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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
26シーズン

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1109/1110

こんな日々だから愛おしい

 日々が過ぎる。千歳と一緒になったことを皆に伝えて驚かれたり祝われたり、千歳の誕生日を祝ったり、りゅーちゃんの戸籍作成のために家庭裁判所に行ったり、りゅーちゃんにワクチンを打ち進めたり。

 そしてりゅーちゃんの戸籍ができ、りゅーちゃんは正式に千歳の養子になり、りゅーちゃんを通わせる保育園にも見通しが立った。りゅーちゃん、保育園でたくさんお友達作ろうね。

 さらに、俺たちは弁護士さんに相談して、お互いに何かあったときもお互いがりゅーちゃんの親相当のことができるようにした。

 そんな日々。夜、俺は、いつもみたいに絵本を読んでりゅーちゃんを寝かしつけていた。

 りゅーちゃんは俺に抱きついて眠ってしまい、俺はしばらくその寝顔を見ていた。

 千歳が、りゅーちゃんを起こさないようにそっと寝室に入ってきて、りゅーちゃんと俺と川の字に寝そべった。


『寝たか』

「寝た」

『ワシも寝ちゃう、ここんとこ疲れた』

「おやすみ」


 千歳が布団に入ってりゅーちゃんを抱きしめたので、俺はりゅーちゃんごと千歳を抱きしめた。


「なんか俺さあ、全部手に入った感じがする」

『全部?』


 俺は千歳に微笑みかけた。


「全部」


 千歳は目を丸くし、そして苦笑した。


『欲のない奴』

「だって、大事なものは全部ここにある」

『……そっか』


 次の日の朝。千歳が朝ごはんを作る間、りゅーちゃんと遊んであげていると、ふと千歳が言った。


『あのさあ、和泉』

「何?」

『りゅーちゃんが大人になってもさ』

「うん」

『結婚したままでいてやろうか?』

「え!?」


 俺はびっくりして叫んでしまった。りゅーちゃんが「おとーさん?」と不思議そうに俺を見上げる。


「本当!? 本当に結婚したままでいてくれるの!?」

『まあ……いいかなと思って』

「本当!? 本当に……!?」


 俺は、思わず涙ぐんでしまった。


「おとーさん? いたいいたいなの?」

「大丈夫、痛くないよ、うれしいんだよ……」


 思わず鼻をすすったその時、玄関ドアがめちゃくちゃに叩かれた。


『何だ何だ』

「俺出るよ」


 玄関を開けると、なんと、りゅーちゃんと同じ年頃の女の子がいた。おかっぱの普通の女の子に見えるが、目だけは緑の猫目。大人のTシャツだけ着て、その子は奮然と叫んだ。


「お前らか! 我を愚かなる毛無しにしたのは!」

「何!?」


 千歳も俺の後ろに来て『何だ!?』と騒いだ。りゅーちゃんは「だーれ?」と首を傾げる。

 すると狭山さんが駆けてきて「クー! おバカ! そのまま行っちゃダメって言っただろ!」と女の子を抱え上げた。俺はびっくりした。


「え、クーって……まさかクーちゃん!?」


 狭山さんの飼い猫の名前は、確かクー。目を見るに、この子は猫又……どういうこと!?

 狭山さんは、ズレた眼鏡のまま女の子を抱き直して言った。


「ず、ずいぶん前に千歳さんにクーの首輪に霊力を込めてもらったじゃないですか、その影響で猫又になっちゃったみたいです」


 女の子は吠えた。


「責任を取れ!」

『猫又ってそんなんでもなるのか!?』


 りゅーちゃんは、興味津々でクーちゃんを見つめている。


「あ、りゅーちゃんは同じ年の子見るの初めてか」


 クーちゃんは怒った。


「我を愚かなる毛無しと一緒にするな!」


 俺は頭を掻いた。


「あー、その、私、猫又に知り合いがいるんで、猫から猫又になった時どうすればいいか聞いてみますね」


 りゅーちゃんは「くーちゃん!」と騒ぎ、千歳が言った。


『同い年くらいだし、お友達になってもらいな』

「おともだち!?」


 りゅーちゃんの目がキラッキラになった。クーちゃんはまた奮然と吠えた。


「我を! 愚かなる毛無しと! 一緒にするな!!」


 りゅーちゃんはまるで意に介さず、クーちゃんに「いっしょにあそぼ!」と言った。狭山さんがすまなそうに言った。


「その、来たのはお願いがあって……子供服貸してもらえませんか……」

「あ、わかりました。りゅーちゃん、お友達にお洋服貸してあげようね」

「うん!」

『あがって! 似合う服見繕うよ』


 千歳が狭山さんを促し、りゅーちゃんはクーちゃんに話しかける。


「くーちゃん、おえかきする? おすなばあそびする?」


 クーちゃんは狭山さんに抱かれたまま、忌々しげな顔をした。


「ええい、愚かなるチビ毛無しめ……」


 閻魔大王様のことは解決したし、りゅーちゃんのことも一段落ついたけど。

 俺たちの人生には、こんな感じの事件がまだまだたくさんあるのかもしれない。

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