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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第22シーズン

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豪華客船楽しみたい

 朝早く起きる。朝食は高級ホテルめいた品数の和定食だった。2日目の朝食も取材の一環なので、多かったけどちゃんと食べた。


「朝からお腹いっぱい……」

『かわいそうに、ワシお代りしたいくらいなのに』

「まあお昼で調整する。俺は仕事してるから、千歳は好きに楽しんでて」

『じゃあ気兼ねなく遊ぶぞ』

「うん」


 さて、食べ終わったら用意を整えて船内取材である。まずはブティックにいき、品ぞろえをチェック。店の外観を撮り、店の雰囲気もメモ。それからカードルームとカジノを回り、やはり写真を撮って、遊ぶ人たちの雰囲気をメモ。コンサートホールも取材したら、もう午前が終わった。

 俺がいない間、千歳はバーでお酒など楽しんでいたらしい。酔ってはいなかったが、お昼に待ち合わせたら『カクテルがすごくうまかった!』と言っていた。後でどんなカクテルが頼めるか聞いておこう。

 お昼はビュッフェレストラン。ハンバーガーとパスタとアイスをもりもり食べる千歳と、昨夜と朝かなり食べたから果物だけかじってる俺と。


『お前、食べれないのもったいないなあ』

「その分千歳が食べて元取ってよ」

『元からそのつもりだ』


 千歳はきのこパスタを頬張った。

 午後も取材。図書館を回ったあと、千歳が楽しんだバーでお酒の品ぞろえをチェックして撮影、それからなんとサロン&スパ。体験するならとことんということで、顔も体もトリートメントしてもらった。なかなか気持ちよく、仕事ということを忘れて寝落ちするところだった。

 顔も体もつやぴかになってサロンを出ると、もう夕飯にいい時間だった。千歳とメインダイニングで落ち合う。


『お疲れ!』

「どうも、午後は何してたの?」

『映画見て、ラウンジで茶しばいてた。コーヒーも紅茶もうまかったぞ、クッキーも出た』

「後で感想聞かせて、仕事に使うかもしれないから」

『オッケー』

「今日の仕事は、あとはフルコースを食べるのだけ」


 フルコースのメニューを見ておくことも仕事なのだ。


『食おう食おう!』


 千歳は飛び跳ねんばかりの勢いだった。

 前菜はビーツとグレープフルーツのサラダ。

 それからサーモンマリネとアボカド。ビーツは意外にも甘く、グレープフルーツの酸味に合った。サーモンとアボカドの相性は言うまでもない。


『うまいなー』

「夕飯は絶対全部食べる」


 それからトマトと生クリームのポタージュ。パスタソースでよくある組み合わせだが、これはソースではなくスープとして完成されていた

 魚料理はカサゴととうもろこしのフリット。フリットとは、洋風の天ぷらのことらしい。サクサクの生地とカサゴの深いうまみ、トウモロコシの甘さ。

 肉料理は牛フィレ肉のポワレ。


『赤ワインのソースかな? すっごく合う』

「これ、赤ワイン合うんじゃない?」

『じゃ、ワシ頼んじゃおっかな』

「俺も一杯だけ頼む」


 柔らかな牛ヒレ肉と、芳醇なソース。そこに赤ワインをぐっとやると、肉の風味が赤ワインの渋みにほどけてたまらない。

 デザートは南国フルーツのシャーベット。濃い黄色なのでマンゴーかと思ったが、強い甘酸っぱさと香りからして、別の果物も入っているようだ。


『なんの果物だろう?』

「南国って感じの香りだよね」


 満足して部屋に戻る。疲れたので部屋のシャワーをさっと浴びて、ベッドのうえでダラダラ。取材した情報をまとめてもよかったが、クソデカ船内歩き回るのって! 疲れるんだ!!


『寝るか?』

「寝ちゃおうかな」


 いつものように、黒い一反木綿になった千歳に巻き付かれて就寝。

 後は明日港に降りるだけ。無事に取材を終えられる。この時は、そう思っていた。

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