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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第11シーズン

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【若返り】は呪いじゃない

 仕事初め。外仕事なのでスーツに着替えようとした俺に、千歳が言った。


『お前、世話になった人に会うなら、香水つけておしゃれしてったらどうだ?』

「あー、あのスノーミントなら爽やかで良さそう」


 そう言う訳で俺は、千歳にもらったスノーミントの香水を肘の裏に一吹きしてスーツに着替えた。

 待ち合わせの喫茶店まで出かける。いつも使う、個室のある喫茶店。萌木さんと久慈さんは、すぐ来た。


「おはようございます、直接お会いするの初めてですね」


 俺は萌木さんに言った。基本フルリモートのうちの会社、グリーンライトは、社員が直接顔を合わせる機会がなかなかない。萌木さんにはこれまで本当にお世話になったが、直接会うのはこれが初めてなのだ。


「うん、和泉さんに直接会える機会だなと思って、千葉から車飛ばしてきちゃった」


 萌木さんは微笑んだ。久慈さんから聞いてはいたが、萌木さんは上背があって横幅もなかなかある。画面で会うんじゃわからなかったけど、巨漢だったんだな……。

 久慈さんが言った。


「個室席あるのいいですねえ、いい喫茶店だ」

「そうなんです、個室便利なんで、人と会う時よく使うんですよねここ」


 そんなこんなで、俺達は萌木さんへの仕事の引き継ぎを無事済ませた。予定より少し時間が余ったな、と思ったところで、萌木さんが「ところで」と言った。


「あの……直接会いたかったのは、和泉さんにお礼を言いたくて。和泉さんに親のこと相談しなかったら、俺は思い切って生活を変えるのできなくて、奥さんも子供も手に入らなかったと思う。本当に、本当にありがとう」


 萌木さんは、俺に深く頭を下げた。


「いえ、そんな……萌木さんが幸せなら良かったです、萌木さんがいなかったら今の仕事できてなかったし、恩返しできてうれしいです」


 そうか、萌木さんはちゃんとやれてるのか。俺は父親とトラブル起こしそうだけど、似たようなことで困ってる人の助けにはなれたんだよな。俺は、少しと心が慰められた。

 すると、久慈さんが「ん?」と眉をしかめた。なんだ? 俺の後ろの方に視線をやっている?

 振り返ってみたけど、誰もいない。


「あの、すみません、この席使ってて……」


 久慈さんが俺の後ろに話しかけた時、俺の耳元で、鼓膜を震わせるのではない声が聞こえた。


(やっぱり呪いはできんねえ。でも大丈夫、これは【祝福】やからね)


 次の瞬間、萌木さんと久慈さんがどんどんおおきくなって、え、なあにこれ、くじさんともえぎさんがぼくをみおろして、わかんない、わかんない、よくわかんなくなった。

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