作戦会議
ルーベルトの隊は、隊長を置いて先に王城へ帰還した
エディルスのダメージも完治していた
そしてイーヴァとエディルスでオルヴァルトのもとへと報告に行く
「なんだって、そんなことが・・・・」
そう返したオルヴァルトにエディルスは頭を下げる
「すまない」
「・・・・・」
オルヴァルトはどういう言葉をかければ良いのかわからなかった
「ルーベルトはどうした?」
「あいつは・・・・、たぶん無事だ」
エディルスはそう答えた
「わかった。今はとにかく状況を把握したい」
そう言って、城の者に告げる
「被害状況を確認するため、周辺に人員を派遣するんだ」
そう命令を発したあと、エディルスに向き合う
「化け物が生み出された時の詳しい状況を説明してくれ。その後、ルーベルトの帰還と各地の状況の把握が出来次第、対策を考える」
それから3日が経ったころ、ルーベルトが城に帰還した
全くの無傷ではなかったが、軽傷と言ってよかった
それを見てオルヴァルトとエディルスは胸をなでおろした
同時にイーヴァが駆け寄り治癒魔法をかけた
そして、4人が集まり対策が練られていった
しかし、時間と共に各地の絶望的な状況が伝えられる
化け物は活動を続け、全滅している街もいくつも報告された
それもわずか10日ほどでの話だ
それから考えるに、この国全体の街が滅ぼされるまでおそらく2か月か3ヵ月くらいしかないのかもしれない
「このまま野放しにするわけにはいかない」
それが4人の共通の意見だったが、ルーベルトは
「化け物一体に対して100人以上の魔導士隊が必要になるかもしれない。いやそれでも倒せない可能性すらある。奴ら中途半端な魔法は全て体の表面にある魔力の壁で無効化しやがるんだ」
そしてエディルスは
「化け物は100体くらいはいる」
と告げた
そして現状、国にいる魔導士は全員集めても2000人程度である
この状況から打つ手を4人で模索するが、絶望的な結論しか出なかった
「くそ、あの女の言った通りじゃねえか!」
思わずルーベルトが口にする
「あの女?」
オルヴァルトが尋ねると
「3年前、学校を卒業する直前に妙な女に会ったんだ。エディルスの力が世界に危機をもたらすかもしれないと忠告していった」
ルーベルトはそう答えた
「どんな女だった?」
オルヴァルトが再び尋ねると、ルーベルトは女の特徴を話した
それを聞いて、オルヴァルトはしばらく考え込むと
「そいつは、おそらくヴェ=リェだ」
そう結論を下した
「ヴェ=リェって、あのおとぎ話に出てくる永遠に生きる魔女?」
イーヴァが思わず不思議な顔になる
「いや、ヴェ=リェは実在する。王家にはそう伝えられている」
「そんなまさか・・・・」
それでもイーヴァが信じられずにいると
「なるほどな。それならあの女の化け物じみた能力も説明が付くな」
ルーベルトは逆に納得したようだった
そして考え込む
あの時、ヴェ=リェはそういう事態になった時の対処法なんかは話していなかった
いつかオルヴァルトが話していた、かつて魔法によって世界が滅んだという話
もしかしたら、ここで人類は本当に滅んでしまうのか?
いや、思い出した
あの時、オルヴァルトは別の事も話していたんだ
「オルヴァルト、お前の研究していた魔法はどうなったんだ?」
「ちょうど今、俺もその事を考えていた」
そのやり取りを見て、エディルスとイーヴァの二人は疑問を浮かべた顔になる
しかしオルヴァルトはそのまま続けた
「時空転移魔法は実用できるレベルになっている。まだ不完全な部分も多いがな」
「時空転移魔法?」
エディルスが聞く
「ああ、こことは違う、別の世界へと移動できる魔法だ」
そしてオルヴァルトは現段階の研究の成果を話した
魔法は光の扉を開く形で発動する
オルヴァルトはそれをゲートと呼んだ
そのゲートに触れることで異世界への移動が可能になる
しかし、現時点では異世界のどこに開くのかという調整が出来ず、一度閉じてしまえば、同じ位置に再び出現させることはできない
仮に2回に分けて移動を行った場合、それぞれが別の場所へと移動することになる
しかし移動先は同じ世界のため、運が良ければいつか合流することができるかもしれない
そういうことだった
「つまり、この世界を捨てて異世界に移住するってこと?」
イーヴァが尋ねる
「ああ、これは人類の最後の手段として考えていたんだが、こんなに早くにそれを使うことになるかもしれないとはな」
そうオルヴァルトが答えると
「卒業後も研究を続けていたのはエディルスやオルヴァルトだけじゃないぜ」
ルーベルトが突然話し出した




