二人で一緒に育てたい
千歳の気が変わらないうちにと思って、俺は翌日すぐ役所に行った。千歳とりゅーちゃんも一緒。平日昼間に動けるフルフレックス、万歳。
千歳の性別が保留なので、案の定籍は入れられなかったけど、それならばと即パートナーシップ制度に申請して、俺は対外的には千歳の内縁の夫となった。後は弁護士さんに相談して、俺と千歳とりゅーちゃんの結び付きを強めるための取り決めなんかをしよう。
俺はりゅーちゃんを抱き上げた。
「今日から、おじちゃんはりゅーちゃんのお父さんだよ」
りゅーちゃんは不思議そうだった。
「おとーしゃん? おじちゃんが? おとーしゃん?」
千歳が『ワシもりゅーちゃんの……』と言いかけ、はたと考える顔になった。
『ワシはどっちだ? お父ちゃん? お母ちゃん?』
そ、その問題があったか!
俺は困った。
「ど、どっちだろう……」
『うーん、お父ちゃん、お母ちゃん、お父ちゃん、お母ちゃん、お父ちゃん、お母ちゃん……』
千歳は困り果てた顔でつぶやく。りゅーちゃんは千歳のつぶやきを聞いていたが、何かひらめいた顔になって「おとかちゃん!」と叫んだ。
『おとかちゃん?』
きょとんとする千歳に、りゅーちゃんはいいことを思いついたとばかりに得意げに言った。
「ちーちゃんで、おとーちゃんで、おかーちゃんで、おとかちゃん!」
な、なるほど!
「いい! それがいい、千歳。今日から千歳はりゅーちゃんのおとかちゃんだ」
りゅーちゃんは「おとかちゃん!」と笑い、千歳も嬉しそうに笑った。
『おお、じゃワシはおとかちゃんな!』
お父さんと、おとかちゃんか。そうだよりゅーちゃん、これからお父さんとおとかちゃんが、君の親だよ。




