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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
23シーズン

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恵まれてるからやるしかない

 今日の夜まで、生理食塩水と利尿剤の点滴が続く。点滴は邪魔だしトイレは近いし、本当にめんどくさいな……。

 そう、ベッドとトイレの往復だけで疲れ切ってる。本当に体力が落ちた。貧血だし食べれてないから、当然ではあるが。相変わらず食事の味を感じられず、今日はメイバランス以外ほとんど食べられていない。

 午後、千歳が吸血鬼の王を連れてお見舞いに来てくれた。吸血鬼の王は相変わらず、青白い顔に血のような赤い唇をしている。


『お前の病気聞いて、わざわざ和束みやび対策本部から来てくれたんだ』

「それはそれは……ありがとうございます」


 俺が吸血鬼の王に頭を下げると、彼は心配そうな顔をした。


「命の恩人ががんになったって聞いたら、そりゃ顔くらい見に来るって。大丈夫? だいぶ痩せてない?」

「副作用であんまり食べれてなくて……」

「そっかあ……しかし、こればっかりはお金積んでもどうにもならないからねえ……日本って、標準医療が最先端医療なんでしょ?」

「まったくその通りで……副作用はあるけど頑張ります」


 国民皆保険で、標準医療が最先端医療。諸外国の医療に比べて、日本はだいぶ恵まれている。吸血鬼の王の目には、そんな風景が見えているのだろう。

 吸血鬼の王は気軽に言った。


「入院費大丈夫? また100万ユーロいる?」

「いえいえそんな、前にいただいたので十分です」

「謙虚だねえ、だけど君のいいところは多分そういうところなんだろうねえ」


 千歳が吸血鬼の王に言った。


『和泉は金の扱いが真面目なんだ。こないだの100万ユーロも無駄遣いしないで、贈与税の分とっといて、残りはワシとの家に使って、後はにーさ? とかいうのに入れちゃったし』

「なるほどなるほど、堅実」


 吸血鬼の王は頷き、そして俺に笑いかけた。


「でも、使うべきところでは使ってよね?」

「はい、ありがたく使わせていただきます」


 金銭的に困っておらず、仕事の心配もなく、治療に専念できる。ありがたいことだ。だから、副作用はなんとか耐えなきゃいけない。

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