閑話 バレンタインと1年
本日バレンタイン。今年も千歳がチョコを用意してくれた。恒例の生チョコと、無印良品のオランジェットにシトロネット。
「いやー、ありがたいありがたい」
おやつ時、俺が手を合わせてそう言うと、千歳には笑われてしまった。
『お前、そんなチョロいんじゃ誰にもらってもうれしいんじゃないか?』
「そんなことはない、千歳がくれたからうれしい」
『ならいいけどさ』
生チョコを食べる。ココアの香りとほろ苦さ、練乳の甘み。あっという間に口のなかでとろけてしまった。
オランジェットも食べる。カカオとオレンジピールの苦み、これは大人の味だな。
シトロネットはレモンの香りが鮮烈で、オランジェットより爽やかだった。
千歳も同じものをおやつに食べている。
『生チョコうまいな、我ながらよくできてる』
「来年も、また作ってくれたらうれしい」
『おう、材料あれば簡単だし』
千歳は微笑んだ。
去年のバレンタインからの1年を思い出す。幸せだったけど、だいぶ波乱万丈だった。ていうか、千歳と出会ってからこの方、幸せだったけどだいぶ波乱万丈だった。閻魔大王様の頼み事もあるし、これから1年もいろいろ起こるんじゃないかな。
でも、千歳と一緒にいられるなら、俺はこれからも頑張れるよ。




