」


そう言ったあと、ルーベルトは言葉に詰まって返答に時間がかかったが


「もし俺の計算が正しければ、1000年単位で、あるいはもう一桁上のレベルまで持続させられるかもしれない」


それを聞いてオルヴァルトは考え込む


「なるほど、もしそれが本当ならば移住の必要はすぐにはない。先延ばしにすることができるだろうし、その間に奴らを倒せるだけの魔法を作り出すこともできるかもしれない。しかし、そのぶっつけ本番の案に全てを賭けて失敗した場合、移住の決断をギリギリまでしなかったことを後悔する結果になるかもしれない。助けられる人数はごくわずかになってしまう」


そして、オルヴァルトは最終的な方針を決断をした


まず、ルーベルトの案が失敗することを前提ですぐにでも移住を開始する

その間、全魔導士隊を動員し、化け物をなるべく狭い範囲に集まるよう誘導する

おそらく多くの犠牲者が出るだろうが、どのみち全員を移住させるより先にこの世界の多くの人は死ぬ

ならば魔導士隊は戦うべきだろう


ルーベルトとエディルスは時間凍結を試みる

失敗すればあとは可能な限り多くの人達を逃がすことのみに全てを注ぐ

成功すればその時点で移住は停止し、化け物が復活するまでに奴らを倒せるだけの魔法を開発することに全力を挙げる

それが1000年後か2000年後か

おそらく、それだけの時間があればこの世界も救えるはずだ


「そして、イーヴァ」


突然呼ばれてイーヴァはかしこまった


「はい」


「お前に任せたいことがある」


そのままオルヴァルトは続けた


もし一度移住をしてゲートが消えるか閉じるかすれば、おそらく移住者が生きている間には再びゲートに遭遇することはないだろう

つまり二度とこの世界には帰ってくることができない

だから、移住する人達を助けてやってほしい

異世界での生活の基盤を築くんだ


そして、移住先には魔法を使えない人達のみを選ぶ

イーヴァだけが唯一の例外だ

だから移住先は魔法の無い世界にしてほしい

同じ過ちを繰り返さないためにも


それを聞いて、イーヴァは少し躊躇ったが


「その役目、引き受ける」


そう答えた



そうしてルーベルトとオルヴァルトの二つの案が同時に開始された

異世界に旅立つイーヴァとその他の多くの住民を3人が見送る


イーヴァは最後に


「じゃあ、行ってくるから。みんなの無事を祈っている」


そう言って、ゲートの先に消えていった


そして、なるべく同じ場所に人々を送るべく、ゲートが自然消滅するまではそのまま残された

そして住民を集めては移住させていく


その間、魔導士隊は化け物をなるべく一ヵ所に集めるべく誘導していった

その場所に選ばれたのは、王城から西に5日ほどの距離にある森林だった


ルーベルトとエディルスはその場所でその時を待ち構えた

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