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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第9シーズン

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もっとずっと一緒にいたい

 朝ご飯を済ませて食器洗いをして、それからすぐおっくんに漢方監修候補(多田漢方薬局の多田さん)をメールした。多田さんには「漢方監修を探してる小説家がいるんです」と話を通しておいたから、まあ大丈夫だろう。

 時間早いけどグリーンライトの仕事を始めようと思ったら、スマホが震えた。鹿沼さんからのLINEだった。


「おはようございます。私も霊力を分けてくれって言われたんですけど、和泉さん大丈夫ですか?」


 あ、霊力集め、鹿沼さんにも話行ったのか……しかもこれだと、大体の話は聞いてる?

 俺は、とりあえず鹿沼さんに聞いてみた。


「どれくらい話聞いた?」

「和泉さんが悪い霊に心臓止められる呪いかけられて、それ知ったら千歳さんが怒って悪い霊に悪いことされやすくなって莫大な被害出るから、全部千歳さんに内緒にしたまますごく霊力集めて和泉さんの呪いを焼き切って助けないといけないって」


 大体のことは伝わってるな……。


「だいたいその通り。でも、呪いが作動してからじゃないと呪い焼ききれないんだ。俺が心臓止まることは確定で、心肺停止からの蘇生って確率低いし、そもそも霊力が十分に集まってないし、俺8月末に死ぬ可能性が高い」

「私、霊力すごく込めます!」

「ありがとう。でも、今いろんな人が奔走してくれてるけど、力のある人から霊力根こそぎ集めても必要な量の1/4なんだ。千歳にもうまい口実つけて霊力出してもらってるんだけど、それも1/4。あとの2/4は神様仏様じゃないと無理らしいんだけど、そんなに力借りられた例はあんまりないんだって」

「そんな」

「まあ死なない可能性は上げたいから、鹿沼さんが霊力分けてくれたら嬉しい。でも千歳には隠しきらなくちゃいけないから、俺は普通に暮らし続けなきゃならないんだ。だから、しばらく直接会うのは難しい。ごめんね」

「でも、大丈夫ですか?」

「大丈夫なふりをしなくちゃいけないんだよ。ごめんね、普通に暮らすために普通に仕事しないといけないから、この辺で」


 俺はスマホ画面を閉じた。


『どうした、元気ないな』


 いきなり千歳から声をかけられて、俺は飛び上がるかと思った。


「あ、いや、ちょっと仕事の関係で……」


 元気なんて出せるわけない。でも、仕事のプレッシャーだってごまかさなきゃいけない。


『8月末くらいには終わるんだろ?』

「う、うん」

『終わったら、なんかお祝いしてやるから、元気出せ』


 千歳は笑った。


「…………」


 ……終わったら、それは高確率で俺の終わりなんだ。俺は、8月末に、終わりなんだ。

 でも悟られちゃいけない。俺は、努めて明るい声を出した。


「じゃあ、なんかまた特別な料理作ってよ」

『うん、なんでも作ってやる、何がいい?』

「今すぐは思いつかないなあ、考えとく」


 ……千歳と、8月を過ぎても、もっと一緒にいたい。ずっと一緒にいたい。でも、それは、高確率で叶わない……。

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