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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第10シーズン

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閑話 ストレス解消

 俺は夕飯の後の残業中、千歳(朝霧の忌み子のすがた)は隣の机で鳴子の組紐作り中。しばらく集中していたのだが、千歳が『できた!』と叫んだ。両手には鈴のついた組紐。


「おっ、お疲れ」

『疲れたからぎゅーしろ、肋骨痛くない程度でいいから』


 千歳はボンと音を立ててお化けの格好になった。


「え、話の流れがよく……」


 千歳はぷーっとむくれた。


『ぎゅーしたらストレス減るって言ったのお前じゃないか! それともあれ嘘だったのか!?』

「いや、嘘じゃない、嘘じゃない、そっかストレスだったんだね、ぎゅーしよ、ごめん」


 千歳は俺の懐に飛びこんで背中に手を回し、俺も千歳を抱きしめた。うん、いつものウレタン感触。これなら変な気持ちは起きない……多分。


『ぎゅっとしても痛くないか?』

「これくらいなら」

『……一応さ、鳴子が敏感になる術式もらって組み込んだんだけどさ、これで大丈夫かなあ』


 千歳の声は不安げだ。


「やれるだけのことはやっただろ、大丈夫だよ」

『……嫌な奴が、お前かワシをまた狙うかもっていうの、怖い』


 俺の背中に回った千歳の手が、ぎゅっと握りしめられるのを感じた。そうか、それもストレスだったんだな……。


「……これまで、なんとかなってきたしさ。備えられるだけは備えたし、なんとかなるよ」


 俺は千歳の背中をポンポン叩いた。


『本当に?』

「だって千歳は鳴子も守り刀もあるし、俺は千歳のお守り改があるし。周りの人もみんな助けてくれるし。大丈夫だよ」

『うん……』

「備えられることは備えておいてさ、後は普通に暮らそう。毎日やんなきゃいけないことあるし、それこなすだけでけっこう大変じゃん?」

『……うん』


 千歳は納得したらしく、俺に抱きついていた腕をほどいて体を離した。


『まあ、毎日お前の飯作るだけでもそれなりだしな。普通にやるか』

「いつもありがとうございます、俺は俺で仕事が詰まってるからやらないと」

『今日残業まだやるか?』

「今日はやる気なくなっちゃった」

『おい』


 だって千歳と抱きしめあって話し合うなんて究極のプライベートだから、仕事のことなんて頭から飛んじゃうよ。


「まあ、明日朝早くからまたがんばるよ」


 俺は進捗をスケジュールアプリにさっとメモした。


『うん、がんばれ、飯作ってやるし掃除も洗濯もしてやるから』

「ありがとう」


 普通に暮らしていければいいんだ。千歳と一緒に、お互いやることを分担して、労わり合って。

 ……まあ、俺の千歳への気持ちは、隠しておかなきゃいけないけど。

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