会える日が来たらかわいがりたい
まだまだ寒いが、日差しは明るく、だいぶ春めいてきた。道には紅白の梅の花が咲き始めている。
千歳と散歩しつつ、花の写真を撮る。
「冬の間は花が少なかったからさ、これでおばあちゃんに送る写真が増える」
ほくほくしていると、千歳に言われた。
『どうせだから、お前の写真も送ったら? 撮ってやるよ』
「気恥ずかしいな、一人で写るの」
『じゃあ、ワシも一緒に入ってやるよ』
そういうわけで、梅の花をバックに、千歳の手で2人で自撮り。2人で笑って、なかなか楽しそうな写真が撮れた。
『これでお前のおばあちゃんも安心だろ』
「まあ、元気でやってる証拠だよね」
おばあちゃんに花の写真と自撮り写真を送ると、喜んでくれた。久々にLINEのビデオ通話で話す。
「豊ちゃん、本当に元気そうでよかったわあ」
おばあちゃんは嬉しそうに微笑んだ。俺も笑った。
「元気元気。千歳とも仲良くやってる」
「お仕事はどんな感じ?」
「楽しく働かせてもらってる、みんないい人たちだし」
仕事は順調だ。難しい企画や煩雑な処理はあるけど、やれることが増えてる実感はあるし、萌木さんも久慈さんも目をかけてくれるし。
仕事「は」順調だ。気になるのは、閻魔様の頼みごと、ひいてはアタリの子のこと。
「……ねえ、おばあちゃん。大したことじゃないけど、聞きたいことがあって」
「なあに?」
「ちっちゃい子って、おむつつけてるのって何歳くらいまでかな?」
アタリの子は、おむつつけてる年だ。いくつくらいなんだろう。
「そうねえ」
おばあちゃんは首を傾げた。
「まあ3歳……早い子は3歳前かしら? でも3歳半くらいでも遅くはないわねえ、釈も豊ちゃんも、3歳ピッタリくらいからおむつに頼らなくなったけどお……」
「そっか、ありがとう」
「小さい子でも預かるのお?」
「いや、そういうわけじゃないけど、仕事みたいなことでちょっと、おむついる子は何歳くらいなんだろうって気になって」
俺は適当に誤魔化した。そんなに嘘でもないと思う。
アタリの子。大きくても3歳くらいなのか。
俺達が見つけるかも、他の誰かが見つけるかも分からない。でも、会えたら、できるだけかわいがってあげようと思う。




