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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第11シーズン

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番外編 金谷千歳のミス

 緑さんが今日中に来て色々便宜図ってくれるってことで、ワシはとりあえず待つことにした。小さい和泉は、おとなしいのは助かるけど、ずっと捨てられた子犬みたいな顔でワシに引っ付いてる。


『大丈夫だぞー、絶対治るからな、好きなもん作ってやるからな、元気出せ』


 ワシは小さい和泉をぎゅっとした。小さい和泉は、まっすぐな目でワシを見上げて言った。


「おれんじじゅーちゅ」

『それは……ない!』


 好みも子供になってるんだろうな、でも和泉の好きなもんくらい飲ませてやりたい、買い物行けないの不便だ……。

 大人用の食器が使えないから、和泉の昼飯には、おにぎりを出して、あとは味噌汁をスプーンで食べさせた。食べ終わったチビ和泉は、目をこすりだしたので、寝室の布団で寝かしつけてやった。色々ありすぎたもんな、そりゃチビじゃ疲れるよな。


「ちとしぇ、ぎゅーちて……」

『うんうん、ぎゅー』


 お母ちゃんか、ワシは。

 そんなこんなでチビ和泉が寝付いたから、寝室を出て一息ついてると、インターホンが鳴った。


『あ、緑さん』

「大丈夫!?」

『あ、今、和泉寝てるから、しーで』

「あっごめん……」


 緑さんを家に入れたら、ヒソヒソ声でこう言われた。


「あのね、寝てるままでいいから、私にも和泉さんの様子見させてくれる?」

『うん』


 声を潜めて話しながら、ワシは緑さんに寝室の和泉を見せた。寝てる小さな和泉は本当にただのチビ助で、ワシは胸がぎゅっとなった。

 緑さんは、小さな声で頷いた。


「あーなるほど、狭山くんの言う通りだわ……すぐ行かせてよかった」


 そっと寝室から出て、改めて緑さんに話を聞く。


『和泉、解呪専門の人じゃないと無理なんだろ?』

「うん。あと、久慈さんだっけ、猫又の長の知り合いだそうなんだけど、そっちとも連絡取ってる」

『え、それで詳しかったんだ、あの人』


 どこで縁があるかわかんないな。


「でね、もうやり方が脳筋にもほどがあるんだけど、外出る用のお守りに、この御札守り刀にくっつけといて」


 緑さんは、でかいトートバックからどさっと御札の束を取り出した。護符用の簡単な術式だけど、この量だとすごい加護だ。


『うわ、すごい……』

「もう力でゴリ押しするくらいしかなくて……近所の買い物くらいなら、これで大丈夫なはずだから」

『ありがとう、和泉あんなだから、せめて好きなもん飲み食いさせてやりたくて』

「とよか病院にも連絡取ってるから。近い内に診てもらえる」

『うん、本当にありがとう』


 ワシが、御札を紐で守り刀に縛り付けたのをを見届けて、緑さんは帰っていった。とにかく、これで外出れる。和泉が寝てる間、コンビニにオレンジジュース買いに行こうかなと考えてたら、和泉がワシを探す声がした。


「ちとしぇ、ちとしぇ?」

『ん? ここだぞー、大丈夫だぞ』


 チビ和泉は、とてとてワシに駆け寄って抱きついてきた。


「ちとしぇ、ちーする」

『おっ、おもらししなかったか、えらいぞー』


 小さい和泉にトイレさせてから、ワシは和泉に笑いかけた。


『ワシ、外出てよくなったから、一緒にオレンジジュース買いに行こうな』


 和泉はどうしてもワシから離れたくなさそうだったから、一緒に連れてこうと思ったんだ。

 本当に間違いだった。和泉を傷つけるのは、和束ハルだけじゃなかったんだ。

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