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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
26シーズン

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ずっと一緒にいてあげたい

 千歳は話してくれた。緑さんも朝霧春太郎に絶対りゅーちゃんを渡したくないこと。でもそうなるといろんな家でりゅーちゃんの争奪戦になること。丸く収めるには、千歳がりゅーちゃんを引き取って養子にするしかないこと。


『だからさ、うちでりゅーちゃんを育てるとか……どうだ……?』


 千歳は、恐る恐る聞いてきた。

 うちでりゅーちゃんを育てる? じゃあ、りゅーちゃんはずっとうちにいる?

 俺の口からは、「いい、すっごくいい……」の言葉が自然に漏れた。


「うちの子にしようよ。至らないところはあるかもしれないけど、たくさんかわいがって育てよう。りゅーちゃんを、10人分幸せにしてあげよう」


 千歳は、ホッとしたようだ。


『そう言ってくれてよかった。お前りゅーちゃんにいてほしそうだったけどさ、ワシお前とこのことについてはっきり喋ったことなかったからさ』

「りゅーちゃんにはずっとうちにいてほしいよ。そりゃ大人になったら独り立ちするだろうけど、それ以外で手放したくない」

『そっか』


 千歳はにこにこだ。そうか、千歳もりゅーちゃんがずっといてくれると嬉しいんだ。

 じゃあ、りゅーちゃんをずっとうちで育てるにあたって、なんかしておかなきゃいけないことあるかな? とりあえず、りゅーちゃんが戸籍取ったら千歳の養子になって……ん? じゃあ、俺は公的にりゅーちゃんの何になるんだ?

 いや、俺、何者でもないぞ!? 俺と千歳の間に公的な結びつきは何もないんだから、俺はりゅーちゃんの保護者の同居人Aでしかない! それは……それはちょっと良くないんじゃないか!?

 俺がりゅーちゃんの父親になる方法、それは……。


「……ねえ、千歳」

『なんだ?』

「りゅーちゃんをうちで育てるにあたって、俺がりゅーちゃんのお父さんになるために、どうしてもお願いしたいことがある」

『うん?』


 俺はこのお願いをどうしても通したい。なので、躊躇なく千歳に土下座した。


「俺と結婚してください!」

『ええ!?』

「りゅーちゃんが大人になるまでの間でいいから! 俺をりゅーちゃんのお父さんにしてよ! 俺を法律で縛ってよ!」


 俺は頭を下げっぱなしなので見えなかったが、千歳が慌てる気配がした。


『おい恋人は5年っつったろ! 伸ばすな!しかも結婚ってお前!』

「千歳の性別的な意味で法律的にできなかったらパートナーシップ制度使って後は弁護士さんに相談するから! 俺と一緒になってよ!!」

『そういう問題じゃなくて!』

「そういう問題だよ!!」


 俺は顔を上げた。千歳はあわあわしていた。俺は言葉を続けた。


「俺、千歳と一生一緒にいるって心に決めてるんだ。で、結婚しないと俺はりゅーちゃんの保護者の同居人でしかないんだ。りゅーちゃんに何の責任も持たない立場なんだ。俺に、りゅーちゃんを育てる責任を負わせてほしい」

『そ、それは……そうなのかもしれないけど……』


 千歳は考え込み、やがて大きなため息をついて『まあ……りゅーちゃんが大人になるまでな』と言った。


『それ以降は、また考える』

「いい返事を期待しています」

『そんなまっすぐな目で見られても!』


 騒いだ割にりゅーちゃんは起きず、1時間ちょいくらい経ってからやっと起きてきた。


「ちーちゃん! おじちゃん! おなかしゅいた!」

『おおよしよし、元気になったか、すぐご飯にするからな』

「怖かったね、もう怖くないからね、おじちゃんたちが怖いのなんてどっかやっちゃうからね」


 りゅーちゃんにバナナヨーグルトとフルーツグラノーラと野菜スープを食べさせ、食べているりゅーちゃんに俺たちはこう言った。


「りゅーちゃんはね、これからずっとこのおうちにいるんだよ」

『ワシらとな、これからずっと一緒にご飯食べるんだぞ』

「?」


 りゅーちゃんはわかってない顔だったが、しばらくして首を傾げて「りゅーちゃん、ちーちゃんとずっといっちょ? おじちゃんとずっといっちょ?」と聞いてきた。


『ずっと一緒だぞ』

「ずっと一緒だよ」


 そう、君はうちの子。君が大人になるまで、ずっと一緒。君が大人になっても、気持ちは君とずっと一緒。

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