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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
23シーズン

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多分君にはわからない

 今日からまたしばらく抗がん剤。もっと体調が悪くなるのかと思うと、暗澹たる気分になる。

 メイバランスとプロテインゼリーをなんとか食べて、体力が持つように祈る。トイレとベッドの往復に疲れ果ててしまい、今日もシャワーは浴びられなかった。

 病室でぼーっとしていたら、長田さんに話しかけられた。


「しかし、和泉さんは人望がすごいよねえ」

「え? 人望?」

「だって、いろんな人が代わる代わるお見舞いに来るじゃない。人望だろ?」

「まあ……縁のある人はそれなりにいますが……」


 お見舞いに来てくれた人たちを思い返す。狭山さん、おっくん、萌木さんと久慈さん、九さんと深山さん、南さん、藤さん、高千穂先生と和束ハルさん、吸血鬼の王、鍋島さん、緑さん……あと、ついでに父親。そうだな、かなり来てくれてるな……。

 千歳がいなかったら、縁がなかった人たちばかりだ。俺は、千歳に会う前みたいに1人でやっていくのは、もうとてもできない。つながった縁は大事にしていきたい。

 午後に来た千歳に、「人望あるって言ってもらっちゃったよ、いろんな人がお見舞いに来てくれるから」と伝えたら、『みんな来てくれるけどさあ』と肘でつつかれた。


『おまえの好きな人は来ないのか? さすがに、見舞いくらい来てくれてもいいんじゃないか?』


 いや、毎日来てくれてるんだけども……。


「……少なくとも、千歳の心当たりにはいないと思うよ」

『えええ?』


 千歳は、何もわからないという顔をした。漫画なら、頭の周りにハテナがいっぱい浮かんでいると思う。

 ……わかってくれたらな、という気持ちと、わかられたらおしまいなんだよな、という気持ちがある。俺の気持ちが通じたらどんなにいいか……でも通じてしまったら、子孫を持つのを本当に放棄したということだから。それに、千歳には恋愛感情というものがまるでないから……。

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