表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第11シーズン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

598/1064

番外編 金谷千歳と顔合わせ

 緑さんが「一度、うちのメンツと顔合わせしてくれない?」とのことなので、篩建築事務所分所に来た。川崎駅の東口を出て、少し歩いた辺りの貸しビルの一角。割と小さい事務所だな。

 目立たないドアを叩いて『こんにちは!』と言ったら、すぐ緑さんが出てきてくれた。


「ごめんね、呼び出すような形で」

『ううん、一度来てみたかったし』


 パッと見、地味な貸しオフィスなんだけど、ワシはなんとなく、霊力を込めた道具の気配を感じた。そうか、お祓いやるところなら、そういうの使うよな。

 奥にあかりさんと、知らないおばさんがいた。緑さんが2人を手で示しながら紹介してくれた。


「常勤の実働部隊は、私と、あかりちゃんくらいしかいないの。で、こちら金栄さん。この分所の「すべて」をやってくれてる人だから、この人こそがこの事務所の要」

『こ、こんにちは』


 なんかすごい人なのか?


「ただの事務方ですよ」


 金栄さんは苦笑した。


「事務も経理も仕事の割り振りもなんだから「すべて」でしょ! 私たち、金栄さんいなきゃやってけないのよ! そうでしょあかりちゃん!」


 話を振られたあかりさんは、笑いをこらえながら頷いた。


「「すべて」です。いつもお世話になってます」


 あっ、裏方を全部やってくれてる人なのか。じゃあワシもちゃんと挨拶しとかなきゃ。


『じゃあ、ワシのこともよろしくお願いします!』

「よろしくお願いします」


 金栄さんは笑って会釈してくれた。


『あのさ、緑さん。ついでだから、できてる分の御札持ってきた。とりあえず15枚』


 ワシは御札を入れた封筒を緑さんに渡した。和束ハルを探すために、素質のある人の感知力を高める御札。


「ありがとう! すっごい助かる!」


 緑さんは喜んでくれたけど、あかりさんがため息を付いた。


「探せる人増えて、和束ハルが見つかるといいんですけど……」


 緑さんも暗い顔になった。


「それしかできないからねえ……」

「狭山さんが、見つけるのはとりあえずあとにして、襲われたらまずいところを守るべきだってずっと言ってて」

「そりゃできたらいいけど、探さないわけに行かないし、守るのはとんでもない霊力がいるし」


 ふーん、そんな話出てるのか。ワシ、守り刀作ってもらってるし、狙われそうなところがあるなら守れたほうがいいよな。

 ……あ、そうだ。


『あのさ、前作った組紐みたいのでよかったら、ワシ作ろうか?』

「え、いいの!?」


 緑さんは目をまんまるにしてワシを見た。


『いくついる?』

「え、ちょっと待って、どこに優先して配布するかまとめないと……いや、でも、タダってわけに行かないし、そんなにすぐお金用意できないのよ……」


 緑さんは困りだした。


『払えるときでいい、和束ハルになんかやられると困るんだろ?』


 和束ハル、何度も事件を起こしてる。ワシは爆発させられかけたし、和泉は殺されかけたし。そんな目に遭う人、増やしたくない。

 緑さんは「え、そうなの?」と救われたような顔になった。


「そ、それじゃ、何年かかけて払うんでも大丈夫?」

『大丈夫』

「え、えっとじゃあ、御札終わったら組紐作って、できるごとにあかりちゃんに渡してくれない!? その辺の契約とかはハンコ押せばOKなまでにしとくから! 金栄さんが!」

『わかった!』


 この時、御札を後回しにして、組紐を最優先で作ってれば、和泉には何も起こらなかったかもしれない。でも、それがわかるのは、ずっと後のことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ